苦笑するしかない日本の「三権分立」
今朝の日経新聞のコラム「春秋」には苦笑するしかなかった。笑い飛ばすしか・・。曰く・・・
「都内の自宅近くの公立図書館で「三権分立」をキーワードに蔵書を検索してみた。一覧表になって出てきた19点のうち、子ども向けが13もあった。三権分立は日本という国の仕組みの「いろはのい」だから。そう考えれば納得もできる。
試みにそのうちの1冊を開いてみる。権力を握った人が勝手な政治をしないよう権力を立法、行政、司法の三つに分けていること、三権がお互いチェックし合っていること、などの説明がある。大人ならばそんな理屈は先刻ご承知、ならいいのだが、当の政治家がそうでないと承知した。甚だ情けない気分である。
1票の格差が最大2.3倍だった2009年の衆院選は憲法違反状態にあった、と最高裁が断じたのは昨年3月だ。それをほったらかしている。国勢調査の結果が出たら1年以内に、格差を正すため審議会が衆院選の選挙区を見直して首相に勧告する、と決めた法律もある。その期限も結局きのう切れてしまった。
憲法が定める「法の下の平等」も三権分立と同じように日本という国の「いろはのい」だろう。国会は最高裁の判決を無視する。法律は守られない。かくして「平等」はどこかに吹き飛んでしまう。この国の「いろはのい」など政治が好き勝手に変えてよろしい、なんて子ども向けに書くわけにはいかない。」(2012/02/26付「日経新聞」「春秋」より)
“最近の日本の政治は、一体どうなっているのか・・”という話題は多い。マスコミだけでなく、飲み会でも良く出る話題。先日の先輩たちとの飲み会でも、最初に出た話題がそれ・・・
先日盛り上がった防衛大臣への国会でのトンチ(クイズ)教室もその一つ。クイズを出される方も方だが、国会を揚げ足取りの場と心得て、出す方も出す方・・・
まだ55年体制の時の方が政治に緊張感があった!?
最近、TBSのドラマ「運命の人」に凝っている。1971年のいわゆる「西山事件(別名、沖縄密約事件、外務省機密漏洩事件)」にほぼ添ったストーリー展開だという。モデルの登場人物を見ても、大物が多かった。佐藤栄作はもとより、田中角栄、中曽根、後藤田・・・
佐藤首相の退陣表明記者会見(1972年6月)は、たまたま自分も中継のテレビを見ていて、その光景は未だに覚えている。冗談だろうと思っていたら、本当に記者団が一斉に席を蹴り、佐藤首相が無人の会見会場でテレビに向かって演説していた。
そういえば、その佐藤元首相がノーベル平和賞を受賞された時は、国民がビックリしたもの。ふと、このときの経緯をWikiで調べてみた。すると、こんな記述があった。
「平和賞受賞は、上記の通り非核三原則の制定などが評価されてのものであった。この受賞には国連大使だった加瀬俊一のロビー活動が寄与したといわれており、佐藤も日記の中で加瀬への謝意を表している。しかし、平和賞を選考するノルウェーのノーベル平和賞委員会は、2001年に刊行した記念誌『ノーベル賞 平和への100年』の中で、「佐藤氏はベトナム戦争で、米政策を全面的に支持し、日本は米軍の補給基地として重要な役割を果たした。後に公開された米公文書によると、佐藤氏は日本の非核政策をナンセンスだと言っていた」と記し、受賞理由と実際の政治姿勢とのギャップを指摘した。この記念誌はノルウェーの歴史家3名による共同執筆で、同年8月の出版記念会見の際にその一人のオイビン・ステネルセンは「佐藤氏を選んだことはノーベル賞委員会が犯した最大の誤り」と見解を述べて当時の選考を強く批判し、「佐藤氏は原則的に核武装に反対でなかった」と語ったという。」(Wiki「佐藤栄作」項より)
同じノーベル平和賞でも、その5年後に受賞したマザー・テレサとは雲泥の差・・。おっと、オバマ大統領も受けているんだった。実績は・・・
だいぶん話がそれた。しかし法律を作る組織である国会が、法律を守らない、という事が許されて良いものか・・・。さっきの平和賞ではないが、もう誰も信じられなくなる・・・。
日本の現状は、有言不実行の国会、年金問題など問題だらけの行政、一方司法の世界は、今朝の朝日新聞の社説で「日弁連会長選―利益団体でいいのか」と指摘されている通り、ぱっとしない。裁判所だけはマシ・・?
ただただ前進を望む。今の日本には、笑っている余裕は無いのである。
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