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2012年6月10日 (日)

中村仁一(著)「大往生したけりゃ医療とかかわるな」を読んで

先日、新聞に中村仁一(著)「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の広告があり、その目次に興味を持った。そして「この本を買ってみようかな・・」と言ったら、カミさんが「もう読んだ。読むなら貸すよ」という。それでカミさんに借りた。本には付箋がいっぱい・・・。それで付箋を全部取ってから読み始めた。付箋の痕でベタベタしているが仕方がない。
ふと、気になる言葉を見付ける・・。挟む紙もないので頁の角を少し折った。

そして読み終わって、折ったページを数えてみたら24ページもあった。つまり、この本はかなり自分にフィットした、ということ。
いつもの通りに、なるほど・・と思ったページを引用していたら、何日分もの“blogネタ”になるだろう。それを一日分のネタとして書くとすると、さてどう書こうか・・・

先ずは、本のカバーにある解説から・・・。曰く・・・
死ぬのは「がん」に限る。ただし、治療はせずに
3に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。120610iryouto 中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書。」

やはり少しだけ気になった箇所を・・・・。全部を紹介するワケにはいかないので、チョットだけ・・・
・繁殖を終えた年寄りには、「ガン死」が一番のお勧めです。ただし、「手遅れの幸せ」を満喫するために、「がん検診」や「人間ドック」などを受けてはいけません。(p6より)
・「自然死」は、いわゆる“餓死”ですが、その実態は次のようなものです。「飢餓」~脳内にモルヒネ様物質が分泌される。「脱水」~意識レベルが下がる。「酸欠状態」~脳内にモルヒネ様物質が分泌される。「炭酸ガス貯留」~麻酔作用あり。(p49より)
・何かの不都合な事態が生じれば、これを元に戻そうとします(快復力、自然治癒力)。この力が衰えたり、おっつかない時が死ぬ時です。(p85より)
・「がん検診」を受けて「精密検査」といわれたら、心穏やかでいられるはずがない。もしも、がんだったらと思うと、心も千々に乱れ、夜も眠れない、食欲は落ちる、仕事に身が入らないなど、結果が分かるまで生きた心地がしない。(p101より)
・繁殖を終えたら死ぬというのが、自然界の“掟”です。生きものとしての賞味期限の切れた年寄りのがんは、「もう役目はすんだから、還ってきてもいいよ」という、“あの世からのお迎えの使者”と考えてもいいはずです。(p104より)
・一見、手遅れの発見は、不幸の極みのようにうつります。しかし、考えてみてください。それまで何の屈託もなく、自由に充実した毎日が送られていたわけです。痛みが出なければ、今後も体力が落ちて自由に動くのがむずかしくなるまで、ふつうの生活をすればいいのです。(p108より)
・(抗がん剤は)たとえ、数ヶ月の延命効果はあったとしても、副作用が強烈でしょうから、ヨレヨレの状態になります。結果的に苦しむ期間が延びただけというのでは、あまりに悲惨すぎるのではないでしょうか。(p110より)
・繁殖を終えて生きものとしての賞味期限の切れたわが身も顧みず、むやみに「検診」や「人間ドック」を受けて、病気探しをしてはいけません。医者の餌食になるだけです。(p178より)

等々、キリがない・・・・

何度も出てくる言葉が、“繁殖を言えたら死ぬ”・・・・。目指すは“自然死”・・。
最近の自分の持論になっている“検診での病気探し”については、筆者と見事に一致・・・。

一般的にハウツー本は、売るために普通では逆と思われる題名を付けるもの。この本も題名は刺激的。しかし、自分にとっては“然り”と思う言葉が次々と現れる。
考えてみると、自分にとってこの本は、最近検診でレントゲン検査を受けない自分の“理由付け”のための書・・・なのかも知れない。「ホラ、自分の言っていることは、決してマイナーな考え方では無いだろう?」という理由付け・・・・

ともあれ、前に島田祐巳著「葬式は、要らない」(これ)を読んだ時と同じように、少なくとも自分にはフィットした本・・・。
「その時(←がん発見)」になったら、またじっくりと読み返すこととしたい。

(関連記事)
田中奈保美:著「枯れるように死にたい―「老衰死」ができないわけ」を読む

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コメント

エムズの片割れ様

こんにちは。
以前、「母の歌」でコメントをいただいたえぃり~です。
ご無沙汰しております。

↓その時のブログ

http://blogs.dion.ne.jp/tiida/archives/7894619.html

最近、中村仁一さんの本を読んだので、皆様の感想を読んでみようと検索したらこちらにたどりつきました。
ご縁に感謝です。

重いテーマですが、楽しい本でしたね。
では、また。

【エムズの片割れより】
思い出しました。もう4年も前の話で・・・
自分もとうとう高齢者の仲間入り寸前!!です。マジメに考えねば!?

投稿: えぃり~ | 2012年9月20日 (木) 18:11

日常有り触れ疾患は自然治癒力の衰えから発症すると考え、自然治癒力を活用して治療することが要決です。痛い、痒い、だるいなどの不快な自覚症状を感じたときには、我慢せず、その苦痛を取り去ると、自然治癒力が回復して軽快します。「我慢大敵」と覚えて置くことはとても賢いことです。
痛みがあったら痛み止め(鎮痛剤)熱があったら風邪薬(抗感冒薬)、胸焼け(呑酸)がしたら石灰水(記述)、その他何でもありあわせの薬を服用してみます。
それでも改善しなかったら初めて医療機関を受診します。何もせず最初から医療機関を受診するのは愚かなことです。身近な手段で自然治癒力を活用し見ます。青酸カリやサリンのような猛毒の物質でなければ、先ず問題は在りません。

投稿: 今井 龍弥 イマイ タツヤ  | 2017年9月 1日 (金) 12:28

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