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2013年6月12日 (水)

女性が男性と同じ就業率になったら、日本のGDPは8%上ぶれ

先日の日経新聞にこんな記事があった。

インド女性市場 6億人の目覚め
・・・・・
インドの女性、社会進出はまだ過渡期~GDP27%押し上げ効果
 女性層の社会進出が注目されるようになったインドだが、現在はまだ過渡期だ。コンサルティング会社のブーズアンドカンパニーによると、女性が男性並みに就業するようになった130612jyosei_2 場合、2020年までにインドの国内総生産(GDP)を27%押し上げる効果がある。日本などを上回る数字で、現状の男女格差、潜在的な成長力が非常に大きいことが分かる。
 インドでは伝統的な身分制度「カースト」や宗教にかかわらず、男性への絶対的服従を求める女性観は全土に広がる。大半のインド女性にとっては、キャリアを積むチャンスや経済的余裕、家庭内で購入を決める発言権はまだ小さいとみられる。
 それでも女性の社会進出は徐々に拡大。また昨年12月にはニューデリーで医師志望の女子学生(当時23)の暴行・殺害事件が起こり、根強い女性蔑視を批判・反省する契機になった。
 事件後、インド政府は男女同権の教育を徹底することを決めたほか、女性個人や女性経営者への融資を目的とした「女性銀行」の立ち上げなどの準備に着手。少しでも格差を是正できれば、社会・経済への波及効果は大きいとみている。」(
2013/06/04付「日経新聞」p9より)

実はこの記事を、前に書いた記事「少子高齢化~女性労働力の活用」(ここ)を思い出しながら読んだ。この議論は専業主婦など、女性の不就業者の比率を表している。
前の記事では「日本の男女雇用格差を解消できれば、日本の就業者数は820万も増加し、日本のGDP水準は15%も押し上げられ、これは日本の自動車産業のおよそ2倍の規模になる」とある。

つまり日本は、専業主婦が多いため(?)、女性労働力を活用していない代表的な先進国であり、その活用次第ではGDPが大幅に上がる可能性がある・・・、と思っていたのだが、様子は少し違うらしい。つまり日本は思ったより不就業の女性が多くないようである。
それぞれの記事は、基準が違うので比較が難しいが、上の記事のグラフによると、「女性が男性並みに就業するようになった場合」日本はGDPが8%程度増えるらしい。それに比べてエジプトの34%、インドの27%の大きいこと・・・。
そして彼の米国や、共稼ぎが普通の中国が5%だというのである。よって日本の8%はそれほど突出していないのである。この原因は何か? 特に中国との差が少ない理由が分からない・・・。

統計というものは色々あり、前提で数字は大きく変わる。でも自分の思い込みが少し修正された。
でもこれは、それだけ日本のこれからの少子高齢化への解が見付からない、ということ・・・。
つまり、働く女性のための幼児の収容施設が増え、女性力活用、という解が見付かったとし、その効果は限定的、ということ。
また、エジプトやインドのような長い間の文化に根ざした差別の問題は、そう簡単には解決しない。日本の場合はどうか? 女性の就業率の少なさに、文化的な側面は無いか?

それにしても、前の記事の「65年に9.1人で1人のお年寄りを支える「胴上げ型」だった日本社会は、いまや2.4人で1人の「騎馬戦型」。2050年には1.2人で1人を支える「肩車型」になる」という指摘は、今更ながら重い課題である。
ま、我々シルバー族の場合は、あと何年生きるか知らないが、少なくても肩車型になる前に死んでしまうから、いっか・・・!?(←おっと、不適切発言だった??)

(関連記事)
少子高齢化~女性労働力の活用 

130612kebyou <付録>「ボケて(bokete)」より

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