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2012年5月18日 (金)

STAXの高級ヘッドホンSR-009が素晴らしい

STAX(スタックス)の最高級ヘッドホン(イヤースピーカー)SR-009。自分の印象は、「素晴らしい」と言うより、「スゴい・・・!」

STAXの本社で、最高級ヘッドホンSR-009を“聴かされ”てから(ここ)、たった1週間で、まったく買う予定がなかったそれを手に入れているとは・・・。全くの予想外。でもさすが・・・・。その音は、期待に違(たが)わず・・・・

先日、ドライバー(ヘッドホンアンプ)SRM-007tAに続いて、とうとうこのヘッドホンを注文してしまったのだが(ここ)、一昨日、在庫があったヘッドホンが先に着いた。
箱を開くと、何と桐の箱が出て来た。超高級品は桐の箱に入れるという話はあるが、電子機器のヘッドホンが桐の箱に入っているとは・・・。それだけで、これは“ただ者ではない”、ということが分かる・・・。
さっそく、自分が持っていたイヤホン型イヤースピーカーセット(SRS-005S)のドライバーSRM-252Sにつなぐ。なるほど・・・。自分の持っているイヤホンタイプSR003とは“ケタが違う”音・・・。
でも・・・・。何かガッカリ・・・。試聴した、あの時の音とは違うのだ・・・。やはり廉価版のアンプでは本来の音が出ないのかな・・・と、注文してある高級ヘッドホンアンプの到着を待った。
そして、昨日アンプSRM-007tAが届いて、つないだ・・・。
そう、この音・・・。まさにこの音だ。

何と表現したら良いのだろう。最初に感じたのが、ベースのボーンという低音。これが実に心地よい。もちろん高音はキラキラと輝いている。音の粒が飛んでいる・・・という感じ。何よりも、大きな音を出しても、その大音量に気が付かない。つまり、ウルサイとは全く思わないのだ。音が自然で、刺激的な要素がないためか、大きな音でも“豊かに”聞ける・・・??
ビックリしたのは、FM放送の音が素晴らしいこと。CDと遜色がない音が聞ける・・・・。
なるほど、これが天下のKENWOOD L-02の実力なのかも知れない。今までその実力を出し切れていなかった?? NHK FMの送信アンテナがスカイツリーに移って、電波が強くなったため、ノイズが全く無くなり、ゆとりを持って聞けるようになったが、そのこともあって、SR-009を通して聴くFM放送の音が予想外に素晴らしいのだ・・・。

とにかく、これはすごい・・・・
カミさんを呼んで聴かせた。「スゴイだろう~~」「ス・ゴ・イ・だろ~」・・・
カミさん曰く「音が大きすぎる!」「自分の好きなサザンをやれ」・・と言っても、自分は持っていないし・・・
「そんなに重く無いじゃない・・」「耳によくフィットして心地よいね」「アナタは禿げているので、頭の汗が直接ヘッドバンドに付いて、汚れてダメになるのでは?交換してくれるのかな?」「アンプにホコリが付くので、天井のあるラックを買ったら?」・・・

とんでも無い所に話が飛ぶが、6年前、「インプラント~一番“価値のあった”買い物」(ここ)という記事を書いた。
自分が奥歯3本にインプラントを入れたのが2003年なので、もう9年にもなる。もちろんノントラブル。90万円かかったが、未だに人生でもっとも安い買い物だったと思っている。
実は今回、このヘッドホンを買って、その時のことを思い出した。
つまり、このヘッドホンとアンプは、40数万円という値段こそしたが、少しオーバーだがこれからの自分の生涯で、“最愛の伴侶”となるような気がする・・・。
一番心配していた重量も、カミさんが言うように、今のところそれほど気にならない。いや、それを気にする前に、その音にひれ伏してしまう。素晴らしい音に、重いというネガティブさが吹っ飛んだ感じ・・・
実は昨夜も、午前1時頃目を覚ました。そして、のそのそと、ヘッドホンを耳に・・・。そしてウーンと唸る・・・。負けた・・・・。
今回買った真空管アンプもヘッドホンも、エージングを経ると、もっと音がこなれて良くなるらしい。NetではSTAXは最低200時間のエージングが必要とも・・・。しかしまさか、自分が今頃真空管アンプを買うとは・・・・

自分はあと何年生きるのか・・・。80歳まであと15年ほど。それまでこの音で音楽が聴けると思うと、つい嬉しくなってしまう。素晴らしいものは、金銭感覚をマヒさせる。
このSR-009に合わせた最高級アンプの開発のウワサ(期待?)もチラホラ・・・・? 将来、それが実現した時は、もしかすると値段関係無しに買っちゃうかも・・・

それにしても、たかだかヘッドホン。それが、これだけの感激・感動を自分に与えてくれるとは予想外・・。それを考えると、40数万円なんて、安いもの・・・。STAXはメンテナンスも定評があるので心配ない。なによりも、このヘッドホンは、持ち主登録制。つまり、このことからも、“STAXが将来的に相当な決意で1台1台のSR-009を保守してくれる”という意志を感じる。安心この上ない。
最後に残念なことを2つ。ドライバーSRM-007tAに入力切り替えが付いているのは便利だが、電源を投入すると、CH1が常に選択されてしう。つまり、CH3のXLR入力でつないだ場合など、電源投入後に必ずCH3を選択するという、二度手間が必要。ラッチングリレーや不揮発性メモリの利用で、電源断時のCHを覚えておいてくれると便利なのだが・・・。それとSR-009の左右の判別が結構面倒。SR-003だと、右CHに赤い札が付いているので、暗い中でも左右が直ぐに判別できる。SR-009はヘッドホン下の「L・R」またはケーブルの模様を見ないと分からないので不便・・・
でも、右耳が難聴の自分でもこれだけ感激するのだから、健常者はどれほどに聞こえるのか・・・
まあ今回、自分の“宝物”が一つ増えた・・・。良い買い物をした。

(2012/12/02追)
大切な人は、居なくなって初めて、そのことに気付くという。
先日、ちょっとしたトラブルで、STAXに修理をお願いしたが、このヘッドホンが留守をした数日間が、どれだけ長く感じられたか・・・・。
とうとう、「恋人はいつ戻ってきますか?」とSTAXに電話してしまった!!前に使っていたboseのイヤホンもSR-003も「あの音じゃない~!!」と代替にはならず、音楽を聴かない数日間・・・。戻った日にはカミさんから「恋人は戻ったの?」と聞かれるありさま。我ながら、少しキケンだな・・・と思った。

<付録1~開発者の対談>
Youtubeに、この機種の開発についての対談が載っていた。ご参考に・・・

Youtubeのオリジナルは(ここ)。

<付録2~スタックス研究>
120518stax 少し古いが、「ヘッドホンブック2011」に「スタックス研究」という記事があった。スタックスは1938年創業で、当初の社名は昭和光音工業株式会社といっていたそうで、当初はNHKにコンデンサースピーカーやマイクなどを納入しており、その時のブランドが「スタックス」で、1963年にスタックス工業株式会社に変更したとか。その歴史についても書いてあるので、参考にPDFを(ここ)に置きます。

<付録3~アンプの最上位モデル「SRM-T8000」の発表>2017/05/03追

(参考記事)
STAXの新フラッグシップヘッドホン「SR-009S」を聞く
良い音への投資限度は?~STAX「SRM-T8000」を聞く
STAXのコンデンサー型イヤホン(SR-003)を使ってみて・・ 
STAXのヘッドホン試聴室に行った~SR-009に魅了される 
STAXの最高級ヘッドホンSR-009を注文 

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コメント

SR-009購入おめでとうございます。
この記事を読んでいると私がSR-009を買った時の気持ちが思い出されます

SR-009の感想も、
・ウルサイとは全く思わない
・音が自然で、刺激的な要素がないためか、大きな音でも“豊かに”聞ける
・素晴らしい音に、重いというネガティブさが吹っ飛んだ
・オーバーだがこれからの自分の生涯で、“最愛の伴侶”となるような気がする
等、私の感想も同じで、凄く共感できます。

ちなみに、私の使用歴は半年程度ですが、この音に慣れるどころか、毎回音の良さに驚かされっぱなしですよ(汗
音源によって様々な顔を見せてくれるので、ぜひ色々な音楽を試してやって下さい

【エムズの片割れより】
同じような感想を持たれたとは、自分の思い込みではないようで、安心しました!?
末永く、楽しめそうですね。

投稿: ls | 2012年5月19日 (土) 23:39

再び、おめでとうございます。のエールをお送りします。想い通りのSR-009の音を手に入れた感動が伝わってきますよ。Msの片割れ様は昔QUADのESLを愛用されていた事、上司のストレスが原因で突発性難聴を患って完治が難しい事などをブログで拝見しておりましたが、再びやっと手にした宝物を楽しんでください。私も使ったSR-3、湿度に弱く修理のため雑司ケ谷の旧スタックスに手持ちしたこと、歴史的写真を見て懐かしく想い出しました。私と同じ様な『仕事と趣味の経歴』に共感しつつ、ブログを楽しみにしています。
  昔オーディオマニア

【エムズの片割れより】
半世紀前のSR-3時代から、同じような道をたどったようで、感激です。
現役をリタイアしてホッとし、心だけ昔に還って珠玉の時間(?)を過ごしたいとは思うのですが・・・。難聴が残念です。
でも不思議と、脳が右耳に入っているハイカットフィルターを一生懸命ごまかしてくれます。有り難いことです。

投稿: masamiJo | 2012年5月20日 (日) 16:37

注文半年弱、来ました。12月までかかるとの話だったから、びっくり。STAXで生産増強したそうです。(シリアルが2900くらいになっていました。)5年で3000台。

そういえば、ベーゼンドルファー社が創立200年でこないだ1万台目だったっけ、めでたく送り出したそうです。手作り度はそれに近い感じですね。

実は、アレから耳鳴りが出まして、耳がダメになったら叩き売る覚悟でした。だってもったいないもん。昨日、耳鼻科にいって聴力を調べてもらったら8kで前回より15dbも向上していました。耳鳴りの薬が効いてノイズのマスクがとれたってわけ。ヨドバシにいって受け取ってきました。

まだ箱あけてません。うちの職場は定年前の職員はみんな死にそうに仕事忙しいんで、もちろん土日も出てます。今日も朝からシコシコプログラムのデバッグです(今昼休み)。STAXとかダイナミックオーディオで音は良く知ってますが、いよいよ来たわけ。まさかSTAX試聴室のようにアキュフェイズのハイエンドSACDは買えなんで、あんな音は無理でしょうけど。持ってる007とか404とかHD-800とかと、どうなんでしょうねえ。

これがオレの最後のオーディオです。最後におごってしまった。来年、超弩級ドライバ出すそうですが、きっと100万円級になるんでしょうが、もう付き合いきれません。

【エムズの片割れより】
いよいよ来ましたか・・・。自分も右耳が難聴で、高域は全くダメ。でも何とか楽しんでいますよ。
超弩級ドライバが出ますか・・・。でも100万円では手が出ません。せめて30万円位なら・・・ね。

投稿: gkrsnama | 2014年7月27日 (日) 12:17

難聴……聞こえる最少音量が上がるだけで、感知する音質には影響がないようです。別にトーンコントロールを目いっぱいハイおち西滝声になるわけじゃないみたいですね。

お聞きの歌謡曲は小さな音がない(かつそういう部分は意味がない)わけで、全然楽勝です。

おれはクラシックというか古楽(てーと500年以上前の音楽)です。で、文化史学によると、なんでも「聴衆が増えるにつれ音量がデカくなる」そうなんで、当時は音楽というと王様のもの。だから小さな音メインです。残響6秒とかで、余韻も大事。おれがもし難聴になるとダメージがキツイですね。

投稿: gkrsnama | 2014年7月31日 (木) 00:14

海外にはコンデンサヘッドホン用のアンプは結構あるみたいです。どれもべらぼーに高価。STAX純正がベースラインだそうです。

リンクにあるRAY Audio A-10は、オルフェウスがつながれてました。オルフェウスはアンプ込じゃなかったかと思うんですが。もちろん聞いたことも実物を見たこともありません。

投稿: gkrsnama | 2014年8月 6日 (水) 21:27

超おひさしぶり!
左耳が耳鳴り&難聴の爺(66歳)です。
久しぶりにブログを見ますと、現役を退かれたとか・・・ハッピーリタイヤおめでとうございます。
さて、スタックスのHPで極楽の音楽ライフを満喫されてますね(羨ましい)
小生も、左右の聴力バランスをとるためHPでの試聴を計画してますが、難聴の進行が怖くて
二の足を踏んでます。
スタックスなら大丈夫でしょうか?、ご指南ください。

【エムズの片割れより】
当方は、突発性難聴で、右耳がダメになり、右耳だけでは会話も困難。でも難聴が進行することはありませんでした。
「スタックスなら大丈夫」ということはありませんが、要はヘドホンの方がSPよりも聞き易いかどうか、では?
当方は、難聴発症⇒SPで音楽を聞くと違和感⇒ヘドホンではOK⇒ヘドホンで自分にフィットするものを探す⇒STAXの試聴室でSR-009を発見!
STAXを検討するなら、いつも聞くCD持参で、STAXの試聴室で試されることをお薦めします。

投稿: 杉ちゃん | 2016年6月24日 (金) 09:16

ご指南ありがとうございます。
現在は、左耳は右耳より-15dB低下しており五味康祐氏と同じく、左耳に補聴器を着けてバランスを取ってます。
・・・・で、コンデンサーHPが難聴の進行が
少ないなら、左右バランス調整できるSTAX
を検討した次第です。(生耳で聴くのが良いですから。)
ちなみに、補聴器は約15万しましたので、SR-L300+SRM-353X(合計12万)を候補に考えております。(笑)

投稿: 杉ちゃん | 2016年6月25日 (土) 11:39

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