「没後80周年 金子みすゞ展」に行く
日本橋三越で開催中(2011年2月2日~14日)の「没後80周年 金子みすゞ展」(ここ)に行ってきた。
自分が金子みすゞを知ったのは、NHKラジオ深夜便「こころの時代」で「魚と小鳥と神様と〜金子みすゞのまなざし 児童文学者 矢崎節夫」(2008/9/3~4放送)を聞いたとき。その時、当サイトにも書いた(ここ)。自分が知ったのは最近だが、金子みすゞは非常に有名で、周りの誰もが知っていた。何せ、小学校の教科書にも載っている有名人だそうだ・・・。(写真はクリックで拡大)
その展覧会が東京であるというので、今日、カミさんと行ってみた。
久しぶりの三越。入場券を買いに行ったカミさんが、買わないまま入れる という。三越・伊勢丹カードを持っていると、2人まで無料という。ラッキー!二人で1600円助かった。
入り口で、音声ガイド500円があったが、金子みすゞの事はだいたい分かっているので借りなかった。展示は、ほとんどがパネルによる生い立ちの説明。現物は非常に少ない。それはそうだ・・・。残したものは3冊のノートだけであり、そこに書かれている「詩」なので・・・。でも貴重な写真の現物、形見の着物、そして3冊のノートが展示されていた。もちろんノートの中身は見えない。今まで公開された写真で中の詩を想像するのみ。
後半の展示は、63人の著名人によるメッセージ。圧巻だったのが、金子みすゞの「大漁」の詩と共に展示されていた画家・中島潔のいわしの絵。その繊細なこと・・・・。
中島潔も、自分はNHKのヒューマンドキュメンタリー「風の画家“いのち”を描く」 (2010年12月23日放送ここ)で知った。5月にも同じような番組が「クローズアップ現代」で放送されたらしい(ここ~番組の一部が見られる)。もちろん、彼の絵は良く見かける。しかし清水寺に奉納されたいわしのふすま絵と同じような絵が。こんな所で見られるとは・・・。素晴らしい・・。
主催者の毎日新聞の昨日(2月1日)の記事が展示(上の写真)してあった。ここに展示内容が詳しい。(PDFはここ)
平日だった事もあり、観客は初老のご婦人方が多い。中にはちゃんちゃんこのおじいさんも・・。
26歳での他界はいかにも早い。そして歴史の波に呑まれ、消え去ろうとしていた片田舎の無名の詩人。その純な詩をこうして今、我々が目にすることが出来るのも、発掘された矢崎さんという方の努力、執念があったから・・・。
無機質な現代社会で、金子みすゞのあたたかい詩が見直されているのも、皆がそれを渇望しているから・・・。こんな詩に接して、心の洗濯をするのもまた楽しいよね。
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