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2012年7月18日 (水)

トヨタ出身・NHK 金田前専務理事の話~NHKとトヨタの企業風土・・

先日の朝日新聞に金田新・前NHK専務理事の記事があった。曰く・・・

NHK 自らの使命議論を トヨタ出身・金田新・前NHK専務理事
 NHKが不祥事にあえいでいた2006年、トヨタ自動車の経営手法を改革に取り入れたいとの求めに応じトヨタ専務からNHKへ転身した金田新・前専務理事(64)が先月、古巣に戻った。逆境のただ中に身を投じて5年7カ月。海外経験も豊富な氏の目に、この国の公共放送はどう映ったのか。
評論家多く 会議だらけ
 制作現場は、「カイゼン」で有名なトヨタによく似ているという。設計図通りに番組ができることはなく、現場に委ねる度合いが大きい。実際、NHKには「番組の品質保証のために命をかける連中がいた」。
 一方で、強い現場が林立して党派性を帯び、「NHKのために」との発想が薄いのが気になった。生産するのが社会的価値で、今月いくらもうかったのかわからない特殊性ゆえか「中間管理職が、自らトップになったつもりで意見具申をしない。評論する人間は大勢いるんですが。トヨタでは『会社はこうすべきだ』と言わない部長は怒られます」。
 煮詰まっていない議論が理事会に上がってくるため、とにかく会議だらけ。「参加者より、見ているだけで何もしないギャラリーの方が多いほど。これはゴルフなのかと」
 指揮命令系統の弱さには驚いたというが、それゆえに、番組の多様性が担保されるという見方もできるのでは? 「いや、僕は創造性を管理する高度な経営がNHKにはあっていいと思うんですよ」・・・・・」(2012/07/11付「朝日新聞」p16より)

この記事を読んで、別にNHKを論じるつもりはない。ただ「トヨタでは『会社はこうすべきだ』と言わない部長は怒られます」という文に反応しただけ。

良く言われるように、会社は課長級が動かしている。課長はまさに前線の特攻隊長。それが元気なウチは安心。しかし課長級がマンネリ化してくると、会社は危ない。
課長は、会社側の管理職として両足を会社に突っ込んでいる。その反面、何人もの部下を抱え、その人事権を持ちラインを動かす。つまり部下の面倒を見なければいけない。まさに企業の中心。
それに引き替え、部長級以上は気楽なもの!? 現場から離れ、いわゆる管理と称してただ御神輿に乗っかっているだけで勤まる可能性も・・!?
しかしトヨタの場合は、そんな甘い話は無いと言っている。部長級は、自部門だけでなく、会社全体を視野に、大きなビジョンを語れないと生きて行けないようだ。
しかしこの話は、自動車という単一の製品を作るという特殊な企業風土(?)だから可能なことかも知れない。普通のメーカーは多種多様な製品を作っており、隣の部隊の製品は、技術的にも話に入り込めないのが普通。
でもそれは、実は言い訳・・・。

若いサラリーマンは、いつ何時隣の部隊の隊長になるかも知れない、という気概で、自部門の殻に閉じこもることなく、常に周囲で行われているビジネスの情報収集、勉強に励んで欲しいもの。
自分自身、現役当時は御輿に乗って、NHKと同じようにただ連日の会議に出ているだけで仕事をしていた、と錯覚していたかも・・・。そもそも会議は報告の会議ばかりで、決める会議はほとんど無かったように思う。まあそんな事もあり、今更ながら、自分自身、あれ以上出世しなかったのも当然だったな、と思うこの頃である。
自戒を込めて読んだ一文ではあった。

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