« 明けましておめでとうございます。 | トップページ | 「真の弱者と真の格差」 »

2011年1月 3日 (月)

童謡「たきび」

さて明日から会社が始まる。“仕方なく”部屋を整理していたら、新聞の切り抜きが2枚出てきた。書こう書こうと思っていた童謡「たきび」の記事・・。なぜこの歌に拘るか?実はこの歌は、若しかすると我が人生で最初に覚えた歌かも知れないので・・・・・。
自分は幼稚園に行っていない。行ったには行ったが、逃げ帰った記憶があるので(ここ)、そのまま止めたと思っている・・・。でも一方、小学校に上がる前にこの歌を幼稚園で教わって歌っていたことが記憶にある。何とも不思議は出来事なのである。記憶をつなぎ合わせると、数度だけ行った幼稚園で、この「たきび」という歌だけ覚えて、それから幼稚園を止めた??
そんな訳で、この歌は自分の人生で忘れられない歌になっている。まず聞いてみよう。

<西六郷少年少女合唱団の「たきび」>


「たきび」
  作詞:巽聖歌
  作曲:渡辺茂
かきねの、かきねの
まがりかど、
たきびだ、たきびだ、
おちばたき。
あたろうか、あたろうよ。
きたかぜ、ピイプウ、
ふいている。

さざんか、さざんか、
さいた みち、
たきびだ、たきびだ、
おちばたき。
あたろうか、あたろうよ。
しもやけ おててが
もう かゆい。

こがらし、こがらし、
さむい みち、
たきびだ、たきびだ、
おちばたき。
あたろうか、あたろうよ。
そうだん しながら
あるいてく。

何とも懐かしい光景が目に浮かぶ。小学校の低学年の時は、昭和20年代の終わり。朝は霜柱が立ち、それを面白がって踏みながら学校に行ったもの。そして指が赤く腫れた“しもやけ”。もう死語になってしまった。お袋は「あかぎれ」で何か黒いものを塗っていた。あかぎれと言えば、「母さんの歌」の歌詞に出てくるな・・・。

見つかった新聞のひとつは、2010年1月22日付の朝日新聞多摩版。「たきびだ 焚き火だ 豊田駅♪ 発車合図に日野ゆかり童謡、あすから~市職員の演奏放送」という記事。
「・・・「たきび」は岩手県出身の童謡詩人、巽(たつみ)聖歌(1905~73年)が41年に作曲した。聖歌は48年から亡くなるまで、豊田駅が最寄りの日野市旭が丘で暮らした。・・・
2005年暮れ、隣の八王子駅で、八王子に住んでいた中村雨紅(うこう)作詞の「夕焼小焼」が発車メロディーになった。これをきっかけに、地元でも「『たきび』を採用できないか」との声が上がり、たきび会と商工連が市やJRへの要望活動を始めた。
たきび祭などを通じ住民の間に機運が次第に高まり、昨年9月には約1ヶ月で約2300人分の市長あての署名が集まった。市がJR八王子と交渉し、(2009年)11月中旬にメロディーへの採用が決まった。・・・・」
(2010/01/22付「朝日新聞」多摩版より)(オリジナルのPDFはここ
なるほど。25年も住んでいれば、「ゆかりの地」となるな・・・

もう一つの新聞記事は、2010/12/18付の朝日新聞「うたの旅人」。
「・・・1941年(昭和16年)9月、渡辺茂のもとに、NHKから「12月の子ども向けラジオ番組で使いたいので、曲を付けて欲しい」という依頼が舞い込む。・・・新宿の自宅で、何回も口ずさんでいるうちに、自然と旋律が浮かび、わずか10分ほどで五線紙に音符を書き込んだという。29歳のときだ。
「たきび」が、初めて電波に乗ったのは、その年の12月9日。太平洋戦争開戦の翌日だった。・・・放送されたのは「軍の番組管制が完全に行き渡るまで」の12月9、10日の2日間。・・・以後、「たきび」は戦後の49年(昭和24年)まで、取り上げられることも、歌われることもなかった。封印されたのだ。・・・1949年にNHKが放送開始した松田トシ、安西愛子による「うたのおばさん」でとりあげられると、たちまち全国の幼稚園や保育園で歌われた。・・・・」
(2010/12/18付「朝日新聞~うたの旅人」より)

まるほど・・。そんな背景で、当時の自分の幼稚園時代(昭和28年)にも歌われており。それで自分も覚えた訳か・・・。

童謡ひとつ取っても、時代背景を調べてみると、色々な歴史がある。
何とも記憶の彼方にある“我が「たきび」”ではある。

|

« 明けましておめでとうございます。 | トップページ | 「真の弱者と真の格差」 »

コメント

「うたの旅人」は日経ではなく朝日新聞です。土曜別刷beに載っていました。
作詞の巽さんが「たきび」を好きでなかったなんて驚きですね!

【エムズの片割れより】
おっとっと・・・。ご指摘ありがとうございます。早速、修正しました。

投稿: | 2011年1月 6日 (木) 11:39

「たきび」が封印=放送禁止になったのは、敵機から煙が見えて、標的になるからだったそうですね。「歌の出前屋:8年目」

【エムズの片割れより】
なるほど・・・・。何とも風情がない、さみしい話ですね。今だと、消防車が駆けつけてしまう??

投稿: 三澤 洸 | 2012年12月19日 (水) 10:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 明けましておめでとうございます。 | トップページ | 「真の弱者と真の格差」 »