数学の力・・・ある?
先日の朝日新聞の天声人語にこんな記事が・・・。
「さつま芋の異称に「十三里(じゅうさんり)」がある。「九里四里(くりより)(栗より)うまい十三里」と、江戸時代の焼き芋売りが宣伝したのが始まりらしい。そろばんや九九(くく)のお陰で、日本人は暮らしの中で算術に親しんできた。
だからかどうか当方も、点数はさておき数学が好きだった。誰が解いても答えは一つ、筋道がひらめけば攻めるのみ。そんな「潔さ」にひかれた一人として、学生の数学力の評判を聞くたびに寂しくなる。
数学教員でつくる日本数学会が、48大学の学生約6千人に、小学6年から高校1年までの問題を解いてもらった。多くは新入生で、それほど昔に学んだことではない。しかし、結果は寂しかった。
例えば〈偶数と奇数を足すと奇数になるのはなぜか〉。中2で勉強したはずが、まあまあ論理的に説明できたのは34%だった。「思いつく偶数と奇数を足したらすべて奇数になったから」など、苦しい答えが目立つ。〈二次関数の放物線の特徴を述べよ〉では、「曲がった感じのやつ」という感想のような解答もあった。
数学なんて社会で役立たない、と思うのは気休めである。微積分の出番こそ少ないが、確率や集合のセンスはビジネスにも必要だ。統計を装った情報操作や、数字の手品にだまされないためにも、この科目は味方にしておきたい。
数学嫌いの皆さん。論理的に考える習慣は、人生をより豊かにしてくれるはず。数(すう)が苦(く)より数楽(すうがく)だと、きょう「円周率の日」に再考されてはどうだろう。仲直りに遅すぎることはない。 」(2012/03/14付「朝日新聞」「天声人語」より)
「数学は好き?」をいう質問に、「好き」と答える人はどの位いるのだろう?
「物理キライ」や「化学キライ」よりも、「数学キライ」の方が多いような気がする・・。
自分は工学系だったので、いわゆる数学キライの感覚は知らなかった。それを知ったのが、結婚してから・・・。カミさんが、まさに「二次関数の放物線の特徴を述べよ」⇒「曲がった感じのやつ」感覚なのでビックリ・・・(←ホントウは「それって日本語?」で、“曲がった感じ”まで到底たどり着かないのだが・・)
「料理にだって、“5倍希釈”などで数学は必要だろう?」と思うのだが、全ては“カン”でオワリ・・。それで済んでしまう。確かに日常生活では、生き死にの問題にはならない。たぶん・・・
まあ自分だって、そうエラそうなことは言えない。自分が数学が好きだったのは、正直言って高校まで。それは手が届いたから。大学の数学はホンモノの数学。それは自分にとって、「曲がった感じのやつ」感覚とそう変わらなかったのでは? かくして自分の“数学好き”は、単なる“算数好き”に過ぎなかったことを知った。
しかし先の記事ではないが、自分にとって数学的感覚・センスはビジネスの世界でどれだけ役に立ったことか・・・
つまりビジネスの世界では、論理的思考、プロセス的思考が不可欠。言葉を換えると、先を読む力、かも・・。
高校の時の幾何学の証明問題など、まさにこのプロセス的思考の訓練だ。それが、若い人に欠けているとすると、日常が行き当たりばったり的な動きに?? 怖い・・・
それと、数学は一度後れを取ると挽回がなかなか難しいことも事実。積み重ねは、最初でつまずかないことも肝要。・・・とは言っても、子どもはとっくに成人し、そんなノウハウが生きるチャンスはもう無い・・・。
でも“楽しかった算数”が忘れられず、「まだ解けるかな?」と、都立高校の入試問題の新聞を、未だに棄てずにとっている“元数学好き”シルバー族ではある。(たぶん、もう解けないと思うけど・・・。いや大学入試は無理としても、高校入試くらいは・・・!?)
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コメント
極めて悲しい話題です(笑)。
私、中学の三年までは英語と数学が大好きだったんです。
ところが、大学の一般教養の数学が分からないで、数学者の友人に徹夜で試験だけを通過するよう特訓を受けたことがあります。
非常に偏った人間ですね。過日、彼に何かの数学のことをからかったら、「俺は数学はやっているけど算数のことは知らん!」なんて威張ってました。
彼、ちょっと時間が空いたら数独で遊んでます。
家内は勉強はしていないですが、最近中学か高校かの数学問題に取り組んでいました。
自分がどうしてこうなったのかは不思議です。
たぶん、高校の数学の教師が嫌いだったんでしょう!(笑)
下の円谷幸吉氏の遺書の話は石原慎太郎氏との勘違いでした。
http://bit.ly/ypJUdX
【エムズの片割れより】
前にNHKスペシャルで、数学の「魔性の難問~リーマン予想・天才たちの闘い~」という番組がありましたが、ホンモノの数学は、素人の理解を超えた世界ですね。
投稿: 小父さん | 2012年3月16日 (金) 23:10
私も数学は嫌いでした。しかし最近、NHK教育TVで深夜見た高校講座「数学基礎」はおもしろかった。(30分。講師は秋山仁先生)第20回放送分は、音楽の音階、調、コード、リズムの規則性を説明していました。NHKオンラインのhpトップページで、数学基礎の文字を入れ検索し、同番組のhpを見ると、今なら過去の放送分も見ることが出来ます。興味のある方にお勧めします。
【エムズの片割れより】
そうですか・・・。色々と勉強の機会は、“作れば”あるようで・・・。そのうち、自分ももう一度チャレンジしようかな・・・・
投稿: カウカウ | 2012年3月17日 (土) 16:17
何年か前、テレビで数学の先生がサイコロを使って確率の問題を説明していました。小学校の算数どまりだと思っていた夫がパッと答えを言ったのでびっくりしました。どうしてわかるのかと聞いたら、サイコロ博打をする人なら誰だってすぐわかると言いました。楽しみながら実地で覚えた訳です。何ともはや・・・
【エムズの片割れより】
なるほど・・・。「好きこそものの上手なれ」ですかね・・・
投稿: 白萩 | 2012年3月17日 (土) 17:47