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2012年6月30日 (土)

「日航再生の明と暗~リストラの意外な勝者は」

先日の日経新聞の「経営の視点」に日航の再生についての記事があり、興味深く読んだ。曰く・・・

「日航再生の明と暗 リストラの意外な勝者は
 経営再建中の日本航空が9月に東証に再上場する見通しになった。2010年1月に同社が法的整理に追い込まれた際は「2次破綻もあり得る」という悲観論も多かったことを考えると、予想を超えるスピード再生といえる。
 企業の破綻とその後の再生劇は、ときに関係者の明暗をくっきりと分ける。日航をめぐって、大きな痛みを被ったのはまず株主と金融機関である。
 株式の100%減資で、既存の日航株は紙切れになった。3メガバンクなどの金融機関も、貸出債権の87.5%にあたる5215億円がカットされた。かつて絶大な信用を誇った「日本の翼」が負債の重みに耐えきれず、結果として借金を踏み倒したのだ。
 他の関係者の痛みも軽くない。多くの社員が希望退職や整理解雇で会社を離れた。企業年金も減額された。路線リストラで地域社会も泣いた。日航グループの撤退によって例えば広島西飛行場は定期便がなくなり、年内に廃港となる。
 一方で再生の果実を得るのはだれか。まず筆頭は今の日航株の96%を保有する公的ファンドの企業再生支援機構である。同機構は3500億円を日航に投じたが、再上場時にはその価値が7000億円に膨らむという見方もある。機構の大株主が政府であることを考えると、日航株への投資リターンの最終的な受益者は国民ともいえる。
 日航の社員もやはりメリットを得る。彼らの努力で会社が立ち直ったのだから当然かもしれないが、今夏の日航の賞与は2カ月分で、ライバル全日本空輸の1.5カ月分を上回る。さらに、財務に余裕の生まれた日航は最新の「ボーイング787」を大量に導入する予定。新型機材で快適なフライトを楽しめる乗客もそれなりの恩恵を得る。
もう一つ、見逃してならない「意外な勝者」がいる。航空市場の人材の流動性の低さに悩んできた新興の航空会社だ。元祖LCC(格安航空会社)のスカイマークは08年の夏に663便に及ぶ大量の欠航を出した。風や霧が原因ではない。パイロットが思うように採用できず、ギリギリの人数で回していたところに、機長2人が突然会社を辞め、人繰りがつかなくなったのだ。
 だが、日航のリストラで、100人以上の人材がスカイマークに移籍した。「ベテランの客室乗務員もいれば機長もいる。日航が人材を吐き出してくれたおかげで、当社の事業基盤が強くなった」とスカイマークの幹部はいう。
 長らく日航という城に囲い込まれてきた人材が解き放たれ、同社だけでなく他のLCCなどにも散らばった。それは航空市場の競争促進に寄与するだろう。
 米シリコンバレーが発展した一つの契機は、1990年代初頭のIBMの大リストラだ。IBMを辞めた優秀な人材が西海岸の新興企業に大量に流れ込み、それがシリコンバレーを活性化した。
 日航をめぐる破綻と再生のドラマも、単に「公的支援などで日航がやたらに元気になって終わり」ではつまらないし、痛みを被った人にも申し訳ない。これを機に日本の航空市場全体の活性化につなげたい。(編集委員 西條都夫)」(2012/6/25付「日経新聞」p9より)

今も、どこかの会社でリストラの風が吹きすさんでいる・・・。しかし、この記事は、決して暗い日陰の部分だけではないことを示している。日陰の部分と共に、日なたの部分もあるということ・・・。
しかしこの日航の例は、時間軸が短いだけに分かり易い。たった2年で、V字回復・・・。当時は皆の心は暗く、2年後のこんな復活劇は予想していなかったのではないか・・・
もちろんそれには彼(か)の京セラの稲盛さんの日航会長としての手腕も大きかったのだろう。しかし残念ながら、人件費の削減はどの会社でも一番大きな課題であることは確か・・・
約10年前に大々的に始まった電機業界のリストラでも、多くの人材が会社を去った。そしてその人材が韓国にも渡ったことは良く聞く話。そして多くの分野で日本は韓国に逆転された・・・。しかしそのうち、(使い捨ての韓国で?)未だに活躍している方がどれだけ居られるかは分からない。

毎度書くことだが、我々団塊の世代は、確かに良い時代を過ごせた。あとはどう現役の世代に返すか・・・。小さなことだが、とにかく健康でいることだけでもその貢献につながるのではないか・・・。
現在の生きることすら難しい時代を過ごす若い人に、何をしたら応援につながるのか、つい考えてしまうこの頃である。

<付録>
今日の話とは関係無いけど、今日の我が家の庭・・・・。カミさんが丹精込めたアジサイが、今を盛りに咲いている・・・(写真はクリックで拡大)

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コメント

きれいですね。私もあじさいは大好きで、30年以上前に、どこかでもらった枝を挿し木で根付いたのがあります。毎年けなげに咲いてくれます。もらった時のあじさいは、3メートルを越す巨大な株で、その見事さにしばし、見とれました。今は、住宅事情もあってどこにいってもそんな大株は見られなくなりましたけど・・・。

【エムズの片割れより】
そんな大きなあじさいがあるのですか・・・
自分はあじさいと聞くと、直ぐに鎌倉を思い出します。そして梅雨の季節を・・・・

投稿: み~子 | 2012年7月 1日 (日) 02:11

この庭を見捨ててマンションに移るのはもったいない。

「現在の生きることすら難しい時代を過ごす若い人に、何をしたら応援につながるのか、つい考えてしまうこの頃である。」
そうですね。

【エムズの片割れより】
・・・・ですよね。

投稿: Tamakist | 2012年7月 1日 (日) 13:24

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