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2012年11月13日 (火)

「外来語の表記 “ウィ・ウェ・ウォ”でいい」

今日“も”、どうでも良い話・・・
先日の朝日新聞「記者有論」に、外来語の表記についての記事があった。曰く・・・

外来語の表記 「ウィ・ウェ・ウォ」でいい
              門田耕作(用語幹事)
 昨年春、神戸の夜景や六甲山系の紅葉観賞に欠かせないロープウエーの一つ「新神戸ロープウェー」の名称が「神戸布引ロープウェイ」に変わった、と新聞が報じた。
 ここまで読んで、片仮名表記がバラバラなことに気づかれただろうか。
 同じ語でも世の中には様々な表記がある。新聞では一定のルールを設け、固有名詞以外は「ロープウエー」と書いているが、このままでよいのか。報道各社で作る日本新聞協会の用語部門で、外来語表記の見直しが進んでいる。
 ropewayのwayを「ウエー」と新聞が書くのは、外国語の「ウィ・ウェ・ウォ」の音を「ウイ・ウエ・ウオ」と書き、二重母音は長音と見なして「ー」と書くことを原則としているからだ。
 土台は、1991年に内閣告示された、外来語を片仮名で書く場合の目安だ。国語審議会(現文化審議会)が答申したもので、「ウイ・ウエ・ウオ」を基本としたうえで「ウィ・ウェ・ウォ」も認める緩やかな内容だ。
 近代以降、外来語はもとからあった日本語の音韻に沿って書かれてきたが、外国語へのなじみが増すにつれ、より原音に近い表記が広まった。かつてフイルム、フエルトと書かれていたのが、フィルムやフェルトとなったように。
 ITやスポーツ関係など、新しく使われるようになった言葉は「ウィ・ウェ・ウォ」と小さく書かれることが多く、ウェブやアウェーなどは新聞も例外的に小さく書く。
 もともと発音には個人差があり、「ウィ……」か「ウイ……」か判別しがたいことが多い。ならばいっそ「ウィ……」と小さく書くのを原則とする方が時代に合うのではないか。ウイスキーやキウイなど、従来の慣用を動かしがたいものだけ例外とするのだ。
 二重母音を長音で表すことは、より慣用が固定していると考えられるが、メークやブレークよりメイクやブレイクの方がかっこいい、との感覚も若者を中心にあるし、実際にそう発音する人もいる。
 幅広い世代に違和感なく読んでいただくため、原則を重んじる一方で個々の慣用にも目を配る。社会に浸透した言葉や表記を新聞に反映させる作業も、私が今務めている「用語幹事」の仕事だ。
 新奇な外来語の乱用を避けつつも、情報化の進展で新語を迅速に取り入れなければならない時代。それに対応した表記にかじを切る時に、遅ればせながら新聞も来ている。 」(2012年10月27日付「朝日新聞」p12「記者有論」より)

外来語の表現は、人によりバラバラで、何が正解かが分からない。上の記事のように、新聞で“すら”・・なのだ。

実は今、会社で皆とワイワイと規定や手順書を作っているのだが、皆が書く原稿のカタカナ(外来語)の表記がバラバラ・・・。現役時代には、会社が論文集を出版しており、その論文の書き方が標準になっていた。今思うと乱暴だが、3音以上の長音「ー」は付けないルール。よって、“サッカー”は有りだが、“スピーカー”は“スピーカ”。
こんなルールも、時代と共に変わって行って然るべきなのだが・・・

それに“ヴェ”なども同じく正解が分からない。ベートーベンかベートーヴェンか・・・。ちなみにGoogleで検索をかけてみると、ベートーベンが305万、ベートーヴェンが878万だった。頭の良いGoogleなので、当然両者は同じように扱うかと思ったが、どうなのだろう・・・・
まあ、どだい外国語を日本語で表記にする場合、正解など無いのだが、決まっていると文章が書き易いことだけは、確か。

話は飛ぶが、外来語を日常生活で使うときが、これまた難しい。自分が知っている言葉は、当然相手も知っている前提で、つい使ってしまう。先日、中古車を売るときに、業者がバッティング(鉢合わせ)したが、カミさんはその言葉を知らなかった。ビジネスではよく使う言葉・・とは言っておいたが・・・
逆に、カミさんが良く使うマイノリティーという言葉。これは“自分が使わない”言葉なので大嫌い・・・。そうなのだ、言葉にはそれぞれ好き嫌いがあるのだ。

昔、現役の頃、会議でよく外国語が出て来た。英語大嫌い人間の自分は、聞いていても意味が分からん。仕方なく、ノートの片隅にその言葉をメモしておいて、自席に戻ったとき、そっと調べたっけ・・・。でも昔はNetが無かったので、新しいカタカナの流行語を調べるのは結構大変だった。

言うまでもなく、言葉は自分の意志を相手に伝えるもの。よって少しでも相手が知らない可能性があれば、格好良さは棄てて、必ず日本語(漢字)を使うべき。または会議などでは、日本語で補足すべき。

ともあれ、新聞だけは“つい頼りにしてしまう”メディアなので、時代に即した表現を期待したいもの。まあカタカナの表記は、ある意味“時代の文化”なので、時代と共に変遷を重ねることになるのだろうが・・・。

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コメント

外国語のカタカナ表記なんていい加減なものです。
Vをヴと書くなんて言うのは基準が滅茶苦茶。
ヴァレーなんて書かないのが普通です。
だからベートーベンとベートーヴェンが混在しているんでしょうね。

3音以上の長音「ー」は付けないルールと言うのも一貫性がありません。
ニューヨーカとかエッフェルタワなんて表記は見たことがありませんし、ウーパールーパもマッチメーカも無いでしょう。

外国語をカタカナで表記することにそもそも無理があるのですから、あまり厳密にするのもどうかと思うのです。
しかし言語は共通理解ですから、一貫性を持たせることは大事だと思います。

【エムズの片割れより】
おっとっと・・・。「タワー」は2音という扱いですが・・・。
まあ外来語を日本語表現する事自体が、所詮ムリなのでしょうが、要は何かのルールで基準は必要かと・・・。

投稿: 通行人 | 2012年11月14日 (水) 14:56

本当に外国語のカタカナ表記なんていい加減ですね。オードリー・ヘップバーンとローマ字のヘボンは同じ綴りですね。
これとは違いますが日本の地名を英語で言う時にどうして変な抑揚を付けるのでしょうか。私たちが英語国へ行った時には、現地の地名は現地の発音・アクセントに従ってしゃべるわけですから、日本の地名も日本のアクセントのままで外国人に覚えてもらえばいいと思うのですが。

【エムズの片割れより】
確かに英語を習うときは、地名もアクセント付で勉強しますよね。
でも我々は、例えばポルトガル語のカタカナは、いい加減なアクセントを付けて読んでいるのでしょうね。ポルトガル人がそれを聞くと・・・。結局、日本語を知らない(覚えようとしない)外国人が日本の地名を呼ぶときは、勝手なアクセントで読むのでしょうね。

投稿: かえるのうた | 2012年11月14日 (水) 17:49

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