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2011年11月 4日 (金)

「チョウ(アサギマダラ)はるばる1200キロ」

先日の新聞に「チョウはるばる1200キロ」という記事があり、興味を引いた。曰く・・・(写真はクリックで拡大)

チョウはるばる1200キロ 函館で放し2ヵ月、下関で捕獲
 北海道函館市近郊から今年8月に放されたチョウ「アサギマダラ」が、このほど本州最西端の山口県下関市の市立公園・リフレッシュパーク豊浦で捕獲された。2ヵ月間の飛行距離は実に約1200キロ。チョウは下関から再び放された。
111104asagimadara1  同公園によると、アサギマダラは8月19日、飛行ルート解明などを目的に函館市の愛好グループ「道南虫の会」が近隣の山から放し、10月24日に、公園のバタフライガーデンに飛来した。捕獲されたアサギマダラは雌で、羽に「ハコダテ」「8/19」などとマーキングされていた。
 同公園の藤本宣也さん(64)によると、アサギマダラは日本本土や台湾などに生息する。春先に北上し産卵、夏から秋に南下し、千キロ以上飛行する。
 通常、マーキングしたアサギマダラが別の場所で確認されるのは千匹に1匹程度で、北海道で放たれたアサギマダラが本州で確認されるのは、2008年に愛知県で見つかった例があるくらいだという。
 藤本さんは「アサギマダラの生態には謎も多い。今回の発見は、渡り鳥のような長距離の飛行ルートの解明につながるはずだ」と期待を込めた。」(2011/10/30「日経新聞」p35より)

いやはやビックリ。ちょうちょは、散歩の時に時折見かけるものの、その辺をチョロチョロとひ弱そうに飛んでいるもの。そんな頼りなげな蝶が、何と千キロを超えて飛ぶのだという・・・・。

ふと、昔の会社の同期に、蝶の収集を趣味にしている男がいたのを思い出した。さっそく住んでいる仙台にメールを打ってみた。こんな“ビックリの話”があるが、蝶マニアの感想は??するとこんな解説のメールが戻ってきた。
「サギマダラは渡りをする代表的な蝶です。沖縄、九州で生まれた蝶は真夏に北上をし、東北から北海道まで飛んで行き、夏の終わりにまた南に戻っていきます。夏にキジョラン111104asagimadara2 に産卵された卵は、高尾山では幼虫で越冬し、翌年の初夏に生まれます。大菩薩峠では8月に沢山とんでおり、ヒヨドリ花で求密します。空色とエンジ色のようなアサギ色の10cmほどの大きな蝶でゆったりと飛びます。
研究というより、遊び感覚でしょうか、羽に採集した場所をマジックでマーキングして、南のどこで再度、捕獲できたかを楽しむ人が多いようです。蝶の世界では有名な渡りの蝶で、北米ではオオカバマダラが有名です。メキシコ国境で生まれ、トウワタの葉を幼虫が食べ、世代を繰り返しながらカナダまで北上し、また越冬の為、南下し決まった谷の林で数百万匹がつながって葉にぶら下がります。南下途中ではアメリカ人が風物詩のように見て楽しんでいます。
後はアカタテハが洋上の船に飛んできて休んで、また飛び去るのも有名です。
我が家では高尾山からキジョランを採って植えており、夏に蔵王で採集した♀に産卵させ、秋までに親にして放ちました。沢山いる蝶ですが、蝶の中でも格段に美しい蝶です。」

この友人の蝶の趣味は同期の間でも有名だった。しかしムシ大嫌い人間の自分は、部屋中が毛虫だらけ・・・という話を聞いただけで、身の毛がよだった。
しかし、別の観点で見てみると、蝶はとんでもない能力の持ち主らしい。

Netで「アサギマダラ」を検索してみると、長距離飛行について詳しく書いた記事もある。(ここ)によると、
「2006年8月、・・・山形・蔵王スキー場でアサギマダラ約1700匹にマーキングして放したの111104asagimadara0 ですが、・・11月20日に・・与那国島・久部良岳の山頂で見つかりました(06年11月 27日 読売新聞)。直線距離にして2246キロ・メートル。これが目下のところ南下の最長記録です。」とある。
このサイトには「信州松本でマーキングされた個体が、海を渡り1300キロ近く離れた沖縄で確認された。高知県大月町から沖縄県南大東島まで約783キロを3日で渡った。一日平均260キロも飛んだ・・・」という記載もある。

111104asagimadara3 ふと、この「アサギマダラ」の“体重”はどの位だろう?と検索してみると「0.4g」だったという記事があった(ここ)。何と、一円玉の半分の重さ・・・

話は変わるが、健康志向の我々シルバー族の間では、周知のごとく“歩く”ことがもてはやされている。日に1万歩は最低目標だという。距離にして7~8キロ。もちろん自分にとっては遙か彼方の目標。ホントウに1万歩も歩くと、体はよれよれ・・・
体重60kgで1日に10キロ弱でよれよれの自分。それに引き替え、たった0.4gで1日に260キロも飛ぶ蝶々・・・・。
こんど散歩で蝶々に出くわしたら、尊敬の念を持って“蝶々さま”に最敬礼することにした。(直ぐに忘れると思うけど・・・)

(2013/05/02追)
NHK BSで、プレミアムアーカイブス「神秘の蝶 驚異の大冒険~北米大陸5000キロを渡る~」を見た。オオカバマダラという蝶は、カナダから米5大湖を越え、メキシコまで5000キロの渡りをするという。その距離は、体長10cm、重さ0.5gのオオカバマダラを人間に例えると、歩いて地球を11周するのに匹敵するとか・・・

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コメント

日本にもこんな蝶があったんですね。虫オンチの私は知りませんでした。 
 北アメリカのオレンジ色のオオカバマダラについたは、以前、本やテレビの番組とかで見て知ってはいましたけど、その時は素直に、あんな小さな蝶が? と驚いたことを覚えています。 
 
 一度本物の蝶を見てみたいですね。
虫嫌いのエムズさんなのに、こんなことにも関心もって記事にしていただけるので、読むのが楽しみです。

【エムズの片割れより】
さっき、NHKスペシャルで「秘境ブータン 幻のチョウを追う」という番組を見ました。蝶の世界も、専門家にとってみると、広大な世界なのですね。

投稿: み~子 | 2011年11月 5日 (土) 22:56

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