「円周率10兆桁まで計算」~長野の近藤茂さん
先日の日経新聞の「春秋」にこんな記事が載っていた。
「3.141592653589793……と果てしなく続く円周率。この小数点以下の不思議な数字を、人類はずっと計算しつづけてきた。1万桁まで解き明かしたのは半世紀ほど前。1973年には100万桁まであぶり出している。
「追求」は加速する一方だ。近年、東大チームがつくった世界記録は32億桁から2061億桁、さらに1兆2411億桁へと、まさに桁違いの更新ぶりだった。そしていまは長野県飯田市の会社員、近藤茂さん(56)の独壇場だろう。5兆桁という自らの記録をたった1年で塗り替え、ついに10兆桁にこぎ着けた。
円周率の計算は学生時代からの趣味で、5兆桁も10兆桁も自作のパソコンで達成したという。どこそこの研究者ではなく市井の人の快挙だ。 10兆桁目の数字は5だったそうだが、それを見届けようとするあくなき好奇心が記録を生み出すのかもしれない。そこに円周率があるから、というほかない挑戦なのだろう。
小学校では円周率を3と教えている、という批判がかつてあった。じつは学習指導要領には、場合によっては3でもいいと書いてあっただけだ。円周率は3.14。誰もがそうすり込まれてきたから当惑が広がったに違いない。教科書信仰ゆえの騒ぎだったのだろう。近藤さんは、次は20兆桁に挑むそうだ。」(2011/10/18付「日経新聞」「春秋」より)
おなじニュースを、共同の記事で読むと・・・
「円周率10兆桁まで計算 長野の男性
長野県飯田市の会社員、近藤茂さん(56)が16日、自宅のパソコンで円周率を小数点以下10兆桁まで計算し、昨年8月に自ら立てたギネス世界記録の同5兆桁を更新した。
48テラ(テラは1兆)バイトのハードディスク(HDD)を搭載した自作パソコンで、昨年10月に計算を開始。インターネットで知り合った米国の大学院生、アレクサンダー・J・イーさん(23)の計算プログラムを利用し、二人三脚で約1年かけて新記録を達成した。
計算はHDDの故障や停電で約10回も中断し、2日間再開できないこともあった。東日本大震災の影響で計画停電がうわさされたときは自家発電を覚悟した。
パソコンの熱で40度近くに上昇する部屋で、妻幸子さん(54)は「洗濯物を室内に干すと早く乾いて助かったけど、電気代が月3万円もかかるのはつらかった」と苦笑い。
「頭の片隅から円周率が離れない日は、もう終わった」とほっとした様子の近藤さん。ギネス申請手続きには千ユーロ(約11万円)かかるため、今回の記録をどうするか夫婦で相談中だ。倍の20兆桁に挑戦するつもりだが「少し休憩だな」と笑った。〔共同〕2011/10/16 21:53」
Netで検索してみると、この方は長野高専のOBとのこと(ここ)。
しかし、昨年、5兆桁を達成した時の言葉、「今回の記録達成について、近藤さんは「人のやっていないことに挑戦することに意義がある。究極の自己満足」と笑う。」(ここ)が面白い。
なるほど・・・。“究極の自己満足”か・・
そう言えば、円周率の暗唱では原口證(はらぐち あきら)さんが有名で、2006年に10万桁を達成し、ギネス申請中だという(ここ)。
この超人的な記録も、先の10兆桁達成と同じように、別に利益を生むわけではない。これも「究極の自己満足」なのだろう。しかしこれらはまさに“人間の能力の限界”を試しているようにも思える。
しかし、先の“天下のスーパーコンピュータをコケ”にするようなパソコン使いの名手も含め、いやはや世の中にはとてつもない方が居られるものだ。
何?自分?・・・・
「自己満足のための記録なんて、挑戦しないのさ!(←単に能力が無いだけのことだけど・・・)」ホホホ・・・・・
(でもこんな目標があれば、サラリーマン・リタイア後も、さぞ楽しいだろうな・・・・)
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