人間ドック受診「異常なし」7.2% 過去最低
今朝起きると、カミさんがこれを読め、という。人間ドックの記事だ。
「人間ドック受診「異常なし」7.2% 過去最低
2012年に人間ドックを受けた316万人のうち、全項目の検査値に異常のなかった人は、過去最低の7.2%だったと日本人間ドック学会が22日発表した。全国集計を開始した1984年当時、「異常なし」は29.8%だったが、年々減り続けている。
男女別では男性は6.2%、女性は8.6%。肥満や高コレステロールなどの生活習慣病に関連する異常は50代男性が最多。男性は肥満、高コレステロール、高中性脂肪、肝機能異常の各項目で50代をピークに減少。女性はほぼ年齢とともに増えていた。同学会の笹森斉理事は「働き盛りの男性は、食生活の乱れや飲酒、運動不足などで異常の原因を作りやすい。定年後に生活習慣が改善される傾向にあるのではないか」と話す。」(2013/08/23付「朝日新聞」p37より)
「人間ドックで異常なし」は最低の7.2%- 受診者の高齢化など要因
日本人間ドック学会は22日に記者会見を開き、昨年の人間ドック受診状況の調査結果を発表した。それによると、すべての項目で異常が見られなかった人の割合は全体の7.2%(前年比0.6ポイント減)と、1984年に集計を開始して以降で最低を更新した。受診者の高齢化や判定基準値の厳格化などが要因とみられる。
同学会と日本病院会が指定する人間ドック健診施設機能評価認定施設などのうち、686施設にアンケート調査を行ったところ、生活習慣病関連の各検査項目で経過措置や二次精査が必要と判定された人の割合は、肥満が29.3%(前年比1.7ポイント増)、高コレステロールが31.5%(同1.7ポイント増)、高中性脂肪が15.9%(同1.6ポイント増)、高血圧が21.9%(同0.9ポイント増)とそれぞれ増加。一方、耐糖能異常が22.8%(同0.4ポイント減)、肝機能異常が32.4%(同0.9ポイント減)と減少した。
また、全項目で異常の認められなかった人の割合は全体の7.2%で、集計開始時の29.8%から大幅に減っていた。その要因について、調査に携わった人間ドック健診統計調査委員会の笹森斉副委員長は、▽人間ドック受診者の高齢化▽専門学会の判定基準ガイドライン採用による基準値の厳格化▽ストレスやうつ病増加に伴う生活習慣の悪化▽食習慣の欧米化と身体活動量の低下―を挙げた。
さらに、「検査方法や検査機器の進歩により、今まで正常と見られていた人が生活習慣病関連項目に異常があると判定されるケースも増えている」とも分析している。
■基準範囲を独自に設定、今月末の学術大会で発表
会見で同学会は、人間ドック受診者が健康であるかどうかを判断する際に参考となる基準範囲を独自に設定したことも明らかにした。
具体的には、約200病院から150万人のデータを集め、その中からBMI25未満、飲酒は1日1合未満、血圧が130/85mmHg未満、喫煙していないなど、20―80歳の健康とみられる約40万人分を抽出。そのデータを基に、例えば尿酸値やLDLコレステロールなどについて性別や年齢階層ごとに基準範囲を設けたという。受診者の継続的な健康増進を図るのが主な狙いだ。
今月29、30日に静岡県のアクトシティ浜松・オークラアクトシティホテル浜松で開かれる第54回日本人間ドック学会学術大会で、その具体的な内容を発表する予定だという。【松村秀士】」(ここより)
また「人間ドックで見つかったがんは、男性では胃がんが最も多く、大腸がん、前立腺がんと続き、女性では乳がん、胃がん、大腸がんの順だった。」という。
一方、近藤誠著「医者に殺されない47の心得」によると、・・・
「高血圧患者4千万人、高コレストロール血症3千万人、糖尿病は予備軍を含め2,300万人と日本には凄い数の「病人」が居る事になっています。これは薬を売る為の策略としか思えません。高血圧の基準がどんどん下がっています。長い間、最高血圧の基準は160mmHgだったのが、2000年に140に、2008年のメタボ検診では、遂に130まで引き下げられてしまいました。その結果、1988年には降圧剤の売り上げが約2,000億円だったのが、2008年には1兆円を超えて、20年間で売り上げが6倍に伸びています。コレストロール低下薬のスタチン類は、年間2,600億円の売り上げが有ります。血圧やコレステロールを薬で下げると、数値は改善しても早死にするリスクが高くなる事が数万人規模の追跡調査ではっきりしています。高血圧の基準を含む日本版メタボ診断基準の作成委員会メンバーの内、国公立大の医師11人全員に2002年~2004年の3年間に、高血圧などの治療薬メーカーから合計14億円もの寄付金が渡っているのです。フィンランドで75才~85才までの「降圧剤を飲まない」男女521人の経過を診た調査で、80才以上のグループでは、最高血圧が180以上の人達の生存率が最も高く、最高血圧140を切った人達の生存率はがくんと下がっています。コレストロールについても、1980年代に福井県の約3万7千人を5年間追跡調査したら、男女とも、コレステロール値の最も低いグループの総死亡率が一番高く、男性では、血中コレステロール値が高いほど総死亡率が低いという結果が出ています。
日本糖尿病学会の診断基準によると、空腹時の血糖値が110mg/dL未満で正常。126以上となると糖尿病と診断され、その中間が予備軍となります。1990年代に、イギリスで大々的な試験が行われ、被験者は2型糖尿病で自覚症状が無く、体重が標準の120%未満で、血糖値が110~270mg/dLまでの3800人をくじ引きで2群に分け、A群は食事療法をメインにして、血糖値が270を超えた時だけ薬物療法を行いました。B群は降下剤を使って、血糖値が常に110未満に留まるようにしました。そして、10年間観察した結果「死亡、腎不全、失明に統計的有意差なし」一方、低血糖による発作が、B群の方がA群より3倍になりました。血糖値は「歩く、自転車、水泳、ストレッチ」などで下がる事が多い事が判かっています。・・・」
そして、こんな記事もある。
「がん患者の4割、自覚症状なく受診 健診など契機 厚労省調査
病院でがんと診断された外来患者の約4割は、受診の時点で自覚症状がなかったことが27日までの厚生労働省の調査で分かった。健康診断や人間ドックをきっかけに受診し、がんが見つかったケースが多い。同省がこうしたデータを公表するのは初めてという。同省の担当者は「がん治療の基本は早期発見。自主的に健康診断を受けることの重要性を示すデータだ」としている。
全国500病院を対象に2011年10月に実施した「受療行動調査」の結果のうち、がん以外も含めた病名が分かる外来患者約3万1千人の回答を分析した。
同省によると、がんと診断された外来患者のうち、41.5%が「自覚症状がなかった」と回答、「自覚症状があった」は48.1%だった。
自覚症状がないのに受診した理由(複数回答)は「健康診断や人間ドックで(詳しい検査を受けるよう)指摘された」が最多で、半数近くを占めた。次いで「他の医療機関で受診を勧められた」「(明確な自覚症状はなかったが)病気ではないかと不安に思った」が続いた。
がんの部位別で自覚症状がなかった人の割合は、気管・気管支・肺がん54.9%、前立腺がん53.8%、胃がん49.9%、乳がん37.2%だった。〔共同〕」(2013/2/27 付「日経新聞」より)
検診で病気が見付かるケースは、それなりにあるという。しかし、それで治ったか?というと、話は別。しかも、検診でOKだったのに、重い病気が発病した、という話もよく聞く。
しかしこの記事で、人間ドックで異常なしの “健康者”が7%とは、何か違和感を覚える。普通に生活している我々は、9割以上が健康だと思っているのではないか? こんな数字を見ると、病院経営のために患者が創られているような気がしてならない。
結局、自分自身で判断し、行動するしかない・・・。
所詮、すべては“運”なのだから・・・
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