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2011年7月 3日 (日)

NHK「四川大地震、被災地は今“李先生と30人の子どもたち~紅白中心学校~”」

先日、「NHK「ザ・ベストテレビ2011」が楽しみ・・」(ここ)という記事を書いた。そこで、昨年の「ザ・ベストテレビ2010」で、まだ見ていなかった番組を“発見”したが、先日それを見た。
BS世界のドキュメンタリー「<シリーズ 四川大地震、被災地は今>第2回 李先生と30人の子どもたち ~紅白中心学校~」(2010年6月29日放送)(ここ)という番組である。この番組は。「第26回ATP賞テレビグランプリ2009 ドキュメンタリー部門最優秀賞」を受賞したという。ATP賞というのは制作プロダクションが作った番組に対して贈られるもので、この作品はテムジンというプロダクションの制作。

この番組について、NHKの解説にはこうある。
「<シリーズ 四川大地震、被災地は今>第2回 李先生と30人の子どもたち~紅白中心学校~
未曾有の被害をもたらした四川大地震から半年、被災者たちの現状を克明に伝えるシリーズの第2回。震源地に近い紅白鎮の小中学校では、合わせて159名の児童生徒と8名の教師が犠牲となった。
9月の新学期から仮設校舎で授業が再開、受験を控えた中学3年生の子どもたちは悲しみに暮れる間もなく勉強に励んでいる。子どもたちの多くは、家が遠いため寄宿舎での生活。1組を担任する李庭芳先生(32歳)は、10歳の一人娘を地震で失った。
だが、農村の子どもたちにとっては、高校進学が将来を左右する重要な岐路となる。李先生は交換日記を通して生徒の心境を把握したり、親を亡くした子を家まで訪ねてケアしたりと、奔走する日々だ。いつも明るく気丈に振る舞い、決して涙を見せない李先生だが、自らが負った深い心の傷を一体どう癒してゆくのか。
懸命に子どもたちの救出と保護にあたり、娘を探しに行けなかった李先生を、生徒たちは第二の親と慕う。彼らの話から、震災の過酷な現実が次第に明らかになってゆく。そして迎える、大事な中間試験。番組では、悲しみを背負いながら教壇に立つひとりの女性教師と、クラスの子ども30人の心のつながりを丹念に見つめてゆく。」
(NHKのここより)

四川大地震の発生は、2008年5月12日14時28分。誰もが地震で家族を失い、そして友達を失った。助かった子どもも、級友を助けるため、遺体や重傷で死に逝く人たちを見て、その精神的なショックは計り知れない。しかし現実の高校受験は迫ってくる・・・。

この番組でも先生が言っていたが、中国における“勉強”の重要度は日本の比ではない。先生は言う。「山村の子どもたちの将来は進学しなければ厳しいです。炭鉱や出稼ぎをして暮らすしかありません。もし勉強ができれば彼らの運命は変わります。大学に進学できた生徒は大勢います。わたし自身がそうでした。両親は普通の農民です。勉強によって職を得ました。手に職がない人より良い待遇です。彼らにはわたしよりもいい生活をして欲しいのです。」
生徒だけではなく、先生自身も一人娘を失い、その心の傷は癒えていない。そして先生へのカウンセリングを、「カウンセリングは古傷を開く行為。ゆっくりと治しているのに、それを開かれたら一層傷つきます」と拒否する先生。先生も生徒も、地震の悲劇を背負ったまま現実の受験に向かって進んでいる・・・。そして卒業・・。先生と生徒の信頼関係・・・。

この番組が初回放送されたのは、2009年1月17日だったという。東日本大震災が起きる2年前。でも人々の震災による痛み、そして復興への営みは、国も人種も関係がない・・・。

先日、新聞のテレビ欄に「ザ・ベストテレビ」は再放送の予定がないと載っていた。でもこの番組は、もともと“BS世界のドキュメンタリー”。
日本が大震災を経験し、その目でこの番組を見たなら、震災前に比べて色々と感じる所があるのでは・・と思った。そしてもしこの番組が再放送されれば、日本の震災復興への大きな励ましとなるような気がするが、どうだろう・・・。

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