「政権の現実~足りないのは財源だけか」~素直になれる?
連休が始まって、天気も上々。それで人並みに「どこかに行こう」と思ったのが甘かった。
今日はカミさんのリクエストで、小金井の「江戸東京たてもの園」に車で行ってみたのだが、前の道路が大渋滞。カミさんが「戻ろう」というので、“敵前逃亡”してしまった。だいたい、幾らでも時間の融通が出来るシルバー族が、わざわざ連休に公園に行くことはないのだ。
まあ、江戸東京たてもの園は、昔凝って何度も行った我が家の行き付けの場所。でも当blogでは取り上げた事がないので、ここ6年ほどは行っていないようだ。近い内に、また・・
さて気を取り直して・・・・。先日の朝日新聞に「政権の現実~足りないのは財源だけか」という記事があった。曰く・・
「政権の現実~足りないのは財源だけか
編集委員 原 真人
「年越し派遣村」村長だった湯浅誠氏が内閣府参与を辞め、それを機に書いたブログが社会運動仲間から批判を浴びているらしい。湯浅も官僚に取り込まれたのか、と。
ブログには、外から貧困対策を求めていた時は「何とかなるはず」と思った財政問題が、「何ともならない」と知った2年間だったと率直につづっている。
限られた財源の中で求める政策を実現するには、他の予算を削らざるをえない。下手をすると、弱い者同士でパイを奪い合うことになりかねない、と湯浅氏は知る。13日付の朝日新聞オピニオン面でも思いを語っている。
社会運動家と言うと扇動的なイメージもあるが、湯浅氏は違う。冷静に論理的に相手を説得するタイプだ。派遣村で政府の対策を引き出した戦略家の一面もある。その氏が政府内に入れば、政策づくりは劇的に変わると多くの人は期待した。だが現実はそう単純ではなかった。
財政の「現実」に直面し、期待を裏切った点では民主党政権も同じだ。
民主党は「ムダづかい根絶などで16.8兆円の新政策の財源を生み出す」といって政権交代を実現した。だが、子ども手当や高速道路の無料化など主要公約の大半は失敗に終わった。財源が足りなかったせいもあるし、そもそも政策の方向性が間違っていたものもある。16.8兆円目標も、現実は毎年度3兆円ほどの恒久財源をひねり出すのが精いっぱい。財政は「何ともならなかった」のだ。
それでも民主党政権は長らくマニフェストの旗をおろさず、政策のゆがみや予算の膨張を許した。最近は「見通しが甘かっだ」(安住淳財務相)などの陳謝発言もあるが国会対策の域を出ていない。
財政事情を冷静にみれば、消費増税は避けられないと多くの国民は知っている。歴代政権が先送りしてきたその難題に初めて挑む野田佳彦首相の覚悟は、評価されていい。
にもかかわらず政権や増税法案への支持が広がらない。マニフェスト至上主義から一足飛びに消費増税へと向かった政権の構えに、何か足りないものがなかっただろうか。
湯浅氏はいま批判に向き合い、理解を求める苦難の日々だ。時に明け方まで議論しあうこともあるという。官僚に取り込まれたのかと迫る相手に「政策調整の現場は真っ当だった」「官僚たちも普通の人々だった」と正直な思いを説くことがどれほど大変か。
いまさらと言われるかもしれないが、野田政権にもそんな苦難の行脚が必要ではないか。元支持者たちに「財政の現実を前にマニフェストは何ともならなかった」と率直にわびる。説得は難しいかもしれないが、そんな愚直な作業がまだ足りないのだと思う。」(2012/04/15付「朝日新聞」p6より)
この議論は、我々の琴線に触れる。人間、はたしてどこまで自分に素直になれるか・・・という話か・・・?
長い人生で、個人的にもビジネスでも、思い込んでいた事態が、その中に入ってみて、自分の見解の誤りに気付くことがある。その時に、どのような態度に出るか・・・。果たして素直に自分の誤りを謝罪することが出来るか・・?(これは夫婦げんかでも良くあること・・)
すべてに邪魔をするのが「メンツ」。夫としての面子、親父としての面子、上司としての面子・・・。たぶん人間は、自然体では自分に素直になろうとしているのだろう、と思う。しかし面子が・・・
特にビジネスの世界では、今まで言っていたこととの矛盾で、例え自分の誤りに気付いても、振り上げた拳は下ろさない場面が多い。つまり、だいたいの場合、誤りは認めずにそのまま突き進む。政治の世界も官僚の世界も、裁判の世界も、すべて男の世界はそうだ・・・(たぶん・・・)
4月から始まった中国のテレビドラマ「三国志」(ここ)を録画して見出した。全95話を平日連続して放送している。
自分の三国志の歴史は挫折の歴史。つまり吉川英治の「三国志」を、何度読み始めて挫折したことか・・・。とにかく登場人物が多いため、自分の頭では整理出来ない・・。でもテレビドラマでは、何とか付いて行ける・・・!?
三国志のキーワードは策略(?)。つまり、物語のあちこちに、“全ては人間の原理・道理で動く”ということが出てくる。その意味ではテーマは「人間」かも・・・・。そこが現代でも勉強になる。つまり「**の計」は、我々の日常生活にも応用が利く考え方。
三国志と同じように、世界は「道理」で動く(はず)。しかし現実は、人間、素直になる事が意外に難しい・・・。
でも唯一リタイアした後がチャンスかも・・・。つまり失うものがない、もう歴史の裁判にさらされる事が無い、と思うと素直になれるよね・・。誤りを認められるよね・・。(夫婦げんかは別だけど・・・!?)
せめて老後だけは素直な生き方をしたいものだと思うのだが・・・・。
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コメント
湯浅氏の文章は私も読みました。読んで、この人は実際に仕事と格闘した人だという感じがして、好感を持ちました。それが社会運動仲間から批判を受けると聞いて、あーやっぱり!と、ちょっとがっかりです。
Mさんは「例え自分の誤りに気付いても、誤りは認めずに、振り上げた拳は下ろさず、そのまま突き進む」とおっしゃいましたが、私がうんざりしながら見てきた男たちは、そもそも「誤りがわかってなかった」ように思います。それは流れてきた様に流し、言われてきたように言ってきたから。つまり、自分の頭で考える事をしてこなかった。
見てきた男たちに2種あったなあと、ちょっと現役時代を思い出しました。
【エムズの片割れより】
自分の頭で考えて行動する人は、例え意見が違っても、気持ちが良かった・・。でも何者かに迎合する人が如何に多いか・・・・
投稿: tamakist | 2012年5月 1日 (火) 18:37
私は保守派なので朝日新聞とは肌合いが合わなかったのですが、このような湯浅氏の苦労、野田総理の立ち向かい方をこのように掘り下げた記事は私の考えとも触れ合う気持ちがします。
自民党も余り政局優先で対決すると国民がそっぽ向きましょう。
民主党も誤りを認めて両党が歩み寄らないとなんにも進みません。
なんか偉そうですみません。
エムズさんは三国志を愛読されているようですね。
私も少しかじっています。
とはいえへそ曲がりな私のこと曹操の懐の深さ
に興味を惹かれます。
蜀では関羽、張飛よりは趙雲が贔屓ですし
呂布の存在感も魅力。董卓のスケールの大きい悪も面白い。
書き出すときりがありませんのでこのくらいで
・・・・
【エムズの片割れより】
自分の三国志の知識は、テレビドラマ程度・・・。でも確かに掘り下げることが出来れば、三国志は宝の山ですね。“人間”の勉強用に・・・
投稿: 風鈴崋山 | 2012年5月 1日 (火) 22:57