「暗示について」
毎度ネタが新聞記事で恐縮だが、先日こんな記事が・・・・
「暗示について 沖方 丁
空元気も元気のうち、という言葉がある。私はこの空元気を、かなり信じている。暗示として、きわめて強力な部類だと思うのだ。
自分は元気であると思い込もうとしたり、苦しいときにあえて笑顔になろうとすることに、どれほど効果があるか。これについては世の様々な専門家が実験し、面白い報告をしている。
まず笑いである。これはどうやら胃に良いらしい。腹がよじれるほど笑うという言葉があるが、笑いでよじればよじるほど胃が丈夫になるという、半ば迷信のような話がある。
腹筋は確かに鍛えられそうだが、果たして胃は良くなるのか。
良くなる、という専門的な意見がどうやら多いようだ。では良くなるとどうなるのか。胃が感情に従うことは広く知られている。気分が塞げば、胃も塞がる。気分と胃はかなり密接な関係にあり、逆に、胃を良くすることで気分が良くなるという。
このため、うつっぽい気分も、胃の不調を整えることで緩和されるらしい。胃が良くなると気分が良くなり、免疫も高まるそうだ。本当かどうか知らないが、とある重病人が、病院の看護が気に入らず、自宅療養を選んで一日中コメディ映画を観ていたら治った、という話もある。
笑顔が素敵な人、という誉め言葉があるが、そういう人は、笑顔を保つことで心身の健全さを保っているのだろうと思う。
苦しいとき、あえて笑顔にならねばならないのは辛い。そう訴える人もいるが、これは周りの人に遠慮して笑顔になろうとするから辛いのである。人目を気にせず、自分自身に微笑みかける。そうすると、まさに空元気が元気になってくるという。
そうした効果を強く信じている人の中には、自分の笑顔を撮影したりする方もいる。微笑んだり、声に出して笑ったりしている自分の顔を、携帯電話などで撮影する。その行いを習慣にすることで、気分を良くし、免疫力を高め、持病を克服した、という話を聞かせて頂いた。
もちろん、しっかりとした治療と平行してのことである。外科治療など、術後の体力消耗が激しいとき、自分の笑顔を撮影することで気力を保つことができたのだそうだ。
こうした暗示が、実際どれほど肉体に影響を与えるかについては、専門家によって意見が分かれるだろう。だが少なくとも精神に及ぼす力は、きわめて強い。
たとえば、こんな話を聞いた。
笑顔ではなく、「毎日、鏡に向かって、繰り返し溜息をつく」という実験が行われた。
これは「うつ病になる過程」を調べるためのもので、予想以上の効果が認められたという。被験者がたちどころに不調に陥り、期限に至る前にストップがかかったそうだ。 似た話では、「マンガのキャラクターで祭壇を作り、欠かさず祈りを唱える」というものがある。カルト教壇による洗脳の様子を調べるための実験で、あえて馬鹿馬鹿しいキャラクターの絵が選ばれた。だが、これまた強烈な効果が確認され、責任者から中止が命じられたそうだ。
情報化社会は、いうなれば民衆が互いに強力な感情的暗示をかけ合う社会である。
健全な心身を得られる暗示を歓迎し、そうでないものを拒む。そういう、個人の選択と防衛が可能な社会になって欲しいと思う。(作家)」(2012/05/29付「日経新聞」夕刊p7「プロムナード」より)
笑いが健康の秘訣、とは昔から良く言われていたこと。ホントウの笑いは、健康な心から生まれる。いや、健康だからこそホントウの笑いが出来る・・?? ん?タマゴが先かニワトリが先かの議論に似て、何が何だか分からなくなってきたけど・・・?
ともあれ、笑いは良いこと。それがウソの空笑いであったとしても、それが元気を生むのだ。
しかし心からの笑い顔は、写真で見ても表情が生き生きしているもの・・・。
先日、上高地に行ったが、散策の途中で、カミさんと二人で、近くの人に頼んでシャッターを押して貰った。その時の自分の顔が笑っている・・・。カミさんにシャッターを押して貰う時とは、表情が違うのである。これは決して隣にカミさんが居るためではない。「(シャッターを押して貰って)スミマセンね~」という自分の照れ笑いが表情に出ているだけ・・・・。でもこっちの方が、表情は良い、とカミさんは言う。それを「写真写りが良い」と言うのだそうだ。まあ自分で見ても・・・・
自分の顔が一番曇る場合を、自分は知っている。家族の不健康(体調不良)の話が持ち上がったとき。家族にはペットも入る。
今日も、同僚のSさんから「今朝、弱っていた愛犬のトイプードルが死んだ」と言っていた。前に2匹飼っていたトイプードルの1匹が死に、今度で2匹とも居なくなって寂しい・・・と。15歳だったという。
実は今、愛犬メイ子の右後ろ足の調子が悪い。カミさんに言わせると、ジャンプの時にひねったという。それにしては、もう1週間以上経つが治っていない。散歩は避けたいが、メイ子に「散歩に行くか?」と聞くと、行くと言う。それで連れ出すのだが、器用に3本足でケンケンをしながら歩く。まあ調子が悪ければ、歩かなくなるだろう、と様子見ているが、これも“非笑い”のひとつ。
ともあれ、人生、還暦をとうに過ぎてしまうと、健康以外の悪い話はそろそろ無くなってきた。病名を付けないために“なるべく病院には行かない”ことを心掛けて、笑いのある生活を維持(?)したいものだ。
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