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2012年3月 5日 (月)

「円安と政治リスク」

当然の話だが、新聞記事は少しでも古くなると、直ぐに賞味期限切れになる。でも下記の記事の切り抜きは、何か気になっていつまでも捨てられない・・・。よって、だいぶん古い記事だが、まだ賞味期限ギリギリかも・・と思って処分して(載せて)しまうのだ!??
いつもの日経新聞「大機小機」からの記事だ。

円安と政治リスク
「不退転の決意」。野田佳彦首相は消費増税を含む税と社会保障の一体改革に言及するとき必ずこう決意表明してきた。古今東西、増税は有権者から歓迎される政策ではないが、昨年来、野田首相は消費増税を前面に掲げて「社会保障と税の一体改革」に真摯に取り組んでいる。
 人口減少と少子高齢化か進展する日本において右肩上がりを前提にした社会保障制度に限界がきていることは明らかだ。国民の間にも増税やむなしという理解は定着しつつあるように見えた。本紙世論調査によると、社会保障制度を維持するために消費増税が必要と考える人は59%に上る。その半面、「2014年4月から8%、15年10月から10%」とのスケジュールになると、賛成は40%になる。
 民主党内には小沢一郎元代表や鳩山由紀夫元首相を支持するグループを中心に120       人を超える反対者がいるといわれている。与党が圧倒的な議席数を握る衆議院でさえも法案通過が危ぶまれており、もし衆院を通過できたとしても、現状では参院で立ち往生してしまう恐れが強い。
 野田内閣が一体改革に失敗し退陣に追い込まれるようなことになれば、今後10年や20年間は消費税増税を掲げて改革に取り組む政治家は出てこないだろうし、日本の財政が大幅に悪化するシナリオが現実味を帯びてくるであろう。
 それを感じてか、このところは円安が進み始めている。日本が世界最悪の財政状況にありながら日本国債や円が安全資産として買われてきたのは、将来にわたって「大きな増税余地がある」ことも要因である。それだけに、消費増税に失敗すれば少子高齢化・人口減少による財政悪化が加速されるのは避けられない。
 金利の上昇による国債費の急増でわが国財政が行き詰まるようなことがあれば日本発の金融危機さえ懸念される。円の急落による購買力の低下は、わが国が国際資源争奪戦において中国やインドなどの新興国に買い負けするといった事態をもたらしかねない。
 わが国経済の生命線とも言うべき資源・エネルギーの調達に支障をきたし、原子力発電所の再稼働か進まない中、電力不足や資源不足が起きれば国民経済への打撃は計り知れない。円安、金利上昇は円高やデフレよりも怖い。責任ある政治家諸氏の与野党の立場を超えた一体改革への真剣な取り組みを期待したいものである。(枯山水)」(2012/02/22付「日経新聞」「大機小機」より)

もう2週間も前の記事。でもまだ有効なような・・・・
このところ、(政敵を外した?)“公正な”選挙でロシア大統領にプーチンが当然のごとく復帰し、国内では民・自の秘密党首会談がバレてしまった・・というニュースが流れている。
この密談,、議論は大いに結構。問題は、民自のトップに、秘密裏に約束したことを実行出来る度量があるかどうか・・・

とにかく今の日本は「動く」ことが最重要。足下をすくう“ゴッコ”ばかりしていても、国民から見捨てられるだけ。でも先のロシアと同じように、対抗馬(現状を救うタマ)が不在なのが痛い。日本の場合は、政敵外しのロシアと違って、政治家の能力不足なのでどうしようもないけど・・・。
Netでこんな記事を見つけた。
「・・・・非公開の党首会談は必要、不可欠だ。政権党のトップと野党第一党の総大将がハラを割って話し合えば、大抵のことは片づく。・・・但し条件がある。両者ともに相手のハラに信を置き、約束したことは必ず守るという相互信頼関係が前提だ。歴史を振り返ると、西郷隆盛と勝海舟がヒザを交えて秘密会議を開き、江戸城の無血開城を実現させた。これにより百万の江戸市民の生命財産が戦禍を免れた。・・・」(ここより)

今の2大政党の党首を、西郷隆盛と勝海舟に例える所など、まさに何と度量が大きい筆者だろう・・・・。
今の日本の政治の世界で、大物の出現を夢見ることは、もはや無い物ねだり。よって、地道な活動に期待するしかない。ぜひお二人から、国民を「オッ!」と思わせる動きを見せて欲しいものだが・・・。ネッ!

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コメント

永田町が少し面白くなってきましたね。
土日と政治関連のテレビを拾い観しておりますが、民主・自民の議員と評論家共々、両党首の密談(?)を肯定しているように感じました。

二人が連合すれば小沢グループも分解するのじゃーないかと思います。
このブログの以前の政治関連を読んでおりませんが、私は橋下市長ごときに国の大きな政党が振り回されるのにも腹立たしく思っています。

野田・谷垣両氏に大連立のような実行力さえ働けば日本がギリシャ化せずに終わるでしょうに・・・。

リンク先の「今週の永田町」を読みながら、ふと2007年の渡邉恒雄氏が仕掛けたであろう福田首相と小沢民主党代表の大連立構想がぽしゃったことを思い出してしまいました。

【エムズの片割れより】
ナイーブなイデオロギーに関しては、原則として記事に書かない“主義”なのですが、つい・・・

投稿: 小父さん | 2012年3月 5日 (月) 23:37

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