映画「鉄道員(ぽっぽや)」を観る
4月からNHKのBSプレミアムが放送開始したが、同時に新しい色々な番組も始まった。その中で、“山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~家族編~”(ここ)を録画して、休日毎にせっせと観ている。
4月は「東京物語」「二十四の瞳」「トウキョウソナタ」「鉄道員(ぽっぽや)」「めし」ときて、今夜は「若者たち」を、今放送している。このうち、「東京物語」は前に観たので省略。昨日「めし」を観て、今日は「鉄道員(ぽっぽや)」を観た。(「二十四の瞳」は昔観たが、もう一度観るつもり・・・)
それで今日観た「鉄道員(ぽっぽや)」だが、スピリチュアルな世界を自然に描いていてなかなか良かった。この映画は昔評判になったものだが、広末涼子も、可愛くてなかなか良かった。
高倉健は相変わらず渋い。先日、民放で映画「幸せの黄色いハンカチ」を放送していたので、ついまた観てしまったが、どれもなかなか渋い。しかし、言葉が少ないが、所作で心を表現出来るのは大変なもの。それが出来る代表的な俳優だ。
この映画のストーリーは、赤ん坊の時に死んだ女の子が、少しずつ大きくなって父親の所に出てくる・・・。何とも怖い話なのだが、家族のつながりをしっとりと描いている。
亡くなった子供、亡くなった人をどう捉えるか・・・。それは人によって当然違う。でもウチは結構スピリチュアルな世界が好きなので、それらを好意的に捉える。
これらスピリチュアルな世界も、亡くなった人に会いたいと思う人は、好意的に捉え、会いたくないと思う人は否定的に捉えるのだろう。
同じような映画に「異人たちとの夏」がある。この映画もこの番組で放送予定らしいが、昔観た時に、亡くなった両親が、亡くなった当時のままの姿で成長した子供の前に出てくる設定に、少しゾッとした。それにバックに流れるプッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父様」が何とも切なく、怖かったもの・・・。この映画も放送されたらまたじっくりと見るつもり・・
それに比べて、この「鉄道員(ぽっぽや)」は物語が単純なだけに、分かり易い。むしろ温かい・・・・
そして、この映画のもう一つのテーマは、定年になって会社を辞めたら、どう生きる・・・・?
この映画では、雪の中で主人公が亡くなる・・・。映画のセリフでは「大往生だ・・・」と言っていた。確かに、自分の好きな仕事をやり遂げ、妻や娘も先立っており、人生に悔い無し・・という所なのだろう。でも一般的に見ると若い・・・
でも家族に先立たれて一人残され、仕事という生き甲斐も失いかけた人間に取ってみると、定年間際で、廃線の前に、このような形で家族の元に逝く、というのもそう悪く無いような気がしてきた。
何とも少しセンチになって観た映画「鉄道員(ぽっぽや)」ではあった。
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コメント
私に言わせれば、戦後最大の悪政「国鉄民営化」と、それに伴う廃線の嵐。
あれさえ無かったなら健さんも定年まで生きていたんじゃないかとさえ思える内容でした。
廃線で地方が疲弊したことが、日本の将来にとって良いことだとは思えません。
今回の郵政民営化と併せて考えると、お先真っ暗に見えてくるんです。
この映画はそう言うメッセージも含まれていたように思えます。
雪の原野をキハが走っている映像、かつての天北線を思い出しました。
【エムズの片割れより】
確かに、見方を変えると、色々なメッセージが読み取れますね。
投稿: 通行人 | 2011年4月25日 (月) 09:00