NHK FMシアター「吉野雛」
自分のFM放送との付き合いは、大学1年の時(昭和41年)からだから、半世紀近い。もちろん、いわゆる“働き盛り”の時は、聞く時間はなかったが、1年前に高級チューナーL-02Tを手に入れてからは、夢中になって聞いている。
100%NHK FMしか聞かないが、その番組の中での「お買い得(拾いモノではない)」は、「FMシアター」(毎土曜日22:00-22:50)と「青春アドベンチャー」という二つのラジオドラマ。
とにかく音が良い。そのリアルさは、音楽CDの比ではない。もちろんドラマの内容も素晴らしい・・・
先日(2011年6月11日)放送された「吉野雛」。何とも心温まるファンタジーで、良かった。
この番組について、NHKの解説にはこうある。(写真はクリックで拡大)
「古より信仰を集めてきた大峰山系のひとつ・吉野。代々、林業を営む神田家の長男・太 一(25)は、将来を誓った恋人・奈美(25)を火事で突然失った。絶望で仕事に手が着かない太一は、ある時、山に伝わる「過去に一日だけ戻ることができる」山神伝説を知り、恋人に逢いに過去に戻ろうとする。奈良・吉野で今生の別れを遂げた源義経と静御前の悲恋物語をベースに、死者への未練から行動を起こした主人公と亡くなった恋人が一日だけ再会するラブストーリー。」(ここより)
内容的には、還暦過ぎの我々が聞くには、少々恥ずかしいが、何とも心が洗われる・・・
少し聞いてみよう。
<NHK FMシアター「吉野雛」>
ドラマの内容を書くことはしないが、ドラマの最後に、お婆さんが言うセリフ、「この世に生かされておる者がすべきことは、過去にとらわれることやない。過去を忘れず、今を生きていくことや」が、テーマのような気がした。
この言葉は、まさに仏教の教え・・・。
このドラマの脚本を書いた橋目真理子さんはどんな方?とNetで検索したら、(こんな)サイトを見付けた。それによると、
「・・・橋目さんは、2人のお子さんを育てながら、家事の間に脚本を書いています。20代から脚本を書き始め、今、母親になり、描ける視点も増えたと言います。橋目さんが脚本を書くときに一番力を入れているのは「人」。・・・」(ここより)
とのこと。この脚本家は、精神的にはまだまだお若いようだ。
ところで、このドラマのように「過去に一日だけ戻ることができる」としたら、どうする?
“あの人生で一番輝いていた日をもう一度・・”と考える人もいるだろうし、“あの日の失敗さえ無かったら・・・”とその日に帰ってやり直すことを考える人もいるだろう。
ふと現実に戻ると、一番たくさんの人が思い浮かべるのが「2011年3月11日」だろう。もう一度この日に戻れたら・・・。たぶん多くの人が死なずに済んだ。原発の事故だって・・・
ふと「自分だったら?」と考える。ウーン。直ぐには“戻りたい日”が思い浮かばない・・・。
強いて言うと、耳鳴りがした日(いつか特定できないが)、即刻大学病院に行っていれば、右耳が難聴にならずに済み(ここ)、今でも素晴らしいFM放送やCDの音楽を聴けたのに・・・(まあ思い浮かべるのがこんなこと位なので、自分の人生も大過なく・・なのかも)
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