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2013年3月 9日 (土)

「死亡診断 警察への過剰報告やめよ」+警察の検挙率

先日の朝日新聞でこんな記事を見つけた。曰く・・・

「(私の視点)死亡診断 警察への過剰報告やめよ
    医療法人社団いつき会理事長・医師 佐藤一樹
 厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」と「リスクマネージメントマニュアル作成指針」を作成し、死因が分からなかったり、医療事故により患者が死亡したりした場合は、医師がそれを警察に届け出るよう指導している。しかし、私は、この「マニュアル」と「指針」が、医療の根幹である患者側と医師の信頼関係を破壊していると考えている。
 どのような死であっても、正面から向き合って原因を追究し、その結果を家族に真摯(しんし)に説明することは医に携わる者の倫理である。
 ところが、「マニュアル」と「指針」は、医師法20条(死亡前24時間以内に診察していない場合、死後の無診察での死亡診断書発行を禁止)、および同21条(医師は、死体を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない)の拡大解釈を導き、結果として、「死因究明すべき死」が「犯罪捜査すべき死」にすり替わってしまった。法の趣旨を誤解した医師が、在宅で家族に静かにみとられた死を警察に届け、警察官が捜査を開始するという事態が、全国で起きてしまったのだ。
 このうち20条については、国会で「誤解が広まっている」と指摘されたのを受け、昨年8月、死体を改めて診察した際に異状があると認められる場合以外は、警察への届け出義務は生じないということを周知させる通達が、厚労省医事課長名で出された。
 しかし、21条の誤解を解く通達はいまだにない。21条が届け出義務の要件としているのは、死体の「検案」、すなわち「死体の外表検査」で異状を認めたとき、と法医学辞典に記されているし、最高裁判決にも明記されている。にもかかわらず「マニュアル」および「指針」は、医療事故については、すみやかに警察に届け出るよう指導している。少なくとも、指導しているように読める。
 とはいえ、変化のきざしがないわけではない。昨年10月、厚労省が内部に設けた「医療事故あり方検討部会」において、医事課長が「『指針』は21条を解釈したものではない。医師が死体の外表を検査し、異状なしと判断したなら、警察への届け出の必要はない」と明言したのである。
 医療の第一義的な目標は、患者一人ひとりと信頼関係を構築することである。警察をはじめとする外部機関と患者側との信頼の確保ではない。「医療崩壊」とも呼ばれる危機的状況を打開するためにも、厚労省は21条の正しい解釈について通達を出し、「マニュアル」と「指針」の改訂に早急に乗り出すべきである。 」(2013/03/02付「朝日新聞」p17より)

先日TVで、映画「お日柄もよくご愁傷さま」を見た。松村達雄分するお祖父さんが、朝起きると亡くなっていた、という場面があった。「○○先生を呼んで・・・」と、多分家庭医であろう医師が駆け付け、心筋梗塞だろうということで、そのまま通夜に・・・

一方、だいぶん昔の話だが、親戚の伯父が、朝起きたら風呂に入ったまま亡くなっていた、ということがあった。その時は、不審死ということで、警察の検死を受けるため、しばらく遺体が戻って来なかったという。

結局、在宅での看取りでは、家庭の状況を熟知している家庭医の存在が大きいように思う。家庭の状況を良く知っている医師が居れば、それなりの診断をしてくれるし、もしそのような医師が居ないと、不審死になってしまう。
我が家の場合も、よく行く医院はあるのだが、果たして家庭医と言えるのかどうか分からない。結局の所、救急車でどこかの病院に行くのだろうと思う。
でもせめて自分は、警察とは無関係の所で死にたいもの。それには、まず孤独死を避けるため、カミさんには長生きをして貰わないと・・・。

(2013/03/10追)
今朝この記事を読んだカミさんからクレーム。カミさんの考え方と真逆(まぎゃく)だという。
それでなくても、検挙率低下に歯止めが掛からない現在の日本の警察。そこにはたくさんの事件が見逃されている。そして検察の検死についても、もし自分が朝起きたら死んでいた、としたら、カミさんとしてはどうしてもその死因を知りたい、という。例え安らかな死であっても、自分に責任があったのかどうかを知っておきたい。そのためには司法解剖も致し方ない・・と。まあ、色々ある・・・。
ところで、ふと警察の検挙率はどうのようになっているのかな・・・と、調べてみた。すると、「平成24年130309h11101 版 犯罪白書」(ここ)によると、まず認知件数だが、一般刑法犯が69%、自動車運転過失致死傷等が31%という内訳であり、一般刑法犯69%のうち、53%が窃盗犯だという。よって検挙率の平均は、検挙率100%で計上している自動車運転過失致死傷等や、半数を占める窃盗に大きく左右されるため、事件内容毎に見て行かないと実態がつかめない。
そして、H23年度の検挙率は、窃盗:27.0%、殺人:97.9%、強盗:64.9%、障害:73.0%、暴行:74.1%、脅迫:78.8%、詐欺:64.1%、恐喝:63.3%、横領:93.2%、強姦:83.8%、強制わいせつ:51.7%、放火:81.0%、公務執行妨害:94.5%、住宅侵入:38.0%、器物損壊:7.4% だそうだ。(写真はクリックで拡大)
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130309attack <付録>「ボケて(bokete)」より

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コメント

昔は夜中でも往診してくれる医者がいくらでもいたんですがねえ。
それどころか、夜間や休日診療にも応じてくれない医者までいますから。
患者側と医師の信頼関係を破壊したのは何かを追及したくなります。

【エムズの片割れより】
子どもの頃は、確かに「往診」という言葉が普通で、風邪などは家に医者が来てくれましたね。まあ時代が違うけど・・・

投稿: 通行人 | 2013年3月 9日 (土) 22:40

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