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2012年12月24日 (月)

2012年衆院選、比例区復活当選者125人による格差拡大~3.1倍?

先日の日経新聞に、先の衆院選の比例区で復活当選した人による、格差拡大についての記事があった。曰く・・・

「<数字で読む政治>
  125人 衆院選、比例で復活当選
   都道府県別、もう一つの格差

 先の衆院選では小選挙区で負けたものの重複立候補した比例代表で当選した人が125人を数えた。いわゆる「比例復活当選」で、接戦だった選挙区ほど復活の可能性が大きくなる。激戦区を多く抱える県は比例復活が増え、結果として県内から多くの衆院議員を国政に送り出せるようになっている。
121224kakusa_2  今回、この傾向が顕著だったのが山梨だ。3つの小選挙区すべてで比例復活当選が出て、特に3区は2人が比例で復活、候補者4人のうち3人が当選した。県内の比例復活は計4人になり、小選挙区の当選者3人と合わせて県内の衆院議員は7人になった。
 岩手と長野も小選挙区数の2倍の衆院議員を確保した。岩手は全4区で比例復活が出て当選者は計8人。長野は1区と3区でそれぞれ2人ずつ、計5人が比例で復活し、県内の衆院議員は10人に膨らんだ。
 比例で2人が復活し、一つの選挙区から計3人の当選者を出したところは全国に10ある。山梨3、長野1、3のほか、宮城1、栃木2、千葉1、9、13、神奈川9、愛知12の各区だ。いずれも自民、民主両党と日本維新の会など第三極が三つどもえで戦った選挙区で、当選者も自民、民主、第三極で分け合っている。
 比例復活が1人もいないのは青森など9県ある。富山、石川、福井の北陸3県、鳥取、島根の山陰両県などいわゆる保守王国と呼ばれるところだ。自民候補が圧勝し、他の候補の惜敗率が低くなって比例で復活できなかった。
 沖縄は九州ブロックで最も多い3人が復活当選し、衆院議員は計7人。1人しか復活しなかった熊本より衆院議員の数で1人上回る結果になった。重複立候補がもたらす県別の当選者数のゆがみは「もう一つの1票の格差」といえるかもしれない。」(2012/12/23付「日経新聞」p4よる)

前にも「最高裁の参院選“違憲状態”判決」(ここ)などで、1票の格差について書いた。
Netでみると「一人一票実現国民会議」(ここ)なるサイトもある。

今回の衆院選も、ニュースによると「区割りを見直す時間はなく、衆院選は違憲状態のまま行われ、最大格差も2.43倍に拡大した。」とある。
しかしここで指摘されている「復活当選者を含む格差」については、どこも論じられていないようだ。先の「一人一票実現国民会議」も、小選挙区について論じているだけのようだ。
しかし考えてみると、国会議員は国民の間接の代表であるので、議員1人当たりの国民数は同数が理想。

それで「復活当選者を含む格差」について、試算してみた。総務省のHPには、まだ今回の衆院選時の有権者数のリストが載っていない。仕方がないので、「平成21年8月30日執行 衆議院議員総選挙」(ここ)の「2. 投票結果(2) 都道府県別有権者数、投票者数(比例代表)」(ここ)を使って試算してみた。
試算結果のExcelは(ここ)に置くが、復活当選者を含むと、最大格差は“3.14”倍と出た。つまり“山梨県の1票に対し、福岡県は0.32票”という結果・・・。

これは、あくまで選挙区毎の試算ではなく、県単位での試算なので、小選挙区毎に計算したら、もっと大きな格差が出るのかも知れない。

国民の目から見ると、自分たち(の地域)で何票の国会投票権(何人の国会議員)を持っているかが問題。小選挙区も比例区も関係無いのである。しかし、先の記事が指摘しているように、惜敗率で比例区議員が決まるため、格差はどんどん広がっていく。
なぜその視点での議論がないのであろう?

では、どうすれば良い? 結局、中選挙区制にして、上位何人・・・という決め方にするしかないのでは??
何とも片手落ちに見える、一票の格差の議論ではある。

(関連記事)
“仕事は「次の次」の内閣で” 
最高裁の参院選“違憲状態”判決  

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