« 有料老人ホームを探した話 | トップページ | 「チョウ(アサギマダラ)はるばる1200キロ」 »

2011年11月 2日 (水)

日本のTPPのゆくえ

だいぶん前の記事だが、日経新聞の「春秋」に、こんな記事があった。

「関東軍の参謀だった石原莞爾が、のちの東京裁判で証人として言い放った言葉がある。日本の戦争責任は日清・日露までさかのぼる――と迫る検事に、石原は「それならペリーを呼べ」。幕末の開国こそすべての始まりだというわけだ。
平和にやっていた島国に黒船で押しかけ、侵略主義に走らせたのは米国じゃないか。昭和陸軍の鬼才らしい反撃だが、外からの圧力を陰謀のごとく受け止め、被害者意識にとらわれるのは幕末以来の日本人の習い性かもしれない。環太平洋経済連携協定(TPP)への警戒論にも、そんな心情が見え隠れしている。
「TPPに入ったら日本の農業は壊滅し、地域社会も崩壊する」と農協などは激高するばかり。尊皇攘夷ならぬ尊農攘夷の様相だ。過保護にするだけが尊農でもないだろうが、ここにきて「医療も危ない」「外国人労働者が殺到する」と方々からの加勢が目立つ。姿は知れないのに、日増しに大きくなる影である。
幕末の開国も、すったもんだの末に通商が始まった。しかし関税自主権を奪われ、小村寿太郎が条約改正にこぎ着けたのは明治の末。やっと本当の攘夷を果たしたと小村は語ったという。かくも苦心の関税自主権を手放すのか、と息巻くTPP反対論者もいる。ペリーのもたらした呪縛の何という強さか。」(日経新聞2011/10/26付「春秋」より)

WIKIによるとTPPについてこうある。
「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP、Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)は、加盟国の間で工業品、農業品を含む全品目の関税を撤廃し、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどにおけるすべての非関税障壁を撤廃し自由化する協定」

ついでにもう一つ。日経新聞の世論調査の記事。
「日本経済新聞社とテレビ東京が28~30日に共同で実施した世論調査で、野田佳彦内閣の支持率は58%で、9月末から10月初旬にかけての前回調査と同じだった。野田首相が交渉参加に意欲を示す環太平洋経済連携協定(TPP)に「参加すべきだ」が45%で「参加すべきでない」の32%を13ポイント上回った。東日本大震災の復興財源に充てる増税に「賛成」は58%と「反対」の31%を引き離した。・・・」(日経新聞2011/10/31付より)

このところ、TPPの推移に興味を持ち、見守っている。我々リタイア間近族ともなると、自己(自社)の利益にはこだわらなくて、推移を見守ることが出来る。
ニュースでは、もちろん推進派よりも反対派の活動が多く紹介されている。そこには、“その業界にとって・・・”という視点での主張が目に付く。もちろんそれぞれの主張は、“国民にとって・・・”という服を着ているが・・・
でも、つい裏を想像してしまう。関税が撤廃されると、自分たちは得なのか損なのか・・・。その判断で動いているのではないかと・・・・。真に国民生活の目線で主張されているのかと・・・・
これらは各省庁の姿勢にも現れている。またWIKIを読んでみると・・・
「TPP加入による経済効果として、内閣府は10年間でGDP2.4 - 3.2兆円の増加、農水省は11.6兆円の損失と雇用340万人減、経産省はTPPに不参加の場合は参加した場合に比べてGDP10.5兆円減と雇用81.2万人減との試算を発表している。」
なぜ同じ日本の省庁なのに、これほど評価が違うのか・・・

各団体の見解もまちまち・・・。
「日本経団連会長米倉弘昌は記者会見で「TPPに参加しないと日本は世界の孤児になる」と語った。一方でJA全中会長茂木守は全国集会でTPP交渉への参加に反対する立場で挨拶を行っている。日本医師会は定例会見で「TPPへの参加によって、日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には国民皆保険の崩壊につながりかねない」と指摘している。」(WIKIより)

自分も勉強不足で、まだまだ何とも言えない。先ずは池上先生の講義を聞いてから、考えてみることにしようか・・・。
ちなみに池上先生の講義(=池上彰の「やさしい経済学」)(ここ)は、「第7回 貿易が富を増やす~日本はTPPに入るべきか~」(2011/12/11BSジャパン21:00~22:55)で放送される予定。

(関連記事)
BSジャパンで池上彰の「やさしい経済学」が始まるぞ・・

|

« 有料老人ホームを探した話 | トップページ | 「チョウ(アサギマダラ)はるばる1200キロ」 »

コメント

はじめまして。楽しく読ませて頂いています。

メーカーメンテ済みのL−02Tを買いました。5素子のアンテナで、中古で買った調整済みのヤマハのチューナーではメーターを振り切ったので大丈夫だと思って購入に踏み切ったのですが、02Tのメーターでは60をちょっと上回る程度です。

ノイズは感じませんが、でも何となく気持ちが悪いです。

音は、じわじわと良さを感じる、そして手放せない、という感じです。

一番強い中継局が垂直偏波(100W)で、それに適したやり方で屋根の上にちゃんとアンテナを立ててもらおうか、でも金がかかるし、それに強風も気になる、また、それで効果があるとは限らないし、なんていろいろ考えています。

今は、屋根の横に金具を付けてもらって、そこに自分で高さ1.5メートルぐらいで垂直にアンテナを立てています。支柱には固い木材を使っています。

そんなこんなしていたら、購入直後なのに周波数の指針ランプが切れました。

購入したショップに送ることになりました。メーカーでは部品がない、代替品だとノイズが出る可能性がある、とのことでしたが、ショップでは、独自のメンテで直せる可能性がある、ということでした。有名中古ショップなのですが、どうなることやら、です。

かなり古いものですから、いろいろありますね。

なお、私も右耳難聴です。そして仏教を学んでいます。

【エムズの片割れより】
色々と共通点があるようで嬉しいです。L-02Tについてですが、メーター切れは寿命で仕方がないですね。メーカーでは部品がないため修理不可。よってLEDなどで代用させることになるのでは?
レベルメーターは多くあるチューナーの中でたぶん唯一、正確な電界強度を示してくれるのでは?普通のチューナーは使用者の安心のために、あるレベル以上は振り切らせているようです。それにしても60dBとはうらやましい・・・。当方は50dBです。でももし自分だったら、金を掛けても専用アンテナを建てて、少しでも強い電波を受けます。理由は、ノイズレベルが電界強度の強さに反比例して少なくなるため。試しに、スイッチをモノにして聞いてみて下さい。ノイズが激減します。ステレオでもそんなS/Nが欲しいので、自分は70でも80でも、強い電波が欲しい・・・
でも一般的には60dBあれば充分ですがね・・。

投稿: たかはし | 2011年11月 3日 (木) 10:06

アメリカのための条約に賛成はしかねます。不平等条約大好きのアメリカにこれ以上食い物にされるのはまっぴらです。
環太平洋などと言ってはいても、実態は環太平洋にはほど遠いではありませんか。経済的に追いつめられたアメリカが考えそうなことではありますがね。
食糧自給率を100%にすることから始めなくては我が国は駄目になると思っています。この条約に参加すればさらに自給率は下がるはずです。この部分を抜きにして参画することは自殺行為に等しいのではないでしょうか。

【エムズの片割れより】
まあ意見は色々ですね。双方の意見を充分に聞いてみようと思っています。

投稿: 通行人 | 2011年11月 3日 (木) 20:53

一般的には60で十分と言われてちょっと嬉しくなりました。

屋根の上に高さを確保して本格的にアンテナを立ててもらおうかという気になりました。

ところで、今日は、きまクラ、の再放送がありますね。私の最近のお気に入りです。

それから、N響の定期公演の生中継も好きです。

【エムズの片割れより】
電波の質も良いようですね・・・。
L-02Tはマルチパスにからきし弱いので・・・

投稿: たかはし | 2011年11月 4日 (金) 07:07

トタン屋根なのでマルチパスが気になります、20〜30の間を針が振れていました。
説明書には屋根から2メートル以上離すようにとありました。
針が0で振れないのが最高音質であるとケンウッドの担当者に言われました。
現実にそんなことありえるのだろうかと思えます。
垂直偏波なのでアンテナを垂直にしているので、屋根の上に3メートル以上のマストを立てる必要がありそうです。
それはちょっと強風が不安です。
それに、実は仮住まいの親戚の家なので躊躇します。
私は津波被災者で、家は修理すれば住めます。
でも、その場所は電波が非常に弱いです。
うまくいかないですね。

【エムズの片割れより】
マルチパスは、山やビルからの反射波による影響なので、アンテナの立て方にはほとんど影響しません。むしろ家の位置。
アンテナはちゃんと建ていると、意外と風に強いです。当家の10素子の大アンテナは、先の台風で、40m以上の風に耐えました。

投稿: たかはし | 2011年11月 5日 (土) 07:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 有料老人ホームを探した話 | トップページ | 「チョウ(アサギマダラ)はるばる1200キロ」 »