宇野功芳氏が選んだ「フルトヴェングラー・窮極のCDベスト10」~ウラニアのエロイカ
先日、本屋に行ったら「ピンク・フロイド---深遠なる迷宮への誘い (文藝別冊) ムック」とい う本が棚にあり、つい買ってしまった。・・と隣に「フルトヴェングラー---至高の指揮者 生誕125周年 (文藝別冊) ムック」(これ)という本も・・。これもつい買ってしまった。
ぎっしり詰まった文字。過去の雑誌から転載した記事も多いが、「宇野功芳 フルトヴェングラー 窮極のCDベスト10」という記事が面白かった。
<宇野功芳のフルトヴェングラー窮極のCDベスト10>
①ベートーヴェン「交響曲第三番」英雄 ウィーン・フィル ’44〔オーパス蔵 OPX7026〕
②ベートーヴェン「交響曲第三番」英雄 ウィーン・フィル ’52〔EMIクラシックス TOGE11001〕
③ベートーヴェン「交響曲第五番」運命 ベルリン・フィル ’47.5.25[audite 21.403]
④ベートーヴェン「交響曲第六番」田園 ウィーン・フィル ’52〔EMIクラシックス TOGE11004〕
⑤ベートーヴェン「交響曲第七番」ベルリン・フィル ’43[オーパス蔵 OPX7002]
⑥ベートーヴェン「交響曲第七番」ウィーン・フィル ’50[MYTHOS MPCD9020]
⑦ベートーヴェン「交響曲第九番」バイロイト祝祭管弦楽団 ’51[MYTHOS MPCD901]
⑧ベートーヴェン「交響曲第九番」ウィーン・フィル ’53[ドリームライフRIPD0007]
⑨シューベルト「交響曲第九番」ベルリン・フィル ’43〔オーパス蔵 OPX7010〕
⑩ブラームス「交響曲第四番」ベルリン・フィル ’48〔EMIクラシックス TOGE11008〕
まず1位が、エロイカだ。曰く・・
「①ベートーヴェン「交響曲第三番」英雄 ウィーン・フィル ’44〔オーパス蔵 OPX7026〕
オーパス蔵というのは人騒がせなレーベルだ。古いレコードを良い音にして蘇らせるので、長年の順位が狂うのである。この「エロイカ」も今までは②の五二年盤が第一位であったが、蔵盤の出現で入れ替った。
四四年盤はいわゆる〈ウラニアのエロイカ〉だが、この復刻盤は鳴りっぷりの良さ、歪みの少なさ、音の鮮明さが段違いにすばらしい。冒頭の二つの和音間の残響にまずしびれてしまう。こうでないと「エロイカ」は始まらないからだ。そしてチェロのテーマが朗々たる音量で歌い始め、テンポは悠々として急がず、この開始部、すべての点で最高である。第二主題に向けて前進性を増してゆくフルトヴェングラーは、その後曲想に従って緩急自在の棒さばきを示し、しかも音楽の呼吸と一体化して流れを失わず、名人芸の極みを見せてくれる。
第二楽章は入魂の逸品で、ベートーヴェンでないところは一ヶ所として見られない。スケルツォ以下も詳述する紙幅はないが、そのすべてが一期一会の音のドラマになっているのだ。・・・」
この評価を読むと、「オーパス蔵」なるレーベルの音を聞いたみたくなる。・・と、何と「ニコニコ動画」にこの音源がアップされているのを発見(ここ)。
それで聞き始めたのだが、何と素晴らしい音・・・。ちょっと聞いてみよう。
<ウラニアのエロイカ>
(ベートーヴェン:交響曲第三番「英雄」フルトヴェングラー/ウィーン・フィル’44)
Netで「オーパス蔵」なるものを調べてみた。HPは(ここ)。雑誌に紹介された記事(ここ)も読める・・・
なるほど・・・。しかし、昔のアナログレコードから、こんな音が再現されるとは・・・。これはまさに個人的名人芸の世界・・・。人間国宝的なワザの世界なのだろう・・・
それに、この方は世界的に相当有名な方らしい。
確かに、一つの古い録音に、何十年も囚われていることの是非はあろう。でも、音楽が、その奏でる人によって、色々と姿を変えることは誰でも知っている。
こんな記事も参考に、自分もしばらくの間、“人類の宝”とも言える、フルトヴェングラーの世界で遊んでみよう。
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コメント
いつも楽しく読ませていただいています。
特に、音楽のあるページには、ひきつけられています。
ベートーベンの弦楽四重奏曲には、交響曲と同様に、深い精神性が感じらるように思います。勝手なお願いですがが、機会がありましたらご紹介いただけたら有り難いと思います。
【エムズの片割れより】
ラズモフスキーですか・・・。自分の弱い点・・・!!
シューベルトの室内楽は好きですが、ベートーヴェンはなぜか聴きませんでした。今度、じっくりと聞いてみますね。
投稿: 鹿倉武俊 | 2013年2月 5日 (火) 02:02