「ロシア・ウラジオストクの日本愛」
たまには、こんな明るい(?)話題はいかが? 先日の朝日新聞に、こんな記事があった。(写真はクリックで拡大)
「ロシア ウラジオから日本愛
尖閣諸島や竹島、北方領土をめぐって周辺諸国との摩擦が続き、四面楚歌にも見える日 本。だが、日本海を隔ててすぐ隣に、掛け値無しで親日的な地域が存在することはあまり知られていない。朝日新聞が昨年、支局を開設したウラジオストクとその背後に広がるロシア極東地域だ。プーチン政権が極東開発を強力に進める中、日本の企業や自治体も熱い視線を送り始めている。
中古車人気「礼儀も伝わる」
ウラジオストクの海沿いにある自動車学校「アニク」。ロシアは日本と逆の右側通行だが、教習車のほとんどが右ハンドルの日本車だ。ニコラエフ社長は「『いずれトヨタに乗るから日本車で講習を』との要望が強い」。ロシア極東部の沿海地方は、運転免許の技能試験 も右ハンドル車で受験できる珍しい地域という。街を走る車の9割は日本車だ。
中古車販売場で知り合った40代の販売業者、サーシャさんは「日本車に乗れば道を譲りたくなる。車を通じて日本の礼儀も伝わる」と話した。
トラック運転手だった22年前、初めて日本車に乗り、「別世界の乗り物だ」と感動した。1996年に船員手帳を取得して船員になり、日本で車を買い付けた。手帳があればビザなしで上陸でき、当時は無税で国内に持ち込めた。
初めて行った境港(鳥取県)で5万円で買ったホンダ車を持ち帰ると25万円で売れた。走行距離が10万キロを超えても新品のロシア車より高性能で安い日本車は引く手あまただった。
90年代、船員手帳が闇で売買され、多くの市民や業者が船員になりすまして日本で車を仕入れた。日本からロシアへの中古車輸出はピークの2008年に50万台を記録。
総輸出台数の半数近くを占めた。ウラジオストクは日本車の一大輸入拠点になった。
最近は韓国車や欧米車も増えたが、市民には、ソ連崩壊後の経済混乱期に日本車ビジネスで救われた記憶が残る。サーシャさんは「私たちは日本車のおかげで生き延びることができた」と話した。
「高品質」缶飲料が大売れ
「香りのスペシャル微糖」「さらっとしぼったオレンジ」。ウラジオストク市内で、日本製のコ ーヒーやジュースが並ぶ自販機をよく見かける。
地元企業が4年前に日本の中古機を10台置いたら大好評。今は87台に増えた。一本45~70ルーブル(約135~210円)で中国製より2~3倍高いが、「客は日本語を見れば高品質と信じて買う」とスビチェリク部長。月3万本以上売れるという。
中古車ビジネスなどで日本を訪れた市民によって、食文化も伝わった。人口約60万人の市内に和食店が20~30店はある。
日本食材専門店「ダンラン」には、スナック菓子や麺類などがずらりと並ぶ。
経営するのは極東屈指の日本食品輸入会社「エラン」。リンゴは1キロ750ルーブル(約2250円)で中国や米国産に比べ6~7倍高いが、甘くて大きな日本産は人気だ。
同社の売り上げは過去5年で3倍に増えた。アベチシャン社長は「福島原発事故後も市民は日本製品を買い続けた。日本人はより安全な商品を供給するはずだと信じた」。
ロシア科学アカデミー極東支部が10年に沿海地方などで行った意識調査では、日本に「最も愛着を感じる」と答えた人が40%で首位。中国16%、韓国15%とアジアでは日本の好感度が突出した。同支部は「日本の経済的成功と日本人の高い生活水準が影響している。領土問題など政治的要因の影響は少ない」と分析する。」(2013/01/31付「朝日新聞」p13より)
日本に住んでいると当たり前のことだが、海外から見ると日本製品に対する“安心感”は格別なものらしい。
彼の中国でも、ミルクなどの食や化粧品など、子どもの健康や安心にかかわるものは、売れ行きが落ちていないというので、中国もまあ現金なもの・・・。
言うまでもなく日本製品の高品質は文化。日本人は高品質のものしか買わないから、売るためには必然的に高品質にならざるを得ない。まあ日本から見れば当然のことだが・・・
中東だったか、SONYの靴が売られていたという話を聞いた。アジア諸国での、HONDAマークだけを付けた非日本製バイクが走る姿は日常的。
NHK BSプレミアムに「イッピン」という番組がある(毎週(火)17:30~)。最近では、「福島・川俣のシルク」「長野の木曽漆器」「新潟・燕のスプーンとフォーク」「埼玉・川口のフライパン」「今治タオル」「愛知・三河木綿」などの番組を見たが、どれも大変な技術。
安かろう悪かろう、とは一線を画し、独自の高品質を追っている。
世界の国々の中でも、引っ込み思案な日本人。もう少し誇りを持って、背筋を伸ばしても良いのかもね。
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