「なんとも身につかない教育」!?
昨日の日経新聞のコラム「大機小機」にこんな記事が載っていた。曰く・・・
「「市場の時間」と「政治の時間」
金融市場では今、こんなジョークがはやっている。
どの国にもなんとも身につかない教育があるという。中国ならマナー教育。米国なら反戦教育。イタリアなら純愛教育。日本はといえば英語教育。そしてギリシャの金銭教育だ。
一部に異論もあろうが、確かにいまギリシャが危ない。過去にも5回、債務不履行(デフォルト)を起こしている。実力以上の借金が元凶だ。20年前の日本やリ-マン・ショックと全く同じバランスシートの悪化で根はとてつもなく深い。
世の中には「市場の時間」と「政治の時間」があるという。物やお金を取引し、利益
を最大にし、損失を最小にしようと一刻一秒を争う速さが「市場の時間」。これに対し何か課題が発生してから解決するまでの政治的行動に要する時間が「政治の時間」。政治の仕組みと背後の国民感情によって速度は決まる。
ギリシャ危機がユーロ危機に拡大し日々深刻になっているのは、この2つの時間の差が埋まらないからだ。政治が市場に追いつかない。危機対策の肝は一点、大規模な信用収縮の阻止だ。処方箋は3段階からなる。第1段階は流動性の補給。第2段階は不良資産の処理。第3段階が経済力の底上げだ。相互に絡んでいるが、当面強力に進めなければならないのが、この第2段階。不良資産を切り離して損失を確定し、その損失を力のあるところが肩代わりする。これしがない。
つまり①ギリシャ国債のデフォルト②国債を保有する欧州銀行への大規模資本注入③欧州金融安定基金(EFSF)などによる原資の確保④独仏を軸にした各国からの拠出――のセットだ。むろんギリシャも銀行も痛みを分担する。やらなければ損害はますます大きくなる。
もともとユーロとは、苦い二度の大戦から生まれた政治の産物。経済の論理は軽視されがちだった。しかも連邦国家ではない。政策決定には参加17力国すべての同意が原則欠かせない。
3日には各国財務相がEFSF拡充を話しあったが、一時的延命の域は簡単には出ない。アテネではストがむしろ激化している。危機は第3段階で初めて収束の出口が見えてくる。
民主主義の最大の弱点は危機管理能力ともいえる。市場は冷徹で常に弱いところを突いてくる。ユーロ圈の混迷は始まったばかりだ。(横風)」(2011/10/04付け日経新聞「大機小機」より)
ホントウは、ユーロ圏での経済危機について論じたいのだが、ついグチになりそうなので止めておく。しかしこの論、「どの国にもなんとも身につかない教育があるという。中国ならマナー教育。米国なら反戦教育。イタリアなら純愛教育。日本はといえば英語教育。そしてギリシャの金銭教育だ。」という件(くだり)が面白い。
話は変わるが、毎朝の通勤で、駅から会社までの途中、5分程ある私大の附属高校の男女高校生と一緒になる。この道には、ずっと先生と「風紀委員」の生徒たちが見張っている。つまり、何もしないと、高校生が道をふさぐ形で、横に並んでペチャクチャしながら歩く。これは一般通行人にとっては、はなはだ迷惑。それで、道のあちこちに先生や生徒たちが立って、「左に寄れ」と注意をしているワケ。しかし、生徒達はすぐに元に戻る。
最近では、一人ずつ立っていた生徒が二人ずつに増えた。よって歩いて行くと、道路の左と中央に生徒が立ち、その間を歩く事になる。我々一般通行人は、何か自分たちも歩き方を監視されているようで、あまり良い気持ちではない。
これも、先の記事にならうと、「なんとも身につかない教育があるという。**高校の道路の歩き方教育。・・・」という所か・・
しかし、このようなベーシックな教育に手を焼いているのが、今の高校の実態とすると、何とも怖ろしい。日本人は、電車の乗り降りは実に整然。遅れてあわてて降りる人がいても、その人が降りるのを待って、誰も乗ろうとしない。実にマナーが良い。しかし、一歩駅を出ると、ダンゴになって歩く高校生・・・。何とも寂しい・・
ついでにグチると、毎日JRで帰るとき、(実は降りる駅の近くに女子大があるのだが、)階段の前のホームに、女子大生のダンゴ。つまり、女子大生のペチャクチャ軍団が階段の前を占拠しているため、電車から降りた人が、階段を下りようとしても、階段にたどり着けず、階段の前が大混雑・・・・。これも困ったもの。階段も前くらい、スペースを空けて欲しいもの。
このように「なんとも身につかない教育」を身に付けさせる方法はあるのだろうか?
この高校の場合は、これらのマナー教育を諦めて、スクールバスをチャーターして、それに生徒を収容して一般道路を歩かせない。そして高いバス代を取る。・・・ナンテ。
世界経済をマヒさせようとしているギリシャ。今日も大規模なデモがあったとニュースで言っていた。当事者は、それらが世界に与える影響まで考えていないのだろう。前に、アメリカの航空会社が、リストラ策に反対して結局会社が潰れたことがあった。
自業自得で、当事者たちが困るだけなら、ユーロ圏の国も放って置くだろう。しかし一蓮托生の仕組みだから皆が困る・・・
毎朝、この高校生たちが、(周囲まで目が行っていない)ギリシャ人に見えてくる最近の朝の風景ではある。
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