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2013年6月 4日 (火)

東北・震災地の幽霊

幽霊の話、といっても、これは真面目な話・・・。先日の日経新聞にこんな話が載っていた。

「(あすへの話題)幽霊 
    国際日本文化研究センター所長 小松和彦
 東北の被災地を訪れた研究者たちから、彼の地ではたくさんの幽霊が出没しているという話を聞く。宗教人類学者の佐々木宏幹さんの新刊『生活仏教の民俗誌』でも、震災と幽霊の問題が取り上げられ、身内を失った方々の身辺で起きている幽霊出没の話が紹介されている。幽霊ばなしというと、合理性・科学性が過度に重視される現代では、研究テーマにすることさえはばかられる状況にあった。だが、佐々木さんも指摘するように、亡くなった者と残された者との関係を物語る貴重な証言だと思われる。
 幽霊は、この世に未練を残した者の霊がさ迷い出て来ることである。ここで重要なのは「この世に未練を残している」と考えるのは残された者、ということだ。亡くなった者への哀悼の念や生き残った者の後ろめたさなどのさまざまな思いが、ときには幽霊を呼び招くことになるのである。したがって、幽霊の出没をなくすためには、生き残った人々の傷ついている心をいやさねばならない。その伝統的な方法が死者を成仏させるという仏教的な慰霊行為の実践であり、現代的な方法がカウンセリングなのだ。
 しかしながら、傷ついた心はそうした方法で簡単にいやされない。長い時間をかけての地域の復興・生活の立て直しがなされ、天災ならばその体験に学んだ予防や避難の方法が考え出され、人災ならば原因を突き止め再発を防ぐ方策がとられるようになるのも助けとなるはずである。それらが果たされるにつれ、痛ましい記憶が薄れ、幽霊の出没もしだいになくなっていくのであろう。私たちは、もっと幽霊ばなしに耳を傾け、そこに託されているメッセージをしっかりと読み解くべきなのではないか。」(
2013/05/28付「日経新聞」夕刊p1より)

亡くなった人が霊となって、身近に居る、ということはハッピーか?それともアンハッピーか?
自分は、人が亡くなると、それは見えない霊となって身近に存在していると思っている(多分・・・)。それは有り難いことだろうか・・・?
歓迎しない話としては菅原道真の怨霊の例があるが、普通は親族が亡くなると、幽霊でも出て来て欲しい・・・と思うもの。
しかしこれがなかなか出てこないのである。
十数年前に亡くなった親父。どうも親族が亡くなると、神さまの代わりに、我々の願いごとを叶えてくれるような、我々を守ってくれるような気がするのだが、これがなかなかうまく行かない。ウチの親父の場合、ほとんど夢でも出て来ない。だから、自分たちを守ってくれているのかどうか・・・??

でも先の記事によると、その原因は自分の方にあるらしい。つまり、親父に対してあまりうしろめたさがなかったせいで(?)、自分の意識の中にあまり親父が存在しないのだという・・・。だから出て来ない・・・??
まあ良かった、ということか・・・!?

ともあれ、津波などで、理不尽に親族を亡くした人たちの心の傷は、そう簡単には癒されない。でも、よく言われるように、それを癒せるのは、ただ時間だけ・・・。じっくりと待つしかあるまい。親しい幽霊と遊びながら・・・

130604furituke <付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

最近官邸の幽霊の話が新聞に出ていました。
森元総理は見たとか。
 しかし幽霊とは、『亡くなった者への哀悼の念や生き残った者の後ろめたさなどのさまざまな思いが、ときには幽霊を呼び招くことになるのである。』と云うことであれば森元総理が見たとは思えませんね。森元総理が『亡くなった者への哀悼の念や生き残った者の後ろめたさなど』の感情を持っていたとは思えませんから。 
 安倍総理のところには出てくるかもしれませんね。(笑)

【エムズの片割れより】
確かに・・・。麻生さんにも出たのかな・・・
昔、「ゴースト/ニューヨークの幻」というロマンチックな映画がありました。幽霊も、うらめしやーだけでなく、色々ありますよね。

投稿: 幽霊コワイ | 2013年6月 5日 (水) 09:37

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