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2012年7月17日 (火)

「常に観察すべき五つの真理」(6/6)~まとめ

前回(ここ)に引き続き、日本テーラワーダ仏教教会から出ている「常に観察すべき五つの真理」という冊子を読んで行こう。

常に観察すべき五つの真理
     アルボムッレ・スマナサーラ長老
・・・・・
        *       *       *
 これで、観察すべき五つの項目の説明は終わりました。この五つの項目を暗記して、常に念頭において生きてみてください。これが人間の生き方の基盤になるものです。これは超越した仏陀の智慧で語っていることですから、実践してみればその結果はすばらしく、この上ない結果が体験できるでしょう。
 私たち凡人の能力では、いくら踏ん張っても「どのように生きるべきか」という問題にたいする答えを見出すことはできません。ちっぽけな脳細胞でなんとか考えるだけで、それまた個人的な捏造した知識ですから、いくら考えても偏見にしかならないのです。偏見をなくそうと考えると、それもまた偏見になります。偏見で偏見をなくそうとするのだから話しにならないのです。
 歴史上、世界には多くの哲学者や思想家たちが現れましたが、「人間はどのように生きればよいか」という問題にたいする答えは、お釈迦様以外だれも見出せていません。なぜ見出せないかといいますと、それは人間が考える方向で出てくるものではないからです。「神を信仰しましょう」とか「神の定めを守りましょう」、それはややこしいから「ただ神を畏れて生きましょう」などと言う人もいますが、そういうのは単なる信仰にすぎず、真の生き方ではないのです。
 俗世間の知識では「生きるとは何か」「なぜ生きるのか」「どのように生きればよいのか」ということを発見することはできません。俗世間のレベルで考えますと、金持ちになることや出世して会社の社長になること、長生きすることなど、そういうものなら簡単にモットーになるでしょうが、「私は死ぬものであると観察することが生きるモットーになる」ということは、とうてい理解できないと思います。
 したがって、お釈迦様が説いたこの教えを理解するのはとてもむずかしいことです。お釈迦様はシンプルに語っていますが、これは人間の知識レベルを遥かに超えた真理の教えなのです。」(日本テーラワーダ仏教教会「常に観察すべき五つの真理」より)

以上5回に亘って読んできたことをまとめると、
1.私の本質は老いることであり、私は老いを乗り越えていません。
2.私の本質は病むことであり、私は病いを乗り越えていません。
3.私の本質は死ぬことであり、私は死を乗り越えていません。
4.私の好きなもの、愛着しているものすべては、私から別れ、離れていってしまいます。
5.私は業そのものであり、私が相続しているものは業であり、私を生んだのは業であり、私の血縁・親類者といえば業であり、私の拠り所になるのは業であります。私が何か行為をするならば、善であれ悪であれ、私はその結果を相続します。(意訳)(
ここ~より)

実は、この冊子のPDFが日本テーラワーダ仏教協会のサイトにあったのだ(ここ)。それによると、これは「常に観察すべき項目の経典」という経典の解説だそうだ。
ふと思い立って、この「日本テーラワーダ仏教教会」のホームページをあちこち覗いてみた(ここ)。
それによると、この協会は、「日本テーラワーダ仏教協会(宗教法人 東京都渋谷区)はお釈迦さまの直接の教えである「テーラワーダ仏教」(上座仏教。パーリ語で「長老の教え」の意)を学び、伝えるために設立されました。スリランカやミャンマーなどから派遣された長老)方のご指導のもと、一人ひとりの「こころの成長」につとめ、多くの方々にお釈迦さまの教えを知っていただくことを目的に、東京幡ヶ谷のゴータミー精舎を中心に日本各地で活動しています。」とある。

このHPには、色々な説法の音源ファイルや冊子のPDFなどが数多く掲載されている。日頃あまり接することのない上座仏教の世界。この充実したサイトを読むだけで、かなりの知識が得られる。
そのうちに、ゆっくりと研究してみたいサイトである。
それにしてもお釈迦さまの世界は奥深い・・・・。

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