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2012年4月11日 (水)

「終末期医療―自らの死生観を語ろう」~尊厳死の宣言書

古い記事で恐縮だが、先日(2012/04/02)の朝日新聞の社説に「終末期医療―自らの死生観を語ろう」という記事があった。曰く・・・

終末期医療―自らの死生観を語ろう
 延命治療を受けたくないという自分の希望通りに、人生の最期を迎えるにはどうしたらよいだろうか――。
 人々の関心が高まるなかで、新しい動きが出ている。
 政治の世界では、尊厳死の法制化を考える超党派の国会議員が、法案を公表した。
 終末期の患者が、延命措置を望まない意思を文書などで明らかにしている場合に、医師が措置をしなくても法的な責任を問われないようにする。
 一度つけた人工呼吸器を外して警察の介入を招いた実例があり、医療現場から、こうした免責条件の明文化を求める声があがっていた。
 今回の法案では、延命措置を「始めないこと」に対象を限定しており、呼吸器外しのような「中止」は含んでいない。
 それでも、弁護士会や障害者団体などから、反対や懸念の声が上がっている。
 「終末期」や「延命措置」の定義があいまいで、適切な医療まで否定されないか。健康なときにつくった文書が、本当に直近の意思を表すのか……。
 こうした議論を表に出す「たたき台」として、今回の法案の意義は大きい。
 とはいえ、成立に向けた環境が整ったとはいえないだろう。
 治療をするか、やめるか。選択をする「時点」をとらえ、法律的な枠組みを決めようとすれば、明確さや厳格さが必要になる。「あうんの呼吸」で動いてきた医療現場が、かえって硬直化するという指摘もある。
 大切なのは、本人が満足する選択肢を、家族とともに実現する「過程」の充実である。
 それを支援する具体的な取り組みも出始めている。
 今年1月、日本老年医学会は胃に管で栄養を送る胃ろうや人工呼吸器の使用について「やらない、やめる」選択も考える必要があるとの意見を表明した。
 患者本人の意思を尊重し、認知症などで確認が難しい場合には、以前の言動を家族らからよく聞いて十分に話し合う。その歩みを支援するガイドラインの試案もまとめた。
 適切な決定プロセスを経た選択であれば、法的な責任を問われるべきではない、という考え方が背景にある。確かに、そんな社会の了解があってこそ、医師も安心し、患者も自らが望む医療が受けられるのだろう。
 それは専門家任せにしていては実現しない。考えを文書に残すだけでなく、一人ひとりが自分の死生観について、日頃から家族らと話し合っておくことが必要となろう。」(2012/04/02付「朝日新聞」社説より)

終末期医療や尊厳死については、当サイトでも何度か取り上げてきた。自分としては、ホントウは目を伏せておきたい事だが、我々も還暦を過ぎたら、そろそろ考えておきべきテーマなのかも知れない。
この社説を読んで、ハッと思ったことがある。健康なときにつくった文書が、本当に直近の意思を表すのか……。」という指摘・・・。
誰も、冷静な時には分別のある判断が出来る。しかしパニックに陥った時は、どんな判断を出すか分からない。そのどちらが“自分の意志”か・・・?
認知症などを患った時は、言うまでもなく健康な時の意志が有効だろう。しかし、末期ガンなどを宣告された時は、どうか・・・。幾ら健康な時に、格好良く言っていたことも、いざというときに変わることは充分に有り得る。よってこんな時は、直近の意志が尊重されるべきだろう。
つまり、自らの終末期医療や尊厳死については、常に見直して行く必要があるのだろう。

それに伴う日本尊厳死協会の「尊厳死の宣言書」。我々夫婦がサインして保管したのが、(ここ)の記事を書いた時だったので、2年前の2010年9月だった。つまりこのような宣誓書も、一度書いてお蔵入りさせるのではなく、やはり何かのキッカケで、そのままで良いのか見直すことが必要かも・・?

110411songenshi 何よりも大切なのは、この社説でも言っているように「考えを文書に残すだけでなく、一人ひとりが自分の死生観について、日頃から家族らと話し合っておくことが必要となろう。」だろう。
我が家の場合、このテーマは良く話題になるので良いが、もし尊厳死に興味がある方は、日本尊厳死協会の尊厳死の宣言書にじっくりと目を通してみる事も良いのでは?(尊厳死の宣言書のPDFを(ここ)に置きます。僭越ながら、もしこれに同感できる場合は、このPDFを印刷して署名しておく事も一つの方法かも・・・)

話が変わるが、今日会社で、春の健康診断の問診票が配られた。そして庶務のおばさんに「**さん、今年はちゃんと受けないとダメよ!」なーんて言われてしまった。これは最近ずっと、胃のレントゲンや、胸のレントゲンをサボっている事を知っているから・・・。
さーて、今年はどうしよう・・・・

(関連記事)
「尊厳死」法制化の動き 
田中奈保美:著「枯れるように死にたい―「老衰死」ができないわけ」を読む

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