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2011年8月20日 (土)

「ボイジャー太陽系外へ~人工物で発 地球から34年の旅」

だいぶん前の新聞だが、彼の惑星探査機・ボイジャーの記事があった。曰く・・・(写真はクリックで拡大)

ボイジャー太陽系外へ~人工物で発 地球から34年の旅
 1977年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ボイジャー1号」が間も110820voyager1 なく太陽系を出る。最新の研究によると「いつ出てもおかしくない状態」(NASA)で、人類が作った物体としては初の「太陽系脱出」となる。
 ボイジャー1号は79年に木星に接近したあと、80年に土星に接近。そのとき土星の重力で太陽系の公転面から外れた軌道に入った。(2011年8月)11日現在、太陽から176億4千万キロ(太陽から冥王星までの距離の3倍程度)離れたところを、時速約6万1千キロで太陽系の外に向けて飛行中だ。
 太陽からは、陽子や電子からなる「太陽風」が吹き出している。ボイジャー1号は太陽風が急減速する「末端衝撃波面」を2004年に通過。6月に英科学誌ネイチャーに掲載された論文によると、昨年末から今年2月に太陽風の「風速ほぼゼロ」を観測した。さらに太陽風の影響と星間物質の影響が見分けられない状態を観測すると、太陽系を出たことになる。
110820voyager  その位置は、太陽から平均181億キロ前後にあると推測されており、NASAは昨年「2015年ごろに太陽系を出る」と発表。しかし、ボイジャー計画の責任者を務めたカリフォルニア工科大のストーン教授は今月、「いつかはわからないが、いつ越えてもおかしくない」と述べた。1号の半月ほど前に打ち上げられた2号も、太陽から143億キロ離れたところを飛行中だ。
 ボイジャーは、地球外の知的生命に発見されることも想定し、地球の言葉や音、画像を記録したレコードを搭載。20年ごろまでは通信が可能で、太陽系を出た後も星間空間の状態について貴重なデータを送ってくるとみられる。(ワシントン=行方史郎)」(2011/08/11付「朝日新聞」夕刊p1より)

さらにWikiによると、「ボイジャー1号は2010年12月現在で太陽から約174億km離れたところを太陽との相対速度・秒速約17.07kmで飛行中であり、地球から最も遠くにある人工物体となっている。 地球との通信のための電波は片道約13時間を要する。・・・・今後は原子力電池の出力低下にともない、全ての機器に電源を入れておくことが出来なくなるが、稼動を完全に停止するのは、1号は2020年以降、2号は2030年以降の予定である。」という。

一応自分も理系の端くれだが、人類が生み出したあらゆる技術の中で、自分はこのボイジャー計画ほど、スゴイものは無いと思っている。
何しろ、太陽系の外に出るという壮大さ、34年もの歳月を経て、宇宙という未知の世界で、未だに現役で動いているという長寿命。何よりも、通信が片道13時間もかかるという距離でも、通信が保持されているということが驚異。そもそも、技術革新が激しい現代において、34年前の探査機が2機ともに未だにコントロール下にあるというのは、もの凄いこと・・・。
そしてそれを支える長寿のメシの種(燃料)が原子力電池だという。
Wikiによると、「2機のボイジャー探査機ではそれぞれ3個の原子力電池が電力を供給している。この発電装置は当初想定されていた寿命を大幅に超えて現在も稼動しており、2020年頃までは地球との通信を維持するのに十分な電力を供給できると期待されている。」
原子力も、使い方次第ではとてつもない力を発揮する。(今日は、それ以上は論じない・・・)

ボイジャーが発射された1977年がどんな年かと調べてみると、今日の新聞には「NY市場 円、75円台突入 戦後最高値更新」とあったが、当時は「円高新記録、影響深刻=年末には1ドル240円の大台を割って、過去の最高記録を更新した。」だったとか・・・。
それに、今をときめく米アップルの創業の年。巷には、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」やピンクレディーの歌が流れていた・・・。

先日、電子機器の寿命について書いた(ここ)。それらの機械に比べて、宇宙という未知の世界で動いている電子機器。繰り替えすが、これはもの凄いこと。

日本の小惑星探査機「はやぶさ」帰還のニュースがあったのが昨年の6月だった(ここ)。
「はやぶさ」の7年間で飛行距離60億キロ、もすごかったが、ボイジャーは34年間経って、まだあと10年間は大丈夫と言うからスゴイ。それに“地球からの距離”が176億キロというから、はやぶさの60億キロに相当する“飛行距離”はどの位の距離になるのか・・・・

こんな技術力を持つ人類。原発など1954年(原発の世界初)からの技術。福島における原発の制御など、どうって言うことはないと思うのだが・・・

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コメント

人間の技術力のすごさを時として感じる事があると言えば、確かにこんな時です。おそらく、最優秀な技術者が関わっているかどうかなのであろうか?原発の技術は進展していた時期から今や衰退期に入っているのではないか?優秀な技術者が従事していないのではないかと心配している。技術にはその技術は発展していき、最盛期を迎えるとき最優秀な技術者が育つのであろうが、衰退期を迎えるとき、技術者もいなくなる。どうも原発も技術的にはその運命を辿っているのではないか?

投稿: 金子 次郎 | 2011年8月21日 (日) 09:19

1992年2月に放映された「宇宙からの贈り物」・・ボイジャー航海者たち・・と言う番組を録画したテープあるはずと必死(?)で探し、観てみました。
予算削減の中、最後の仕事としてボイジャーが振り返えり「太陽系の家族写真」を撮影しておりますが、地球は「点」で写っており、放映当時もですが、改めて感激致しました。
小生、この計画はこれで終わっていたと勝手に思っておりましたが、現在まで制御されていたとはおっしゃる通り「この計画ほどスゴイものは無い」の形容がぴったり!ですね。

【エムズの片割れより】
これほどの長大な計画ですと、関わった人は、一生このプロジェクトに関わることになりますね。それは、学者冥利に尽きるのでは・・?
でも、その達成感と、失敗した時の挫折感。少し恐ろしい気がします。

投稿: 大手街 | 2011年8月30日 (火) 11:32

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