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2012年4月19日 (木)

「そんなに疲れますか?」

当サイトが好きな日経新聞のコラム「大機小機」。先日「そんなに疲れますか」という記事があった。曰く・・

そんなに疲れますか
 よく利用するビルが、エレベーターを更新した。上層階で乗り込み1階に下りると「お疲れさまでした」の自動音声とともに扉が開く。退勤時間帯に限るようだが、ここまできたか、と思う。
 若い人からのメールは、大抵「お疲れさまです」で始まる。ビルの出入り口では警備員が……。朝っぱらから聞くと、「まだ疲れてませんが」とまぜっ返したくなる。昔からあるあいさつだが、こうも幅をきかせるとは、よほど疲れた人が多いのだろう。
 同じ疲れでも、スポーツでひと汗流した後の快い疲労感あるが、「失われた20年」の日本に蓄積したのは、努力してもなかなか成果が出ない「徒労感」に近い疲れではないか。昨年の名目国内総生産(GDP)は約470兆円で20年前とほぼ同額だ。
 深尾京司一橋大学教授の分析では、この20年の日本経済は、慢性的な需要不足と生産性の低迷に特徴づけられる。全要素生産性(TFP)の推移を追うと、製造業は1990年代以降、上昇ペースを落とし、非製造業は、ずっと低空飛行のままという。
 新興国の台頭もあり、日本経済に占める製造業のシェアは、縮小することはあっても拡大は期待できない。それだけに、経済の過半を占める非製造業の生産性の改善は、経済再生のカギになる。
 非製造業の多くの業種で、他の先進国と比べ、情報通信技術(ICT)への投資や、組織改編への支出や労働者をオフ・ザ・ジョブ・トレーニングするための支出などの無形資産投資が、見劣りするという。
 このあたりにも「疲れ」の原因が潜んでいるかもしれない。もっとスリムな組織にできないか。ICTでまだまだ日常の業務を効率化できるのではないか。ICTの使い方が下手なのではないか。
 何かあなたを疲れさせているのか――。各部門のセクショナリズムか。お役所化した煩雑な社内手続きか。大量の資料を準備して何も決まらない会議なのか。コンサルタント会社に勧められるまま導入したシステムの使い勝手の悪さなのか。
 「大胆な金融緩和」や「成長戦略」など大上段に構えるのもよいが、身の回りの「疲れ」の原因を見極め、除去や緩和に知恵を絞るのも、有効な経済活性化策だ。生理学では、疲労は、痛み、発熱とともに、身体が発する三大アラームとされる。(手毬)」(2012/04/17付「日経新聞」「大機小機」より)

テーマの「そんなに疲れますか?」・・・。我々シルバー世代にとっては、なかなか厳しい質問だ。(おっと、上の新聞のテーマは時事問題だが、今日は健康問題として取り上げた)
「日常、疲れやすいですか?」と聞かれて、自信を持って「いや若い時と同じ」と言える人がどれくらいいるだろう? シルバー世代を迎えると、疲れに対しても耐力(=体力)が無くなってくる。そして、シルバー族の体調の不良は、ほとんど加齢が原因だという。さもありなん・・・。

ともあれ、疲れはすべて気力から来ていると思う。自分の趣味に没頭している時は、疲れを知らない。しかし“嫌々(いやいや)”することには、すぐに疲れる。いや、“疲れた~”と称してその行為から逃れようとする。
よって、趣味のように“疲れない何か”を一つでも持っている人は羨ましい。それこそ、まさに生き甲斐なので・・・。でも現実は、単なる体力低下での慢性的な疲れ・・・!?

「お疲れさま」は無難な挨拶として良く使われる。
「お疲れさま」という言葉を聞くと、前に書いた“「子供が使ってはいけない敬語」~金田一秀穂氏の愉快な話”(ここ)を思い出す。
「最近、夜の11時頃にコンビニの前を通ると、塾を終わった子どもたちが帰って行く。たぶん中学受験で夜遅くまでやっているので大変だな、とは思うけれど、友達と別れるときに、彼らは「お疲れさま」と言って帰っていく。6年生ですよ? 疲れているのはとてもよくわかるけど、「お疲れさま」とは言ってほしくない。“疲れるなよ!おまえたち”と思うわけ。
子供が“お疲れさま”と言うのは、ちょっと嬉しくない。・・」

まあ、こんな笑い話はさておき、時代の流れか、物理的な“疲れの基準”はどんどんと“人に優しく”なってきているように思う。我々が若いときは、地方への出張というと、夜行寝台が普通だった。定時まで働いて、出張に出発。缶ビールを買って、寝台車に。明け方に目的の駅に着いて、会社の始業まで時間を潰す・・・。それが当たり前だった。でも今は、前日に飛行機で飛んで、ホテルに前泊。仕事が終わると、ゆっくりと泊まって、次の日の朝から帰路に着く。
時代の流れなのだろう・・・。利用者の激減によって、寝台列車そのものが無くなって久しい。
でも、スポーツのように、何かの達成感(勝った!とか)があると “疲れ”は吹き飛ぶもの。それは分かってはいるものの、自分のようにアンチスポーツ派にとっては、これも縁のない話・・!?

我々シルバー世代にとっては、これからは“疲れ”という言葉との戦いの時期なのかも知れない。だから、なるべく「疲れた~」と言わないようにしたいもの。それが例えやせ我慢であったとしても・・・・
“睡眠不良”も含め、「疲れ」という言葉が、妙に気になり出したこの頃である。

(関連記事)
「子供が使ってはいけない敬語」~金田一秀穂氏の愉快な話

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