「Yes,but…」と「Yes,and…」
先日の日経新聞「春秋」にこんな記事があった。対人関係で日夜苦労しているビジネスマンの課題解決に、一石を投じるか?? 曰く・・・
「自分と異なる意見の持ち主を前にしたとき、どう応じるか。正面から全否定で返す「No」。うなずくふりで欠点を突く「Yes,but…」。そのいずれとも違う「Yes,and…」という発想を、街の再生を手がける山崎亮さんの近著「まちの幸福論」で知った。
自治体などの依頼で街に入り、価値観の違う人たちと対話を重ね、ハコ物の建設に頼らずコミュニティー活動や地場ビジネスを盛り上げるのが山崎さんの仕事。反対意見もまず肯定し、思いをくみ取り、より良いアイデアづくりにつなげ活動に巻き込む。「自分が否定されたと思った人は、相手を否定する」からだという。
この考えは企業にも応用が利く。コピーライター、糸井重里さんの事務所では手帳やタオルなどの雑貨を開発している。会議では他者の提案を否定するのは禁止。不満ならもっといい案を出す決まりだ。「価値を増やすのが僕らの仕事。否定は価値を増やさない」と糸井さん。この手法でヒット商品を次々と世に送り出す。
「あなたは間違っている」。議会や集会、テレビの論戦などで目にする、勇ましげな非難の応酬。これに対し、まだ30代の山崎さんを含めて、若い世代の活動や伸びるベンチャー企業で「Yes,and…」式のやり方が目立つ。昔ながらの非難合戦と、今どきの提案競争。社会や生活の価値を増やすのは、どちらだろう。」(2012/06/18付「日経新聞」「春秋」より)
デール・カーネギーの「人を動かす」の言葉(ここ)を引用するまでもなく、人間は感情の動物であり、それを前提に行動しなければいけないことは、ビジネスマンにとっては常識の話。
同時に、狭い職場の中で、対人関係で争って良いことは一つもない。争いを出来る限り避けるのも、サラリーマンの生きる知恵。その前提が「Yes,but…」であることも常識。
上の記事にもあるように、「自分が否定されたと思った人は、相手を否定する」。つまり「No,but…」では、幾ら後で「but…」と言っても既に遅い・・・。最初の「No」で話は止まってしまう。よって、先ずは「Yes」、そして「but…」でなければ・・・ということ。
それが今度は「Yes,and…」だそうだ。
「反対意見もまず肯定し、思いをくみ取り、より良いアイデアづくりにつなげ活動に巻き込む。」・・・・。
なるほど・・・。会社の会議でも使えそうだ。要は、相手の意見をどう受け入れるかという自身のスタンスの問題。
野田総理が政治生命を賭けるという税と社会保障の一体改革関連法案。明日(2012/06/26)が採決の日だと言う。民自が何とか歩み寄り、現在の焦点は小沢Grの動向。この法案の審議過程は、やはり「No,but…」・・・???
これも山崎亮さんが提唱しているという「Yes,and…」という発想をしていたら、どれだけ無益な時間を削減できたか・・・
まあ“還暦をずっと過ぎてしまった族”の我々にとっては、現役時代と違って、そうそう直面する事態は無いが、当面カミさんとの“激論”に「Yes,and…」を応用してみるとしようか・・・・。
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