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2011年12月30日 (金)

「幸福度」自治体競う

先日の日経新聞に「「幸福度」自治体競う~ブータン国王来日で脚光」という記事があった。今年もとうとう、明日の大晦日を残すのみ。“幸福”の話で今年を締めくくるのも良いかもね・・・。
曰く・・・・
「幸福度」自治体競う~ブータン国王来日で脚光~夢・誇り、笑いの数値化
 東日本大震災で、生き方や社会のあり方が問われた2011年が間もなく暮れる。経済的指標より国民の幸福感を重視するブータンが注目を集めるなど世界的に幸福度がブームになる中、全国の自治体でも住民の幸福度を探り、政策立案に生かそうとする動きが広がった。・・・
熊本県の蒲島郁夫知事は、・・・幸福度の最大化を掲げ、・・・・まず幸福を感じる要因を「夢を持っている」「誇りがある」「経済的な安定」「将来に不安がない」の4項目12項目に分類。・・・・」(2011/12/26付「日経新聞」p31より)

自分が「幸福度」を知ったのは、NHKハイビジョン特集「五木寛之21世紀・仏教への旅」 第3回「幸福の王国をめざして~ブータン」(ここ)を見てから。それ以来、何度か当blogでも取り上げた。毎度書いていることだが、この幸福度、指標が非常に難しい。この日経の記事でも、各自治体が指標作りの“研究”をしている。まさに幸福度は“研究次元”のテーマなのだろう。

この記事で、先に法政大学が発表した幸福度ランキング(ここ)を各都道府県別に特徴を図示していた。どの県は、何が特徴かが分かる。

<都道府県の幸福度>
北海道(43)趣味・娯楽の時間が長い①
青森(40)継続して働く期間が長い③
岩手(22)交通事故が少ない②
宮城(36)未婚率が低い①
秋田(37)刑法犯罪が少ない①
山形(19)継続して働く期間が長い①
福島(27)公害苦情件数が少ない①

茨城(30)悩みのある人が少ない②
栃木(26)労働災害が少ない②
群馬(25)生活保護が少ない⑥
埼玉(44)医療費が少ない①
千葉(33)転入者の比率が高い②
東京(38)下水道普及率が高い①
神奈川(33)地方債残高が少ない①

山梨(14)悩みを相談しやすい③
長野(7)男の平均寿命が長い①
岐阜(13)完全失業率が低い③
静岡(19)仕事を持つ人が多い②
愛知(21)仕事を持つ人が多い①
三重(9)貯蓄が多い①

新潟(10)正社員比率が高い②
富山(2)出火件数が少ない①
石川(3)家が広い③
福井(1)保育所に入りやすい①

滋賀(11)男の平均寿命が長い②
京都(429出火件数が少ない②
大阪(47)くつろぎの時間が長い①
兵庫(45)労働時間が短い①
奈良(31)自殺者が少ない①
和歌山(32)老衰で亡くなる人が多い③

鳥取(4)交通事故が少ない③
島根(8)老衰で亡くなる人が多い①
岡山(24)女の平均寿命が長い④
広島(18)負債が少ない①
山口(16)障害者を雇う企業が多い①

徳島(16)医師数が多い①
香川(12)自殺者が少ない③
愛媛(27)悩みを相談しやすい①
高知(46)病床数が多い①

福岡(39)赤字の企業が少ない②
佐賀(5)障害者の給与が高い②
長崎(22)今の職場に居たい人が多い①
熊本(5)女の平均寿命が長い③
大分(14)障害者を雇う企業が多い④
宮崎(27)出生率が高い②
鹿児島(35)悩みを相談しやすい①
沖縄(41)悩みのある人が少ない①

Image08521 これを“自分の幸福観”で眺めてみると、自分の住んでいる38位の東京は「下水道普及率が高い」・・か。自分の幸福度の尺度ではピンと来ないな・・。各県を眺めてみると、36位の宮城県の「未婚率が低い」、これは良い。30位の茨城県の「悩みのある人が少ない」も良い。9位の三重県の「貯蓄が多い」も先立つものがないと困るので良い。39位福岡県の「赤字の企業が少ない」も同じ視点で良い。27位の「出生率が高い」というのも幸福な証拠?? まあ幸福観は人それぞれだ。(写真はクリックで拡大)

話は変わるが、犬を連れてカミさんと散歩するとき、加山雄三の歌ではないが、よく「しあわせだよ」と口にする(ことにしている)。これは“言った者勝ち”。つまり「しあわせ」なんて、測るのがどだい無理(ここ)。つまり、自分で幸せだと思ったら幸せ。先のブータンでも、日本から見ると、気象は厳しいし、生活も厳しい。でもブータンの価値観で言うと、先進国の物質的な裕福など価値を置いていないようだ。だから「言った者勝ち」「思った者勝ち」なのさ。ホホホ・・・・

でもこの「幸福度指標」の議論は、この日経の記事の<解説>の記事が正解のような気がする。曰く・・・
「<解説>自治体の幸福度ブームには首長が目に見える実績を作りづらい時代背景がある。公共事業削減で大規模な施設は造れず、円高で企業誘致にも逆風が吹く。財政難で政策を絞り込んでも住民の納得を得るには、何に幸福を感じるのか見えるようにし、優先順位を間違えないことが必要になる。
 幸福度の指標作りは政策に優先順位を付ける作業そのもの。重要なのはその過程に住民が参加し、地域にとって何か幸福なのか住民自らが判断することだ。そこで住民に参加意識が芽生えることも期待できる。
 そうして作り上げられた幸福度指標は地域の住民が求める基本的な政策体系となり、選挙の際には住民の判断基準にもなり得る。幸福度の指標作りは住民自治を充実させる一つの手段になる可能性を秘めている。」

この指標の議論からは離れるが、ふと一歩下がって「幸福とは何ぞや」を考えてみると、(何度か書いているが)「足を知る」こと(ここ)かも・・・ね。

(関連記事)
法政大学の「47都道府県幸福度ランキング」

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