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2011年6月 9日 (木)

「全原発、来春停止の可能性」

さもありなん。日本の原発が全部停まる可能性・・・・。
昨日の日経新聞に「全原発、来春停止の可能性」という見出し。“日本中が電力不足”という事態に、段々と近付いてきている。曰く・・(写真はクリックで拡大)

全原発、来春停止の可能性 検査後の稼働 難航 再開の是非、国に責任
 原子力発電所が定期検査に入ったまま再稼働できないという状況に陥っている。安全性について地元自治体の理解が得られないためで、このままでは来春にも国内54基の全原発が止まる。電力不足が全国に広がりかねず、早急な対策が必要だ。
<負担増、年3兆円超も>
今年7月、福井県にある関西電力の高浜、大飯両原発で1基ずつが検査に入る。停止中の同社の原発は全11基中6基に上り、今夏の最大需要見込みに対し、供給力は約10万キロワット不足する計算だ。電力不足は東日本だけの問題ではない。
1106091  全54基が止まれば、来夏には全国各地で電力制限の実施に追い込まれるのは必至だ。海江田万里経済産業相が7日明らかにした試算では、全基停止し、火力発電で代替した場合、燃料費の負担増は年3兆円以上になる。
 原発は13ヵ月運転するごとに検査が義務づけられている。しかし、再稼働の前提としている地元県知事などの同意が得られない。
 「浜岡ショック」が地元の不安を決定的にした。菅直人首相の中部電力浜岡原発の停止要請は「巨大地震の差し迫った危険」が理由だが、浜岡は経済産業省原子力安全・保安院が指示した地震・津波の短期対策を実施ずみだ。基準を満たしたのに停止という分かりにくさが混乱を招いた。
 経産省は7日、短期対策に続き、全電源を失った場合の対応なども盛り込んだ追加策を発表。これで自治体の理解を得たい考えで、海江田経産相は「私か出向いて説明する」と言う。しかし問題の根本は原発の稼働という重大な決断を事実上、自治体に押しつけている構図にある。福島の事故を踏まえた説得力のある安全基準を基に、国の責任で運転の是非を最終判断する仕組みが要る。
・・・・
 北海道から九州まで国内の原発54基すべての稼働が止まれば、合計で4896万キロワット、日本全体の約2割の発電能力を失うことになる。電力会社別では東電を除けば北海道、関西、四国、九州の4電力は原発の比率が4分の1を超えており、原発停止の影響は大きい・・・・」(2011/06/08付「日経新聞」p4より)

検査後の再稼働には知事の同意が必須とすると、その法的根拠は?・・となる。

再稼働の権限は 法的には電力事業者 知事、事実上の決定権
  原子力発電所の運転再開のカギを握るのは、地元の理解だ。経済産業省原子力安全・保安院の検査後、原発の再稼働を決める権限は電方事業者にあり、地元自治体に1106092_2 了解を得るための法手続きは必要ない。ただ、福島原発事故を受け、「大事故が起こった場合は運転再開について地元自治体と協議する」などと記した県や市町村との協定を無視できなくなっている。
 一般に再稼働の実質的な最終決定を下すのは知事となる。ただ、知事は任期との関係で選挙を強く意識しながらの判断を迫られる場合もある。
 福井県は1971年に電力事業者と「原子力発電所周辺環境の安全確保等に関する協定書」を交わした。西川一誠福井県知事は現在、定期点検中の原発の再稼働を認めていない。電力事業者が知事の姿勢を尊重せざるを得ないのは、この協定書があるからだ。
1106093  2004年に関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)で配管破断による蒸気噴出で11人が死傷した事故を受け、協定書が改訂された。一定規模の事故で停止した原発を再稼働するには、電力事業者が県と事前に協議しなければならないことが新たに明記されたのだ。
 実際、日本原子力研究開発機構が昨年5月に高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)を14年ぶりに再稼働した際には、協定に従って県と協議する手続きを踏んだ。
 福島の原発事故は県外で起こった事故であり、福井県内に現在ある原発を再稼働させるかどうかについて、協定による縛りはないが、現実には電力事業者が知事や住民の意向を無視して原発を再稼働させることは難しい。」(2011/06/08付「日経新聞」p4より)

なるほど・・・。有り得る話・・・・
でも何かヘンだ・・・・・

某原発では「現在運転中の原発は絶対に止めるな」という指示が出ているとか・・・・。つまり、上記のような背景があるため、一旦止まったら再稼働が難しい・・という議論。
何かヘンだ・・・

検査後の原発と、現在稼働中の原発を比べて、どちらが安全か? この議論は、運転中の原発を止めろ、という話は(権限がないので?)しないが、一旦止まったら再開はさせない。という話だ。地元としては、全原発を止めたい??
いや、こんな記事もある。

「ただ地元の反応は複雑だ。玄海原発が立地する玄海町は1日、町議の3分の2に当たる8人が再開に賛成した。岸本秀雄町長は6月中旬までに、再開への同意を九電に伝えるとみられる。」(同紙より)
今夜のNHKニュースでは、佐賀県知事も再稼働承認の方向とか・・・

もし自分が、今稼働中の絶対に止められない原発の人間だったら、“稼働中の原発が事故で止めざるを得ない状況に陥ったとして”どんな判断をする?
たぶん、その事故内容を隠蔽して、知らんフリして稼働を続けるだろうな・・・
そして、無理に無理を重ねて、「今度は**電力の原発で大事故発生!!?」

原発の再稼働の話は、感情的な議論ではなく、もう少し国民全体で冷静な議論はできないものだろうか・・・?
方向転換にしても、時間が掛かるのだ。車だって直ぐには止まれないのに、彼の原発(政策)が直ぐに止まれる訳がない。(だから1Fでは未だに止まっていない・・・)

できたら国民投票をして原発の将来を決めても良い。ドイツのような原発廃止でも結構。しかしそうなった時は、今までの電力政策の延長線上に将来はないわけで、安全=高負担を前提に国民全体でその負担(=我慢も)を受け入れる姿勢が求められることは言うまでもない。
でも日本人は先の太平洋戦争開戦の時と同じく、熱しやすく冷めやすい。だから今は「自分も我慢するから、原発を全廃」なんて言っていても、いざとなると真夏の暑さに閉口して「徐々にやろうぜ・・」なんて直ぐ変わる・・・。と思うのだが・・・、どうだろう・・・

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コメント

「でも日本人は先の太平洋戦争開戦の時と同じく、熱しやすく冷めやすい。」

そう思います.衆議院議員選挙の小泉フィーバーかと思うと真逆の民主党フィーバーで.それにしても,民主党政権になって,
何か良い事ありました?
それから,ドイツも政権構成が変化すれば
数年後には,原発推進になっているかもよ.日本海のメタンハイドレート発電実用化を真剣に研究して欲しいよ!!世界第四位の資源大国の総理大臣様.

【エムズの片割れより】
何とも手厳しい・・。

投稿: のりへい | 2011年6月10日 (金) 00:44

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