国家公安委員長、直線道路で20キロ超過「取り締まり疑問」
昨日の「日経新聞」の夕刊で、久しぶりに清々しい(?)記事を読んだ。
「国家公安委員長、直線道路で20キロ超過「取り締まり疑問」
古屋圭司国家公安委員長は4日の閣議後記者会見で、警察による交通違反の取り締まりに言及し「歩行者が出てくる危険性のない道路で、制限速度の20キロ超過を取り締まるのは疑問」という趣旨の発言をした。
古屋委員長は「取り締まりのための取り締まりになってしまっている傾向がある」と指摘。「片側2車線で真っすぐの道、歩行者が出てくる危険性もない(道で)、制限速度が時速50キロ。流れに逆らわなければ70キロぐらい出る」と持論を展開し、「(20キロ超過での取り締まりは)ちょっとどうかなといつも疑問に思っていた」と述べた。
地元の支援者から、取り締まりのあり方に対する不満の声が上がっているとしたうえで「事故が本当に起きる地点で取り締まりをやっているのか。違反した側も納得できるような取り締まりが必要だ」と強調。
3日の全国の警察本部長らを集めた会議で、取り締まりの実態調査をするよう求めたことを明らかにした。
道交法は、一般道で時速20キロ以上25キロ未満の速度を超過した場合、違反点数は2点、反則金は普通車であれば1万5千円と定めている。」(2013/06/04付「日経新聞」夕刊より)
その報道を受けて、今朝の「日経新聞」の「春秋」にはこんな記事。
「「ネズミ捕り」という俗語はいつごろから世に広まったのだろう。思わぬ場所に待ち構えている、警察のスピード違反取り締まりチームである。たしかに違反は違反だが、なにもあんなところで……。腹の虫の治まらないドライバーの鬱憤が、この言葉にこもっている。▼プロの人々ももちろん敏感だ。タクシー無線が「○○付近、ただいま工事中」と連呼していたら、たぶんネズミ捕りのお知らせである。この手の隠語はいろいろあって、網を張る警察との知恵比べの一端が知れる。かくもネズミ捕りが嫌われるのは「取り締まりのための取り締まり」の気配を誰もが感じるからでもあろう。▼国家公安委員長といえば警察の元締みたいな存在だが、その職にある古屋圭司大臣がそういう摘発手法に疑問を呈した。「歩行者が出てくる危険性もない道で制限速度50キロ。流れに逆らわなければ70キロぐらい出る」。だから20キロ超過を取り締まるのは「ちょっとどうか」。異論噴出は必至だが共感する人も多いに違いない。▼交通事故の悲劇を思えば、あまり批判ばかりもしにくい違反取り締まりだ。それだけに大臣の今回の指摘を、警察組織はきちんと受け止めたらいい。そういえば、ネズミ捕りだ工事中だと世間は妙な言葉でそれを忌避するが、警察は警察でゲッカンがとても大事らしい。○○取り締まり強化月間――署をあげて摘発を競う。」(2013/06/05付「日経新聞」「春秋」より)
交通違反の取り締まりほど、“一般市民”が警察に“敵意”を示す事柄はない。良く言う人は皆無ではないか?
原因はまさに“○○取り締まり強化月間――署をあげて摘発を競う”「取り締まりのための取り締まり」であること・・・。
摘発されても、「確かに危ないから仕方がないな・・・」と思えれば納得も行く。しかし、「完全に車輪が止まっていないから」とか、「停止線で止まらなかった」と一旦停止違反で摘発されても、停止線では見えなくて安全を確認できないのだから、あまりに理不尽。
古屋圭司国家公安委員長は、市民の目線でよくぞ言ってくれた、と拍手喝采をする人が多いのではないか?
話は飛ぶが、先日小さなこんな記事を読んだ。
「違法に職務質問 5万円賠償命令~「警官証言信用できぬ」
秋葉原を歩行中に警視庁の警察官に違法な職務質問をされ、顔写真を撮影されたなどとして、都内の会社員男性(44)が都などを相手に、損害賠償や指紋、写真のデータ消去などを求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。都築政則裁判長は「違法な職務質問があった」と認め、5万円の支払いを都に命じた。
判決によると、男性は2010年3月、秋葉原を1人で歩いているところを警察官2人に職務質問され、所持品検査を受けた。かばんから小型ナイフ付きの万能工具が見つかり、万世橋署で顔写真を撮影され、指紋をとられた。
都側は「男性は警察官と目が合った後、視線をそらした」として、警察官職務執行法上の職務質問の要件である「異常な挙動」があったと主張した。判決は、当日、傘をさしていたとする男性の証言などから「男性が視線をそらしたとする警察官の証言は信用できない」などとし、それをきっかけとする所持品検査も違法とした。」(2013/05/29付「朝日新聞」p35より)
警察官とうっかり目が合って視線をそらしたら、警察に連れて行かれて、もしバックの筆箱にカッターナイフでも入っていたら、軽犯罪法違反で逮捕される可能性も・・・
このようなトラブルに巻き込まれないためには、予防保全、再発防止が肝要。
痴漢冤罪事件に巻き込まれないためには、満員電車でも女子高生に近付かないことを当サイトでは提唱しているが(?)、それと合わせて、「歩いていて、警官の姿を見かけても、絶対に警官を見ない」、そして「ドライブ中にパトカーや白バイを見かけても近付かない」ことも提唱したいところ・・・。
古屋圭司国家公安委員長の今回の指摘で、警察官が“(交通違反における)市民の敵”から、“市民の友だち”に変わることを期待したいところだが、どうだろう・・・
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コメント
最近の警察のやり方というのは、素人目にみても明らかに???・・というところがありますね。
ここに来られている皆さん、財布など拾っても安易に警察などに届けないほうがいいですよ。中身をみて現金が入っていなければ、捨てておいたほうがいいです。
私はカードなどが何枚も入っていたので、親切心を出して届けたのですが、盗まれたものだということで、顔写真と指紋を取られました。
もう二度と届けません。
【エムズの片割れより】
ホントウですか?盗んだ犯人が、わざわざ警察に届けることなどあり得ないのに・・・
そう言えば、テレビドラマでも、死体発見者が警察に連れて行かれて事情聴取・・・という場面がありますね。
親切心が結局、禍を招くとなると、誰も知らんフリ・・・という世の中になって行くのでしょうか?
投稿: み~子 | 2013年6月 6日 (木) 03:29
誤解を防ぐために詳しく書きます。
警察の人の言い分では「この人が拾い主です」という確認のために、財布の中身を机に広げ置き、椅子に座った私と共に写したのが一枚。
もう一枚は拾った場所でここでと指を指示している所。
そして財布の中身を警察の人が書いた証紙に、母印を押しました。
親切心で届けただけの人に、ここまでする必要はないと思います。
写真と母印が何か別な用途に使われないという保障もないし・・。
単に拾い主は住所と氏名だけでいいはずです。報酬の規定もいりませんと断ってるんですから。
これらの事をするとわかって、なお貴方は届けますか?
【エムズの片割れより】
う~ん・・・
投稿: み~子 | 2013年6月 7日 (金) 05:05
私も警察の取り締まり方には異論がありますが、公安委員長の発言にも疑問を禁じ得ません。
50キロ道路で70キロを出して走るのが恰も当然のように聞こえるからです。
「流れで」ということは、誰も制限を守らないということです。
【エムズの片割れより】
そういう捉え方もありますが、発言の主旨は、あくまで「取り締まりのための取り締まりは良く無い」という視点ですので・・・
投稿: 通行人 | 2013年6月 7日 (金) 10:37