森山良子の「いつも通るこの道」
先日、NHK BS2で放送された「私のうたの道 森山良子」(2011/01/29放送)を見た。しみじみした広瀬修子の語りにより、森山良子の半生をたどっていた。
歌手への道のキッカケは、来日したジョーン・バエズに呼ばれて一緒に歌ったこととか。それに、“歌謡曲”「禁じられた恋」を歌う時の葛藤など、ナルホドという話が多かった。
確かに、「禁じられた恋」がヒットするに連れて、我々“老舗”は何か“チャウ(違う)”と思ったもの・・・。理由は簡単。フォークの森山良子が何で・・??
その異色の「禁じられた恋」については、“コブシを回せ”というレコードスタッフの指示に、非常な反感を覚えたという。しかしその後、作曲家三木たかしを始めとした製作スタッフの「売ろう」という熱意に対して、自分の不満など何とちっぽけな事かと痛感し、良い勉強になった。と言っていた。
その後、森山良子の澄んだ声での「歌謡曲」が続く・・・。今日はその中から「いつも通るこの道」を聞いてみよう。この歌は、1979年1月21日の発売。「禁じられた恋」から10年後である。
<森山良子の「いつも通るこの道」>
「いつも通るこの道」
作詞・作曲:森山良子
いつも通るこの道は
あなたとの思い出いっぱい この石だたみ
ふたり立ち止まり 見つめあいましたね
いつまでも わたしの歌に 出てくるような
すみれ色の夕暮れでした
あなたはわたしを 好きだといって
わたしもあなたが 大好きでしたこのうえなく照れ屋のあなたは
無口な少女の心のすきま うめつくすだけの
ことばも言えず ただやさしく
包んでくれました
若すぎたあのころの わたしは すこしだけ
おとなぶって
静かな愛の てざわりよりも
愛のことばが ほしかったんですあなたにさよなら言った夜
ボロボロ朝まで 泣きました
あれからしばらくは思い出ほっぽり出して
あなたの好きな歌 口ずさんだ
あれから何度か 恋をして
少しちがう私に なりました
あのときもらったやさしさを
いまでも大事にしていますいつも通るこの道に
あなたとわたしのかげがゆれる
いつも通るこの道に
ゆるやかな風のメロディー
森山良子も自分と同じ年なのでちょうど63歳。1回のステージが2時間半。数々のコンサートをこなすには強靱な体力が必要。従って、ボイストレーニングの他に、階段を駆け上がるなど、日常の体力増強には心掛けているという。それでも、体がギブアップして、休演のアクシデントも・・・
そう言えば、先日同じNHKで、ヒューマンドキュメンタリー「裸の55歳 郷ひろみ THE エンターテイナー」(2011/01/07放送)を見たが、その姿勢と似ている。この番組では、55歳になった郷ひろみが全国55カ所を巡るツアーのために、自分を磨き、体力を磨き、そしてステージで最高のパフォーマンスを見せる姿を描いていた。ある意味「郷ひろみ」という“商品”をどう維持するか、それに賭ける執念を描いていた。
この森山良子の姿もそれとダブる。まあどんな役者・芸術家も、それが演劇やコンサートなどの“ライブ”である限り、その時、人は商品になる。
よって“その瞬間”を楽しみに集まってくる観客に対して、プロとして体調不良などとは言えない。これは大変なプレッシャー・・・。
自分などの凡人は、人生を見渡してみても、代替不可能な(絶対に欠席できない)場面なんて、そうそうあるものではない。せいぜい、結婚式の仲人や主賓などを頼まれた場面位しか思い浮かばない。つまりそれ以外の場面は、誰か他の代役で済んでしまう。会社での活動は全てがそうだ。
我々シルバー世代の「現役の代表?」である森山良子。今後の益々の活躍を見守っていきたいもの。
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