昔の仕事仲間と飲んだ
先週、高校の同窓会に行った(ここ)と思ったら、昨夜は昔の仕事仲間から声が掛かって、立川で飲んでしまった。
会社は人の集まり。同じ会社以外でも、ビジネスは人と人との関係で進行する。ビジネスはほとんどの場合、それぞれの「立場」で仕事をする。それは「**会社の**課長」さんであって、決して個人名の「**さん」ではない。よって同じ仕事でも、異動で個人名が変わっても、会社(部門)対会社の付き合いは、粛々と変化がない。それが普通・・・。
よって立場が変わると、相手との関係は切れて行く。それが普通・・・
同じ会社仲間だとリタイア後は昔の同僚同士、幾つかの「同窓会(会合)」のようなものが生まれ、定期的に集まって飲む、という機会は出来てくる。それぞれが「その後」の情報交換をするための相手を探す?ので、利害は一致している。
しかし「同僚」以外は全く別である。仕事上の“一過性”の付き合いなので、リタイア後に会う必要がない。ビジネス上の情報交換をする必要がない。
よって同じ会社の同僚以外で、リタイア後に付き合いが継続するということは、それぞれが一人の人間に立ち戻っての付き合い再開、という事になる。つまり、ビジネス上のドライな付き合いが、人間としてのウェットな付き合いに変わる瞬間でもある。
“3人会”が発足してだいぶん経つ。元請け会社としての自分と、協力会社M社のボスだったHさん、同じく協力会社のボスだったT社のTさん。それぞれがリタイアし、肩書が取れても相変わらず2~3ヶ月ごとに集まっては飲んでいる。もちろん仕事の話は一切無い。それが最近はメンバーが増えて6人会になった。外から見ると、この6人は何とも不思議な組み合わせのメンバー。それぞれの立場が色々で、一括りで説明出来ない・・。でも幹事役Hさんのお陰で続いている。ありがたいことだ。
前置きが長くなった。それと同じような関係で、昔の会社で事業部・工場が全く違ったSさんから声が掛かり、昨夜久しぶりで会った。Sさんの元部下のYさんも一緒。この3人の関係も面白い。同じ会社なのだが、昔の立場は発注者側と受注者側だった。でも新製品を作るために一緒に議論した仲。でも先の3人会とは違って、二人はピッカピカの現役。Sさんは1600人の子会社の幹部。定年まであと2年とか。もう一人はまだ51歳。親会社の幹部。
前回会ったのは、親戚の関西の営業マンを連れて会社を訪ねた時。連れて行った営業マンは東京地区の開拓をするためにたまに上京するのだが、なかなか相手企業に恵まれず、彼の顔を立てるために、大会社の二人を訪ねたわけ。その時も、二人は貴重な時間を快く取ってくれて、自分もその親戚の男に顔が立ったもの・・。有りがたかった・・・
たぶんそれ以来だが、数年ぶりに会っても、お互い変わっていない。
やはり話題は会社の「その後」。あまりきな臭い話題は最近耳にしなかったが、現場の状況は「厳しい」のひと言。幾ら大会社とはいえ、携わっていた事業の趨勢によっては悲惨な運命がのしかかる・・・。業績不振により切り棄てられる事業。その事業に携わっていた人は皆余剰者に・・。つまり会社にとっては不要な人。営業の第一線で“肩で風を切っていた”営業幹部が、単身赴任で工場の寮に入れられ、作業服を着て機械の組み立て作業をしている現実・・・。イヤだったら辞めたら??の世界・・・・。
また現在活況の事業も、製造がどんどん海外に移転しているため、国内で必要とされる人間は減少の一途。しかも韓国メーカーは強く、将来的にも到底かなわないという。すべては時のトップのジャッジの結果。トップのジャッジは、良くも悪くも尾を引く・・・
サラリーマンは、例え子会社に移ったとしても、ビジネスの最前線で活躍している時は、他の世界は見えない。否、見る必要がない。自分もそうだった。
でも段々と「その時(定年)」は迫ってくる。会社の仕事以外に、自分にどんな世界があるのか・・・
昨夜会ったSさんは、世界をまたに掛けた人。英語が堪能で、昔自分が(とうとう逃げられずに)アメリカに初めて出張した時に、一緒に行った、いや自分が連れて行って貰った人。当時海外出張40回とか言っていた。(後で聞いたらその後50回で止まっているとか) その英会話の実力と海外経験の豊かさには舌を巻いたもの。
その時に、「もうほとんどの国には行ったが、何とか南アフリカに行ってみたいのだ・・」と言っていたが、それはまだ実現していないという。
その時に教わったのが、「英会話が出来ると住む世界がグローバルに広がる」ということ。これは大きい。それ以来、せめて息子どもにそれを期待したのだが、案の定“空振り”に終わった。
世界を相手にビジネスをしていたこんなSさん。近い将来、現役をリタイアしたあと、どんな人生を送るのだろう。海外経験や技術力において、ちょうど自分の対岸に位置しているだけに、少し興味がある??
そんなSさんだが、数年前に(昔、自分も罹った)突発性難聴(これ)になったと聞いて、“Sさんも(ストレスに負けた)普通の人間だった”と、少し安心したもの・・・。(世の中、サイボーグは居なかった・・・・?)
それと同時に、我々団塊の世代は、現役の悲惨な状況を聞くにつけ、やはり“食い逃げ世代(ここ)”と言われても仕方がないな・・、と思った。
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