「老いて働き、お役に立って幸福に」~樋口恵子さんの話
先日、NHKラジオ深夜便で「老いて働き、お役に立って幸福(シアワセ)に~東京家政大学名誉教授 樋口恵子」(2012/01/10放送)を聞いた。
<「老いて働き、お役に立って幸福に」~東京家政大学名誉教授 樋口恵子>
このテーマは、当サイトのコンセプトとマッチしているせいか、繰り返して聞いてしまった。樋口さんの話の中で、気になった部分をメモしてみると・・・・
「女の子が、食事作りくらい出来なければお嫁に行けない・・と言われてきたのは差別。しかしこれはむしろ、それをされずに育った男の子に対する差別。年を取ってくると妻だって病むことはあるし、そのときに自分自身の身の回りのことも出来ない老いたる夫たちが、どんなにパニックになるか・・・」
この話は良く分かる。
実は昨晩、我が家の年末の“サプライズ”について、叔父と叔母に電話した。叔父は82才で老人ホームにいる。6~7年前に奥さんに先立たれ、“お一人さま”も1年ほどでギブアップ。結局難病を患って、ホームに入っている。一方、叔母は8年ほど前に叔父に先立たれたが、元気にお一人さまで過ごしている。
電話の後、カミさんが言う。「女は強いでしょう!・・・」。この話は、叔父がダメというわけでは決してない。あの叔父ですら・・・という話。頭脳はまだまだ明晰・・・。叔母が強いのは、論ずるまでもない。
「お一人さまが暮らしていくには、経済が寿命に関係する。日本福祉大学の近藤克則さんがデータ分析したところによると、きれいに所得が高い人ほど寿命が長い。特に男はキレイに所得通りに居なくなる。しかし女性は男性ほど格差がない。所得が低くても、女性は自分の食事や健康を気遣って、何とかやる力を持っている。男の人は、奥さまにやって貰うのでしょうが、それが出来る所得の人と、人にやって貰えない所得の人で格差が出来てしまう。・・・」
この話も、まあそうだろうな・・・と思う。近所にそんな例がたくさんあるので・・・ この話に出てくる日本福祉大学の近藤克則さんについて興味を持ったので、Netで検索してみると、色々な情報がヒットする。(写真はクリックで拡大)
(ここ)で、この話に通じるデータを見付けた。このグラフは、介護度とうつ 病についての、所得との相関だが、“幸せな生活が送れているか?”と読み替えられるだろう。
こんなデータを見ても、生を司る(生物としての)女性(?)は強い・・・。
「働くことぐらい、孤立を防ぐ方法はない。孤立を防ぎ、その人の健康を保たせ、社会関係を作り、何らかの体と頭を動かして、何か人の役に立つ。その事によって人に存在を認められる。第三者や、より広い社会の人に認められる。それが働くことの意味・・・・」
結局、男の逃げ道は、働くことしかないようだ。特に男がお一人さまになった時は、働かないと孤立化して早死にする??・・・・
先の近藤克則さんの資料(ここ)の中で、韓国の「敬老堂」なる仕組みを知った。
韓国では、老人の閉じこもりが日本の半分。それは「高齢者100人に1箇所という高い密度で整備された高齢者の「サロン」施設」の成果だという。それは安いランチ付きで、健康や趣味、求職に応じる施設だという。日本にはそんなサロンは無い。
前に中国に行った時に、朝から道端や公園などのあらゆる場所が、“初老の人のサロン”化していたことを思い出した。特に、北京の天壇公園では写真も撮った(ここ)。
それに引き替え、日本の高齢者は、特に男性の引き籠もりが多いようだ。(もちろん自分もその予備軍だが・・・)
こんな話を客観的に聞いていられるのも、時間の問題・・・!? 早晩、自身の問題となって降り掛かってくるのは確実。さて、“その時”までに対策が打てるか? 自信はからきし無い・・・・
相変わらず先延ばし・・・。“臭い物に蓋”の家訓(!?)に逃げ込むエムズくんなのである。
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