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2013年6月18日 (火)

「森永ミルクキャラメル」が100歳に

先日の朝日新聞に、長寿製品についての記事があった。

売れて100歳 極意あり
 森永ミルクキャラメル、10日に仲間入り
 「森永ミルクキャラメル」が10日に発売100年を迎える。「ライオンこどもハミガキ」もこの冬で発売100年。新商品が出ては消えるご時世に、世紀をまたいで愛される「100歳商品」。その名も味わいも人々の五感にしみこんだ現役選手だ。
進化すれど小細工は禁物
 ばら売りで1913年6月10日に世に出た森永製菓のミルクキャラメル。翌年に黄色い紙箱をまとい、「風味絶佳(ぜっか)」「滋養豊富」のうたい文句をつけた。やさしい甘さも、装いもいまに続く。
 つぶを包むワックス紙に、はがしやすいようアルミ箔(はく)を使ったり、お年寄りの入れ歯にくっつきにくくしたり、と進化している。でも、商品の安定感を傷つけることは御法度だ。森永製菓史料室の野秋誠治さんは「もはやメーカーの手を離れた存在。小細工はできません」と言う。
 森永は、キャラメルという菓子を日本に広めたメーカーだ。同じ13年12月に「ライオンこどもハミガキ」を出したライオンも、チューブ入りの練り歯磨きを日本で初めて売った。共通するのは、新しい市場をひらいたことだ。
130618100sai  100歳商品の先輩を見ても分かる。アサヒ飲料の「三ツ矢サイダー」(1884年発売)、森下仁丹の「仁丹」(1905年)、マルハニチロ食品の缶詰「あけぼのさけ」(10年)。いずれも日本ではなじみの乏しい風味や食感だった。
 「ロングセラーの発想力」(ダイヤモンド社)の著書がある明治大の斎藤孝教授は「森永ミルクキャラメルなら、やさしい甘さ、三ツ矢サイダーならすっきり感。商品名だけで味が浮かぶ。五感との結びつきはもう簡単に解けない。それが100年も続くひけつでは」とみる。
 もっとも、長寿商品は昨今は生まれにくい。大手コンビニの担当者によると、菓子だけでも毎年2千点もの新商品が出て、生き残るのは10品ほどという。売れ筋にならないと、すぐさま棚から外されていく。
 大手の小売店では、利幅の厚いプライベートブランド(PB)がはやる。そうして「息の長い商品を作りにくくなった」(大手菓子メーカーの開発担当者)。
 ただ、「後輩」たちも努力を怠らない。「カルピス」は7月7日で94歳。毎年の「誕生日」には、社長自らスーパーに立って、試飲を勧めている。
 即席麺の元祖である日清食品の「チキンラーメン」も、ビールに「辛口」の概念をもちこんだアサヒビールの「スーパードライ」もすでにロングセラーとはいえ、生まれはそれぞれ58年と87年。目指す100歳商品から見れば、まだまだ青い。(米谷陽一)」(
2013/06/01付「朝日新聞」夕刊p1より)

これらの写真はどれも懐かしい。
キャラメルと言えば、小学生低学年だった頃、森永ミルクキャラメルの工場に見学に行った記憶がある(たぶん・・・)。昭和30年代初め、埼玉に住んでいた頃の記憶である。しかし森永に、かつて埼玉に工場があったという記録は見付からない。自分の遠い記憶なので、違っているかも・・・??
記憶と言えば、小学校5年生の時に銚子旅行があり、ヒゲタ醤油の見学をした。子供の頃の記憶はスゴイもので、土産にもらった小さい醤油のビンを、誇らしげにお袋にあげた記憶が未だに残っている。その時に覚えたヒゲタ醤油だが、我が家の食卓の上は、なぜかキッコーマン・・・

そんなヒゲタ醤油も400年だという。長寿命の会社はたくさんある。しかし長寿の製品となると、数は少ない。
普通の製品の命は短い。家電品など、1年ごとに新製品に置き換わる。そしてサービスも7~8年でオワリ。つまり10年で製品寿命は尽きてしまうのが普通。
そんな世の中、100年もの製品寿命を保っているのは大変なもの。まさに「もはやメーカーの手を離れた存在」であり、ひとつの文化になっている。つまり、その製品に携わっている人は、仕事と言えども、文化の担い手・・・??

そんなことを思うと、大きな建設に携わった人は羨ましい。橋でもダムでも建物でも、“自分の作品”が、リタイア後でも残っている。
人生、自分の作品が世に残る、ということは、自分が生きた証、ともなる。羨ましい限りだ。
そんな事を思いつつ、自分の人生と100歳製品の絵とを比べて見る自分である。

130618arerugi <付録>「ボケて(bokete)」より

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