笹子トンネルの天井崩落事故に思う
昨日は、中央道・笹子トンネルの吊り天井崩落事故で、テレビのニュースに釘付けになってしまった。まったく予想だにしなかった事故。でも起きるときは起きる・・・。
旧道路公団は、現役時代、一番のお得意様だったこともあり、今回の事故も他人事ではなく聞いた。
それにしても、もしトンネル内が渋滞していたら、もし満員の観光バスが事故に遭っていたら・・と想像すると、怖い・・・。
原因の真因究明はこれからだが、やはり保守のやり方の問題になるのだろう。しかし、先の原発事故ではないが、点検で、大がかりな保守工事(天井構造の取り替え)などの必要性が表面化したとき、会社は本当に実施するのだろうか? 事故の可能性を指摘されたとしても、トップは「自分の時代にさえ発生しなければ、次に先送りしたい」のが本音では??
話は飛ぶが、最近の若者は、車離れが激しいらしい。あまり関係はないが、先日の日経新聞「春秋」にこんな記事があった。
「男性のしぐさで、かっこいいと感じるものは何ですか。女性にこう尋ねると、定番の答えの一つが「車庫入れする姿」だそうだ。狭い窓から外をうかがい、勘と経験でハンドルをさばき、狭いすき間にぎりぎりで止める。車体を自由自在に操る姿が魅力的に映るらしい。
車庫入れでうっとりしてもらえるのも長くないかもしれない。運転席から振り向くと、背後の様子が地面も含め見える。そんな装置を慶大が開発した。車の尻にカメラを付け、後部席にスクリーン用の特殊シートをかぶせ、外の風景をそこに映すのだ。運転手の目には車が透明になったように映る。後退時の安全性は増す。
この技術、3つの点で日本ならではのものだと感じる。第1に事故やけがを減らしたいという優しさ。第2に人口密度が高く、土地が狭い街で使いやすい車を目指す発想。第3に日本のオタク文化から着想を得たこと。海外でも人気の高いSF漫画「攻殻機動隊」に登場する、人の姿を消す未来技術をヒントにしたそうだ。
かつて、車は地位の象徴であり酔いしれる対象だった。今、優れた日用品として進化を始めたと、デザイナーの原研哉氏は著書「日本のデザイン」で語る。今回の「透視」技術はトヨタ自動車の依頼で生まれた。高級感の欧州、大型車の米国、安さのアジア。どことも違う一段上の日用品という道を日本車は切り開けるか。」(2012/12/2付「日経新聞」「春秋」より)
車はどんどん進化していく。しかし道路や橋の老朽化は、段々と無視できない状況に・・・。
しかし採算優先の民間会社では、“金を生まない”保守業務にまでは、金が回らない・・・・
テレビで被害者が言っていたが「もう怖くてトンネルに入れない・・・」。これはホントウだ。いつ崩落してくるか分からない・・と思ったら、ハラハラしながらトンネルを走ることになる。それにトンネル内で渋滞でもしていようものなら、閉所恐怖症で発作が起きる??
こんなニュースを聞きながら、1979年に発生した東名高速・日本坂トンネル火災事故を思 い出した。防災設備も機能せず、鎮火まで65時間かかったという。そのとき、話題になったのが、トンネル内の煙をいかに排除するか・・・。結論はジェットファンで、トンネル内の空気をパイプのごとく一方に押し出すのが最も効果的・・・
よって今回の対策も、天井板を全部外して、換気はジェットファンでトンネル内の空気を一方向へ流せば(今の横流換気方式を縦流換気方式に改造)、もう落ちてくる物が無いので、皆が安心してトンネルを通れるようになるのでは??
色々と現役時代を思い出し、複雑な思いで聞いている今回の笹子トンネル事故ではある。
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コメント
ジェットファンは落っこちないのでしょうか。
【エムズの片割れより】
いい加減な工事や、いい加減な保守だと、やはりいつかは落ちるんでしょうね。
投稿: せいざん | 2012年12月 4日 (火) 14:17
「ジェットファンで、トンネル内の空気をパイプのごとく一方に押し出すのが最も効果的」とは知りませんでした。
何事も単純な構造のほうが保守も簡単だし、安全だと言うことですね。
トンネル内の空気がジェットファンで追い風だと燃費も向上するかもしれませんね。
【エムズの片割れより】
今日のニュースによると、首都高・羽田トンネルで同じようにつり金具の破断が見付かり、天井を年内に撤去するとか・・・
これが今後の対策になるのかも・・・ね。
投稿: kumasan114 | 2012年12月 6日 (木) 10:42