森昌子の「池上線」
当サイトでは“凝っている曲”というのがある。ベートーベンの「運命」(ここ)を筆頭に、同じくベートーベンの「月光」、それに「荒城の月」、そして今回の「池上線」である。これらは、視点を変えて何度も出てくる・・・
自分がこの「池上線」に凝り出したのは、チェウニの歌を聞いてから。もちろん以前から西島三重子のオリジナルは知っていたが、チェウニの歌に、はまった・・・・。
この歌は、多くの歌手がカバーしている。チェウニの他に高山厳、水森かおり、森昌子、山本あき、狩人、祝友子、ザン、マルシアなどなど・・・・
その中で、チェウニを別格にすると、自分は森昌子の歌が好きだ。少し聞いてみよう。
<森昌子の「池上線」>
「池上線」
作詞:佐藤順英
作曲:西島三重子1)古い電車のドアのそば
二人は黙って立っていた
話す言葉を捜しながら
すきま風に震えて
いくつ駅を過ぎたのか
忘れてあなたに聞いたのに
じっと私を見つめながら
ごめんねなんて言ったわ
泣いてはダメだと胸にきかせて
白いハンカチを握りしめたの
池上線が走る町に
あなたは二度と来ないのね
池上線に揺られながら
今日も帰る私なの2)終電時刻を確かめて
あなたは私と駅を出た
角のフルーツショップだけが
灯りともす夜更けに
商店街を通り抜け
踏切り渡ったときだわね
待っていますとつぶやいたら
突然抱いてくれたわ
あとからあとから涙あふれて
うしろ姿さえ見えなかったの
池上線が走る町に
あなたは二度と来ないのね
池上線に揺られながら
今日も帰る私なの
それにしても、森昌子は歌が上手・・・・
カバーは、歌い手はもちろんだが、編曲が命だと思う。編曲によって、新たな命がよみがえる。
前にNHKラジオ深夜便で編曲家・若草恵さんのインタビュー番組があった。それによると、編曲家に与えられるのは、原則として旋律と歌詞だけ。作曲家と打合せはするものの、原則は何をしても自由だという。
幾多の「池上線」のカバーを聞いてみると、編曲の違いによって、自分の好き嫌いが大きく変化する。チェウニのように、ぞっこん惚れて何度も聞く編曲もあれば(ここ)、二度と聞かない編曲もある。
その中で、この森昌子の編曲と歌は、自分が好きな方の部類・・・
好きな歌を色々な歌手のカバーで聞く。これも自分にとっては珠玉の時間なのである。
●メモ:カウント~295万
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コメント
たくさんカバーされているとは知りませんでした。
他の人のも聴いてみたくなりました。
>チェウニを別格にすると
同感です。
こちらでご紹介頂いて驚きました。
しかし、本家よりカバーの方がずっと良いなんてねえ。
なんか、気の毒な感じもしなくはないです・・・
【エムズの片割れより】
確かに・・・。自分もオリジナルよりカバーの方が良かった・・という例は、今までありませんでした。
投稿: 通行人 | 2012年5月30日 (水) 10:06
この曲は若かりし頃?より知っていましたが、地味な印象でした。ご紹介の如く、数年前朝日新聞の記事になりました。今になって聞き返しますと、このオリジナル曲は他のカバー曲よりも心に染みる気がします。昔の印象が残っているためでしょうか。以前この界隈を訪ねた事があります。曲が発表された当時には、もっと風情に満ちた町並みだったのでしょうね。
話は変わりますが、7月は「博多祇園山笠」が開催されます。
【エムズの片割れより】
歌には、人それぞれの想いがありますよね。
祇園祭ですか・・・。伝統のある街は羨ましい・・・。昔、学生の頃、見たことがあったかどうか・・・・。
投稿: メメント・モリ | 2012年6月 3日 (日) 00:35