STAXのコンデンサー型イヤホン(SR-003)を使ってみて・・
STAX(スタックス)(ここ)は日本のコンデンサー型ヘッドホンのメーカーである。この会社は、コンデンサー型ヘッドホンのことを「イヤースピーカー」と呼ぶ。
自分のこのメーカーとの付き合いは古い。最初に買ったのが「SR-3」(これ)とそれ用のアダプタの「SRD-5」(これ)というモデル。
STAXの製品の歴史のHP(ここ)を見ると、これは1968年発売である。まだ自分が学生だったとき、なけなしの金をはたいて、たぶん秋葉原のテレビ音響という店で買った・・・と思う。下宿では、ステレオで大きな音を出すことが出来ず、聞く時はもっぱらヘッドホンだった。
なぜこれを選んだか・・・。自分は高域の音が好き。バイオリンの湿った音は、高域の音が どう出るかで決まる。よってキレイな高音の再生が得意なコンデンサー型を選んだわけ・・。それに人の声が生々しいと評判だった。
1970年にサラリーマンになって、次に買ったのが「SR-X」(これ)とそのアダプタ「SRD-7」(これ)。
写真を見ても、なんとも懐かしい。自分もサラリーマンの現役をリタイアし、特に昨年からNHK FMの虜(とりこ)になってから、イヤホンにも気を遣うようになってきた。(自分は、右耳が壊れているせいでスピーカーでは聴かないのだ)
それまでは、シュアのイヤホンや、ウォークマンのイヤホンをMP3携帯プレヤーで使っていたが、SONYのHDD PCM録音機のNAC-HD1を使うようになって、もっとグレードの高いイヤホンが欲しくなった。でもヘッドホンを頭からかぶるのは、重くてイヤ。それで選択肢はイヤホン型となる。しばらくBOSEのイヤホンを使っていた。これは耳の入り口にちょこんと置くタイプなので、疲れずに好きだった。
贅沢にも、“それ以上”を考えた時、また鎌首を持ち上げたのが、STAX製のコンデンサー型に戻りたい・・・という気持ち。
昔、一度だけSR-Xのイヤパッドを買いに、STAXを訪ねたことがあった。たしか池袋の近くの雑司ヶ谷に会社はあった。建物は古い貴族の屋敷・・といった風情だった。でも今は埼玉県入間郡だという。 久しぶりにSTAXの製品を調べてみたら、何とイヤホンタイプがあるではないか。しかもアダプタ付のセットで売っていた。「SR-005S」(これ)という。これは「イン・ザ・イヤータイプのコンデンサー型イヤースピーカーSR-003」と「ドライバーユニットSRM-252S」の組み合わせ製品。
ここで問題となるのが、頭からヘッドホンをかぶることがキライなので、バンド無しで使えるかどうか・・・。参考になったのが価格コムの「SR-003」のクチコミ欄。これらを読んで、ヘッドバンド無しで使えると判断して買った。38,500円。
付属のアタッチメントを付けて耳に入れる。イヤホンの先は楕円形。何とか落ちないように、回転させて耳に押し込むと、ほどなく耳の奥が痛くなってくる。案の定、これではダメなので、価格コムの口コミ欄で見付けた、SONYのスペアーイヤーピース「EP-EX1」を使ってみることにした。これがソニーストアで買うと、送料込みで何と453円。宅急便で送ってくるので、何か申し訳ない感じ・・。サイズが3種類入っているので、自分も耳の大きさに合わせる。
フムフム・・・。この方が、STAXのオリジナルアタッチメントよりはフィット感が宜しい。
別の口コミでは、100円ショップで「耳栓」を買ってきて、その中央に穴を空ける方法もあった。これも試してみた。耳栓は、低反発枕に似た素材。ギュッと潰すと小さくなり、数十秒で元に戻る。その耳栓の真ん中に、ハサミで空洞を作る。穴を空けるハサミを使うと効率がよいが・・・。そしてイヤホンに取り付ける。穴の空いた耳栓の先をギュッと潰して、耳の穴に入れる。しばらくすると耳栓の大きさが元に戻るので、耳にかなりしっかりと取り付く。しかし、何か膨れた感じがして違和感・・・。でも確かに落ちない・・・
数週間はこの耳栓タイプで使ってみたが、結局は、SONYのイヤーピースに戻してしまった。
そして肝心の音は??今まで使っていたBOSEのイヤホンに比べて、低域は良いが、高音が控えめ・・・。最初聞いたときは、おとなしい音で、何かガッカリ・・・。でも気を取り直して聞いてみる・・・
最近、自分なりに悟っていること。それは、良い音は単にガチャガチャ切り替えて聞き比べるものではない。しばらく聞いてみて、続いて聞きたくなるか、それとも止めたくなるか・・・が判断材料。
その視点で言うと、この製品は○。つまり、結果として、買って以来、ずっとSTAXばかり使っている。それまで使っていたBOSEのイヤホンはまったく使っていない・・・・。
別にBOSEがダメなわけではない。何となく、コンデンサーばかり使っている。
自分の良い音の追求も、“イヤホンで聴く”というコンセプトに縛られているので、まあだいたいこんなモノだろうと思う。FMチューナーL-02TをアナログでSONYのNAC-HD1につなぎ、タイマー録音した音を、デジタルで出して、DAC-AMでアナログに戻し、STAXのSRM-252S経由で、SR-003で聴いている。だいぶん特性が落ちてきた自分の耳には、まあまあ満足のできる音である。
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