日本の食糧自給率
まずこの文を読んで、どう捉えるか・・?
先日、日本の食糧自給率についての、こんな記事に出会った。曰く・・・
「ぼくの不安
作家:小檜山 博
ぼくは、39%という日本の食べ物の自給率を見るたびに不安に襲われる。われわれは自分で食べる物の61%も外国から輸入しているのだ。キンピラゴボウからダイコンオロシまで輸入している。
アメリカの自給率128%、イギリス、デンマークが100%、フランス122%。日本の将来が不安でないわけがない。
人間は食べなければ死ぬ。ということは食べ物は命なわけだから農業は命を作っているということになる。命は売買すべきでないから本来、食べ物は大昔の人々が自分で森や川や海へ行って取得したように、全員が自分で作るべきものだろう。
それがいまは自分で作らず、おカネで買う。当然のこと農民が減りつづけ、五十年ほど前、千五百万人いた日本の農民が、いまは一億三千万の国民のうち農民はたった三百万人に激減した。3%の農民で97%の国民を養えるわけがない。
ちなみにアメリカの人口は日本の二倍強なのに農地は90倍、オーストラリアの人口は二千万人で日本の六分の一なのに農地は日本の百倍だ。
また世界のどの国も国の財政支援なしにでは農業は成り立たない。支援額はアメリカ65%、イギリス42%、ドイツ62%、フランス44%なのに、日本はたったの27%しか国は農業に財政支援をしていないのだ。日本と農業の経営規模がケタ違いの外国でさえこれだけの支援をしているのに、規模の小さい日本の農業にたいする支援が足りなすぎる。
日本は農民の収入を大幅に増えるようにして農民と農地を増やし、生産力をフル活用して良いものを少しでも安く売ること。日本人は着る物や贅沢品にはおカネを使うのに食べ物にはケチり、眼の色を変えて一円でも安い食べ物をあさる。
人にはそれぞれ生活事情はあるにしても、心がまえとして日本産の食べ物は良質だから少々高くても食べようという気持ちをもち、そのことをアジアや世界にわからせる努力をしたい。それが国が栄える原点だろう。とにかく食は命だ。」(雑誌「大法輪」2012年1月号p46より)
先日のTPPの議論で、反対運動の急先鋒だった農業団体。反対集会を、自己権益確保のように言われていたが、確かに上記のような視点もある・・・。なるほど・・・
「人間は食べなければ死ぬ。ということは食べ物は命なわけだから農業は命を作っているということになる。命は売買すべきでないから本来、食べ物は大昔の人々が自分で森や川や海へ行って取得したように、全員が自分で作るべきものだろう。」という発想をどう捉えるか・・・? なかなか面白い。
ビジネスライクに「それが食料だろうが何だろうが、自国の生産で競争力のないものは輸入すればよい」という単純な発想と、命をつなぐ食糧は、それに馴染まない・・という発想の違い・・・
この“命を育む食糧”も、他の輸入資源と同じように扱って良いのか?という議論だが、数年前の中国餃子事件を思い出す。その時は、衣料品などと違い、食料品は日本人の命そのもの危機につながる、という話だった。しかし自給率向上の話には発展しなかった。
それに、「また世界のどの国も国の財政支援なしにでは農業は成り立たない。支援額はアメリカ65%、イギリス42%、ドイツ62%、フランス44%なのに、日本はたったの27%」という議論も、何が27%なのか、自分なりに勉強しなくては良く分からない。
ともあれ、世の中の“真実”を見極めることは、なかなか難しい。一つひとつの事実を積み上げて、自分なりに取材・勉強して、それらの論を自分なりに捉え、理解するほかないようだ。
(大きな声では言えないが、実は、自分は「勉強」という言葉が大キライ・・・。そもそも、それこそが大問題なのではあるが・・・)
●メモ:カウント~245万
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コメント
我が国の食糧自給率は約4割。
韓国よりも低いのですよね。
外国が食料を売ってくれなければ国民の6割が死滅する計算なのです。
これで先進国を名乗ってるのだからいい気なものです。
フランスやアメリカのように100を超えろとは言いませんが、せめて10割にならないことには話になりません。
なのに減反、おまけにTPP、さらに加えて放射能汚染。
自給率はさらに下がるわけです。
これで良いと考えるのは私には信じられない話です。
【エムズの片割れより】
食糧を別格に扱うのか・・、という議論もありますね。
投稿: 通行人 | 2011年12月26日 (月) 09:55
それに遺伝子組み換え植物の勢力拡大の怖いこと。カナダの小麦は既に全滅でインドでも少なくない農民が自殺をしたとのこと。日本はどうなるのでしょう。
食料輸入を続ける限り嘘がまかりとおっています。子孫にその結果が出るということは、放射能と同じくらい不安なことです。
【エムズの片割れより】
ウ~ン・・・
投稿: み~子 | 2011年12月26日 (月) 21:48