「黄身が濃い卵、殻が赤い卵は栄養価が高い・・・は誤解」~意外と知らない卵の秘密
先日の日経新聞に、鶏卵についての記事があった。卵についての雑学、一読いかが?
「黄身が濃い卵、殻が赤い卵 栄養価が高いは誤解
飼料米を配合したエサを食べると、黄身が白っぽい卵になる
目玉焼き、だし巻き卵、オムレツ、卵かけご飯……。卵を使った料理は挙げるとキリがないほど。スーパーでは特売の目玉となり、冷蔵庫では常備アイテムだ。毎日のように食べているが、実は知らないことも多い。
■エサ次第で白い黄身も
まず色について。卵といえば、白い白身に黄色い黄身。そんなの当たり前では、と言われそうだがそうではない。黄身が白い卵もあるのだ。
「黄身の色はエサに左右されます。トウモロコシを与えれば黄色くなりますが、コメを食べさせると白くなります」
農産物の生産・流通を手掛ける国立ファーム(東京都国立市)では、黄身が白い卵、「ホワイトたまご」を販売している。よく見るとほんのり黄色っぽくはあるが、一般的な卵と並べると白さが際立つ。
ホワイトたまごを使うとオムレツは白くなり、ケーキも白く仕上がる。ゆで卵にすると、卵白も卵黄も区別がつかない。
この卵、「国産米の消費増に貢献したい」との思いから始めたものの、販売は苦戦している。「まず割った瞬間の見た目で敬遠されがち。味が薄いのでは、と思われるようです」と商品部の松尾一俊部長。黄身の色が濃いほどおいしい、というイメージが最大の壁となっている。
■黄身の色と味は無関係 濃い黄色はエサに由来
実は、黄身の色の濃さと味とは本来関係がない。「黄身の黄色はトウモロコシに含まれるカロテノイド色素由来のもの」(JA全農たまご営業企画課の牧野拓一課長)だからだ。多くの養鶏場では色を濃くするためにパプリカやマリーゴールドなどをエサに加えている。
コメ中心に育てた場合でも、色素を加えれば黄身は黄色くなる。極端な話、色は何色にでもコントロール可能なのだ。もちろん、食品添加物などの規制があるため、実際には販売できる色は限られている。
■赤玉と白玉、同じエサなら同じ成分に
殻の色はどうだろう。大きく分けて赤玉と白玉があるが、店頭では赤玉の方が高いように思える。赤玉の方がおいしいのだろうか。全農たまごの牧野さんに聞いた。
「殻の色は鶏の種類によって違います。例外もありますが、一般的には赤い羽の鶏は赤玉、白い羽の鶏は白玉を産みます。赤玉と白玉では、味や栄養価の違いはほとんどありません。同じエサで育てれば、成分はほぼ同じになります」
ではなぜ店頭では、赤玉を高く売っているのか?
「赤玉を産む鶏は地鶏の印象が強く、消費者に好まれる傾向があります。卵の業界では赤玉を産む鶏にいいエサを与えて高めに売ることが多かったので、赤玉=高級とのイメージが定着したのかもしれません」
赤玉を産む鶏は白玉を産む鶏に比べて体が大きめで、エサをたくさん食べる。これも赤玉の価格が高いことにつながり、高級イメージを増幅させている。
ちなみに鶏が1日に食べるエサの量は、現在では110グラム程度だという。毎日55グラムの卵を産む場合、1個の卵に2倍のエサが必要ということになる。
■採卵鶏の先祖、大半は外国生まれ
農水省によると、卵の自給率(重量ベース)は2011年で95%。「国内で生まれた鶏が産んだ卵だから」(食料安全保障課)だ。しかし、エサを考慮すると一気に11%に下がる。さらには親鶏やその親鶏にまでさかのぼると、ほとんどが輸入だという。
卵を産む鶏(採卵鶏)の親鶏は、種鶏(しゅけい)という。種鶏の親が原種鶏、その親は原々種鶏だ。
鶏の改良を行っている独立行政法人、家畜改良センター岡崎牧場(愛知県岡崎市)によると、種鶏、原種鶏は大半がひなの状態で輸入される。
農水省動物検疫所がまとめた「初生ひな輸入状況」を見ると、2012年の卵用鶏の輸入量は約26万7千羽。原種鶏と種鶏がほとんどで、カナダ、米国、フランス、ドイツの4カ国で占めている。日本国内で日々卵を産んでいる約1億4千万羽の採卵鶏は、そのほとんどが海外生まれの鶏の子孫ということになる。
■産卵は午前中に集中 数日産んで、1日休む
ところで、1羽の鶏はどのくらいの頻度で卵を産むのだろう。
JA全農たまごの岩本容輔さんによると、「おおむね25~27時間に1個といわれています」とのこと。産む時間も決まっており、「明るくなってから2~6時間後」だとか。この周期だとだんだん時間が遅くなってきそうだがそんなことはなく、明るくなってから8~10時間を超えるといったん産まなくなり、次の日にまた朝早くから産み始めるという。
卵のサイズは、産み始めてからの日数と関係してくる。鶏が卵を産み始めるのは産まれてから約4カ月後。一般的に、体の小さい若い鶏は小さな卵を産み、日数がたって体重が増えてくると大きな卵を産む。
自然な状態では5年ほど産卵するといわれているが、商品として販売するのは1年半程度。その後は食肉用などになる。・・・・
■メキシコ、日本、中国が卵消費の「御三家」
日本人は世界でも有数の卵好きだ。1人当たりの年間消費量は324個(2010年、国際鶏 卵委員会のデータを基に鶏鳴新聞社が集計)と、日本はメキシコに次いで世界2位で、中国が続く。多くの人が、毎日ほぼ1個の卵を食べていることになる。
日本人が卵を食べるようになったのは江戸時代から。食生活の欧米化が進み、冷蔵庫が普及し始めた高度成長期以降、爆発的に消費が伸びた。 和食にも洋食にも合う卵は日本人の心をつかんだようだ。ただその足元を見ると、エサも親鶏も輸入頼み。海外の事情に振り回されるリスクを常にはらんでいる。(電子報道部 河尻定)」(2013/6/11付「日経新聞」p10より)
もう6年も前になるが「賞味期限切れ~いつまで食べられる?」という記事を書いたことがある(ここ)。
それによると、生卵の生で食べられる期間は、冬期だと何と43日もあるという。加熱すれば、それがもっと伸びる・・・。
これは食品の中では、驚異の長さだ。これも鶏の生命誕生と何か関係があるのだろうか?
ウチはそうたくさん食べる方ではないが、栄養の宝庫の卵。大事にせねば・・・。もっとも自分の場合、生卵をご飯に掛ける食べ方は相変わらず出来ない・・・。すき焼きで、生卵に付けて食べることが、やっと出来るようになったが・・・
今日は雑学の勉強で・し・た。
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コメント
エムズ様
ご飯に生卵が駄目とは何ともはや「お気の毒に」?こちら海外では生卵は食べない様にと云われてますが止められません。熱々の炊きたてに、時々ですがすきやきに、もうその度に何と幸せな事かと思っております。勿論割ってみて状態はざっと調べますが。そうですか赤玉の方が栄養があるとばかり思っておりましたので今度からバーゲンの白玉にします。
【エムズの片割れより】
卵かけご飯は、あのぬるりがキライで・・・。でも納豆は最近毎日食べていますが・・・。
投稿: 名前?忘れた | 2013年6月26日 (水) 21:50