東京リーダーターフェル1925が歌う旧制高校寮歌
今日は、こんな歌はいかが? 旧制高等学校の寮歌である。
<東京リーダーターフェル1925の「嗚呼玉杯に花うけて」>
第一高等学校寮歌
「嗚呼玉杯に花うけて」
作詞:矢野勘治
作曲:楠 正一嗚呼玉杯に 花うけて
緑酒に月の 影やどし
治安の夢に 耽りたる
栄華の巷 低く見て
向が岡に そそりたつ
五寮の健児 意気高し芙蓉の雪の 精をとり
芳野の花の 華を奪い
清き心の 益良雄が
剣と筆とを とり持ちて
一たび起たば 何事か
人生の偉業 成らざらん濁れる海に 漂える
我国民を 救わんと
逆巻く浪を かきわけて
自治の大船 勇ましく
尚武の風を 帆にはらみ
船出せしより 拾二年
<東京リーダーターフェル1925の「紅萌ゆる岡の花」>
第三高等学校逍遥歌
「紅萌ゆる岡の花」
作詩・作曲:沢村胡夷紅萌ゆる 岡の花
早緑匂う 岸の色
都の花に 嘯けば
月こそかヽれ 吉田山縁の夏の 芝露に
残れる星を 仰ぐ時
希望は高く 溢れつヽ
我等が胸に 湧き返る千載秋の 水清く
銀漢空に さゆる時
通える夢は 崑崙の
高嶺の此方 ゴビの原神楽ヶ岡の 初時雨
老樹の梢 伝う時
穂燈かヽげ 口誦む
先哲至理の 教にも
<東京リーダーターフェル1925の「都ぞ弥生」>
北海道大学予科寮歌
「都ぞ弥生」
作詞:横山芳介
作曲:赤木顕次都ぞ禰世の 雲紫に
花の香漂う 宴遊の莚
尽きせぬ奢に 濃き紅や
その春暮れては 移ろう色の
夢こそ一時 青き繁みに
燃えなん我胸 想を載せて
星影冴かに 光れる北を
人の世の 清き国ぞとあこがれぬ豊かに稔れる 石狩の野に
雁はるばる 沈みて行けば
羊群声なく 牧舎に帰り
手稲の巓 黄昏こめぬ
雄々しく聳ゆる 楡の梢
打ち振る野分に 破壊の葉音の
さやめく甍に 久遠の光
おごそかに 北極星を仰ぐかな
おごそかに 北極星を仰ぐかな
どの歌もお馴染みだが、歌詞は何とも難しい。これらの歌がいつ頃出来たのかを調べてみると、「嗚呼玉杯に花うけて」は明治35年 (1902年)、「紅萌ゆる岡の花」は明治37年(1904年)、「都ぞ弥生」は明治45年(1912年)だという。どれも100年も前。
どの歌も、自分が感激して聞いたのは高校生の頃。東大、京大、北大を思い浮かべては、到底届かない高嶺の花と思いつつも、進学を夢見ていたもの・・・
あれから半世紀も経ってしまった・・・。
高校生の頃、これらの歌が歌われた時代は、遙か昔・・と感じていた。しかしその時点からみると50年前の歌だったのだ。その高校時代から同じく50年経ってしまった・・・。つまり同じ50年・・・・。何とも時間が経つのは早い・・・
東京リーダーターフェルのこの録音は、太鼓に合わせて歌う・・・。何とも明治の雰囲気がある。たまには、こんな歌でも聞いて、古き良き時代を偲ぼうではないか・・・。(別に明治生まれではないけど・・・)
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コメント
前コメントでは失礼致しました.エムズの片割れ様は私の1年上と存じますが,良く似た音楽趣味です.小学校に上がる前から,父親の好みで,第一高等学校と三高の寮歌は意味不明のまま歌っていました.北海道生まれでしたので,北大の寮歌も.さらに中学生では,No.Schoolの8つの寮歌を歌っていました.結局,どの大学とも無縁でしたが・・・
東北大学(二高)と岡山大学(六高)の寮歌も好きでした.もし東京リーダーターフェルで残りの寮歌も有りましたら,機会があればUp Date をお願いします.
【エムズの片割れより】
残念ながら二高、六高とも知りません。リーダーターフェルにもありませんでした。その内、機会があったら聞いてみま~す。
投稿: のりへい | 2011年6月15日 (水) 22:29
何故か最近、「都ぞ弥生」を無性に聴きたくてたまりませんでした。以心伝心のように載せていただいて感激しております。どの寮歌にも少しづつ思い出があります。私たちの年代では知っている人も少なくあまり歌われて居りませんでした。~人の世の 清き国ぞとあこがれぬ~良い歌詞ですね。明治の青年の心情が伝わってくるようです。美しい歌詞が消えて行くのは淋しいものです。取り上げて下さって有難うございました。
【エムズの片割れより】
早慶などの私大もそうですが、有名な校歌などがある学校は羨ましい限りです。自分の学校にはそんな歌が無かったせいか、どうも懐かしくありません。無念・・・
投稿: 白萩 | 2011年6月16日 (木) 13:55