百田尚樹著「海賊とよばれた男」の朗読
この本はお薦めである。と言っても、自分はまだ全部読んでいない。この朗読を聞いて、薦める気になったのである。
NHKラジオ第2に「朗読」の時間がある(ここ)。自分は(土)の再放送を録音して、通勤電車の中で聞いているのだが、7月から放送されている百田尚樹著「海賊とよばれた男」が実に面白い。本屋に行くと山と積んである、ベストセラーだという。さっそく本を買ってきて、追い掛けて読んでいる。この朗読は、序章と第3章の「日章丸事件」の部分の朗読である。
NHKの「朗読」のサイトにはこんな説明がある。
「朗読特集・百田尚樹「海賊とよばれた男」 全25回
朗読:橋爪 功 テキスト:「海賊とよばれた男(上)・(下)」(講談社 2012年)
・「2013本屋大賞」に選ばれた百田尚樹「海賊とよばれた男」。「朗読」では早くからこの作品に注目。本屋大賞に決まる半年前、今年正月「朗読特集」として放送した(90分×4回)。今回は百万部を越えてなお売れ続ける「海賊とよばれた男」を再構成して、定時放送(9時45分-10時)で25回にわたり放送する。
・男の名前は国岡鐡造。出光興産の創業者・出光佐三が作品のモデルである。国岡は、石油が厳しい統制化にあった時代に、関門海峡に手漕ぎの船を繰り出し、出漁中の漁船に油を配って回った。「海賊のような男」とうわさされた。大戦後、石油の仕事を本格化した国岡鐡造は1953年(昭和28年)、イラン石油の輸入をめぐってメジャー(国際石油資本)との激闘に入る。石油に命をかけた主人公が明治維新世界→日中・太平洋戦争→戦後世界を舞台に活躍する物語を俳優・橋爪功の朗読で放送する。(初回本放送:2013年1月1日・2日・3日・5日)」(ここより)
出光興産と言えば、子どものころの思い出がある。小学生の時、家には出光興産のカレンダーがかけてあった。それを自分は「しゅっこうよさん」と読んで親父に笑われた。「興」の字が、生まれ故郷の埼玉県「與野=与野」の「與」と間違えたのだ。
それ以来、読み方はしっかりと覚えたが、この会社にこんな歴史があるとは知らなかった。もちろんこの朗読に出てくる昭和28年の「日章丸事件」についても知らなかった。
あの小学校の時に“カレンダー事件”が、たぶん昭和34年頃だと思うので、まだ皆の記憶にあった頃・・・、ということになる。
前から聞いてはいたが、タイムカードや定年制が無い「大家族主義」の出光の歴史をこの小説で垣間見た。それにしても、“手に汗を握る”というのはこんな話を言うのかも・・・
この小説は、名前は変えてあるが、全て事実のドキュメンタリーだという。それだけに心が躍る。
この朗読を下記に置くので、ワクワクしたい人は、ぜひ聞いてみて!
*なお、各回の最初と最後の番組紹介はカットして、72分の連続にしてある。
<百田尚樹著「海賊とよばれた男」の朗読(橋爪功)①~⑤>
<百田尚樹著「海賊とよばれた男」の朗読(橋爪功)⑥~⑩>
<百田尚樹著「海賊とよばれた男」の朗読(橋爪功)⑪~⑮>
<百田尚樹著「海賊とよばれた男」の朗読(橋爪功)⑯~⑳>
<百田尚樹著「海賊とよばれた男」の朗読(橋爪功)(21)~(25)>
上の朗読を聞いた人は、たぶん直ぐに本屋に走ると思う・・・。
それに、こんな本が売れているので、そのルーツがある出光への入社希望者が増えるかも・・・ね。
(追:2013/10/27)~「Uさんの読書ノート」より
Uさんが送ってくれた「海賊と呼ばれた男」の紹介メールにはこうある。
「今回の本の紹介は「海賊と呼ばれた男」百田尚樹著 講談社 上/下 である。本書を手にして2日間で読んでしまった。それほど面白く、感動した!
本書を要約するのに作者が伝えたいことを忠実に再現しようと、長くなってしまった事を各位にお詫びする。
鉄造こと出光佐三創業の出光興産について、ある程度のことは知っているつもりであったが、これほど苦労して民族系として、メジャーと闘った事は知らなかった。世の中では「お客様は神様」と言われているが、石油と食糧は、供給者側が神様である。つまり、世界中の供給を大手メジャーが握っている為である。買い手は供給して貰わなければ如何ともしがたいのである。そして、タンカー、タンク、精製所、販売網を全て揃えていなければならない。食糧も同じである。
著者が本書で言いたかったのは、マルロー氏と鉄造との対談で「西欧は『物』を中心とした世界だが、日本は『人』を中心とした世界です。人間を信頼するという考え方が、日本人の世界的使命だと思う」と鉄造に言わせている言葉ではないか。大前研一氏が主張する日本国の将来像としての「ブランド化」の中心になるべきテーマではないだろか。では、誰に「ブランド・マネージャー」になって貰えばいいのだろうか? 各位に是非読んでもらいたい本である。」
★「百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」講談社」のUさんの読書ノートのPDFは(ここ)
| 1
コメント
ブログ、3年以上拝見させていただいてます。私は片割れさんと同年齢の者です。百田直樹さんはテレビ番組で『平和を守るためには軍隊が必要、“海賊…”は安倍首相も絶賛している』と述べていました。このことをもって私は百田さんを右翼的な人と決め付けるつもりはありません。“海賊…”は深刻に考えさせられる場面がたくさんあり、すぐれた作品だとと思います。その一方作者の底流に流れるものの考え方も問われると思います。片割れさんが先日紹介いただいた『長崎市長平和宣言』との関係をどう判断したら良いのかと考えさせられます。この二つを結びつけること自体おかしいという考えもあると思いますが、戦争と平和の問題の整合性をどう考えたら良いのか考えてしまいます。いろんな考えがあっていいと思います。私の考えの中に日本国憲法が目指す?非武装中立の考えがあるのですが、非現実的な甘い考えなのでしょうか。長文になり失礼いたしました。これからもブログを拝見し続けます。よろしくお願い致します。私最近、佐々木新一、井沢八郎、新川二郎、北原謙二、松島アキラ、久保浩、梶光夫、安達明、美樹克彦といったいわば青春歌謡に凝っています。勝手なお願いですがぜひアップして下さい。
【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。確かに“海賊・・・”の帯に「安倍晋三総理がFBで「私の大好きな作家・百田尚樹さん」と・・・」とあったのでビックリしました。“お国のため”という思想が似ているのでしょうかね?
この人の本を読むのは初めてです。もちろん今まで名前も知りませんでした。この作品は、著者と言うより、出光という人に興味を持ちました。一通り読んでから、また考えたいと思います。
青春歌謡の歌手は懐かしい・・・。松島アキラ 「湖愁」だけですね。今まで挙げたのは・・・。また追而。
投稿: 柿崎 幸至 | 2013年8月15日 (木) 06:28