「働きやすい会社2012」ランキング
日経新聞に毎年恒例の「働きやすい会社」のランキングが発表された。今年も眺めてみようか・・・。
「働きやすい会社2012~パナソニック、再び首位
日本経済新聞社は29日、主要企業を対象に実施した2012年の「働きやすい会社」調査の結果をまとめた。3年ぶりに総合首位となったパナソニックをはじめ、電機各社が上位を占める傾向が続いた。グローバル化に即した人材採用や、育児・介護との両立支援など働く環境の変化に素早く対応した企業が高い評価を得た。
<働きやすい会社 2012>
①(4) パナソニック 511.16
②(2) 日立製作所 503.55
③(3) 東 芝 503.52
④(5) ダイキン工業 502.86
⑤(1) ソ ニ ー 500.06
⑥(13)第一生命保険 490.51
⑦(6) 富士フイルム 488.08
⑧(7) キヤノン 483.83
⑨(50) イ オ ン 481.78
⑩(10)損害保険ジャパン 478.75
(注)カッコ内は昨年順位
調査は10回目で今回は日経HR、日経リサーチと共同で企画。企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分し、ランキングを作成した。4つのテーマ別にランキングも作った。
パナソニックは前年の4位から順位を上げ、09年以来の総合首位。テーマ別でも「人材の採用・育成」と「多様な人材の活用」で2位に入った。グローバルに活躍できる人材の獲得に向け、中国や北米などに「リクルートセンター」を設けて現地で人材を一括採用。12年度は通年で1100人を採用し、来年度も同水準を予定している。
社員教育も充実させている。今年から丸1日英語のみを使う日を設けるなど、社員が自ら語学の習得に取り組むよう意識づける研修を始めた。「内向き」といわれる新入社員向けに精神面のケアを重視した教育も始めた。
内外の人事評価 日立が共通化へ
日立製作所は前年と同じ総合2位。昨年度からグループ約900社、32万人の人事データベースの整備に着手した。課長職以上では世界共通の人事評価制度づくりも進める。国内外で人事制度を統一して人材を有効活用する狙いだ。11年度には主任級以下の海外研修制度を大幅に拡充し、この2年間で約2千人を海外に送り込んだ。
総合3位の東芝は「多様な働き方への配慮」で高評価を得た。11年4月に横浜事業所に「きらめキッズ横浜」と呼ぶ社内保育園を開設するなど、仕事と育児の両立支援を強化している。妊娠、出産、育児といった各段階で利用できる支援制度を分かりやすく紹介した冊子も発行している。
電機各社はバブル崩壊後の低成長に加え、ここ数年はグローバル競争の激化で経営環境が厳しく、国内では人員増強が難しくなっている。賃上げよりも労働時間の短縮や休業制度の充実などで社員の働きに報いてきた。一方で競争力を高めるため、外国人や女性など多様な人材の戦力化を急いでいる。
有給休暇の取得第一生命が促進
第一生命保険や損害保険ジャパンといった生損保各社が上位に入ったのも目立つ。
第一生命は社員が年度初めに有給休暇の取得計画を立てるといった施策により、11年度の有給休暇消化率が前年度から4.1ポイント上昇した。
働く環境、何を重視~労働時間の適正さ
同時に実施したビジネスパーソン調査では、働きやすい会社の条件を聞いた。非常に重視する項目で最も多かったのは「労働時間の適正さ」(43.48%)で「休暇の取りやすさ」 (42.26%)が続いた。「半休や時間単位など年次有給休暇の種類が充実」(32.03%)も多い。
厚生労働省の就労条件総合調査によると2011年の年次有給休暇の取得率は48.1%で前年から1ポイント上昇。一方、年次有給休暇を時間単位で取得できる企業は7.3%にとどまる。育児や介護をしながら働く人が増え、より柔軟に勤務時間を選べる制度が求められている。
「社員の勤続年数の長さ」(36.82%)や「若手社員の定着率の高さ」(30.10%)を重視する人も多い。また、「人事考課の結果伝達、反論・修正機会の有無」(32.20%)や「評価結果・目標達成度フィードバックの有無」(28.58%)といった人事評価の透明性を望む声も多かった。」(2012/09/30付「日経新聞」より)
例によって大手電機メーカーがズラリ・・・。
でもこのランキングは、“自ら会社を選ぶ事が出来る”ラッキーな学生にとっては、会社を選ぶための有力な参考資料。その際に参考となるのが、「社員の勤続年数の長さ」「若手社員の定着率の高さ」といったデータ。短期的には給料などの待遇面が気になるが、サラリーマン生活は長期戦。よって定着率は、最も重要なアイテムでは??
そして、会社にとっては、働きやすさ、定着率といったデータを気にするのも良く分かる。言うまでもなく、会社は人の集まり。その人材の優劣で会社の将来が決まる。よって優秀な学生を集めるためにも、働き易さをアピールする。
話が変わるが、今朝の新聞に、携帯3位のソフトバンクが同4位のイー・アクセスを買収するという記事があった。サラリーマン、自分の会社の行く末は、自分の生活の根幹に関わる。
ふと、昔現役時代のことを思い出した。当時顧客だった人のつぶやきである。その人の会社は、元々日本有数の会社の子会社だったが、紆余曲折を経て、外資の会社となり、それがその時に、日本の新興オーナー会社に買収された。
設立当初古い会社の子会社だったので、企業年金等の社員待遇の仕組みは手厚い。しかし新興オーナー会社は、決して社員に対して暖かいとは言えない。その人曰く「会社が買収されて、その親会社に合わせ、給料が大幅に下がるんだって。しかし実際には下がらない。つまり、企業年金が廃止され、今まで積み立てた金を、給料が下がる分に充てられる。よって見かけ上は変わらないが、企業年金がいつの間にか無くなってしまう・・・」
この話を聞いた時、伸び盛りの若い会社は、社員にとってはどうなんだろう・・と思った。
自分がシルバー世代になって思う事は、長期戦のサラリーマンにとって、“古くて大きな会社”ほど社員に対しては暖かい・・・が結論。
しかし、毎度言っているが、一部の優秀な学生を除いて、ほとんどの学生は会社を選べない。それが現実。しかし、そんな中でも、目標は高く掲げて頑張って欲しいもの。
「求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、さらば見いださん。門を叩け、さらば開かれん。すべて求むる者は得、たづぬる者は見いだし、門をたたく者は開かるるなり」(『新約聖書』「マタイによる福音書」七・7-8)より
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