「健康法 あちら立てれば」
当サイトで良く採り上げる日経新聞のコラム「ほどほど健康術」。先日のテーマは「あちら立てれば」・・・・。曰く・・
「健康法 あちら立てれば
世間には「あちら立てればこちらが立たぬ」という話が多い。人間の体にも同じことがいえる。
骨粗しょう症はカルシウムの不足で骨がもろくなる病気だが、その予防に牛乳をたくさん飲むよう指導された人が高脂血症になることがある。
新型インフルエンザが流行した際、国が発表した統計によれば、ワクチンを接種したあと死亡した人が10万人当たり0.58人いた(因果関係は不明)。新型インフルエンザと診断された人のうち、肺炎などで死亡した人の割合は同0.96人で、その差はごくわずか。受診しなかった人も含めれば実際の死亡率はもっと小さく、差はほとんどなかっただろ。
このような現象は、医薬品にも認められる。糖尿病の薬には、検査値を改善し、様々な余病を抑える効果がある。しかし薬のせいで血糖値が下がり過ぎ、死亡する人が予想外に多いことが分かってきた。
血圧を下げる薬には脳卒中を予防する効果が期待できるが、中には副作用でコレステロール値が悪化する薬もある。
更年期障害を治療するためのホルモン治療が一時期、世界的に普及した。米国の統計によれば、この間、副作用による乳がんの発生率が明らかに増えていた。
健康は、複雑で微妙な体のバランスの上に保たれている。何かを人為的に変えようとすると、「あちら立てればこちらが立たぬ」となってしまう。
「○○病予防キャンペーン」「××病を防ぐ健康法」などの言葉がちまたにはんらんしているのが気になる。一見、納得してしまいそうだが、よく考えてみてほしい。自分がどんな病気になるかは、誰にも予測できない。なぜ特定の病気だけ対象にするのか。一つの病気を予防する努力が別の病気を誘発してしまうかもしれない。人間の体は部品寄せ集めではない。病気の予防をばらばらに行っても仕方ない。
何を目標にすればいいのだろか。「長生きしたいですか?」と聞くと、ほとんどの人は「寝たきりではね・・・」とか、「長生きするよりポックリいった方が・・・」と答える。
健康管理の目標は、やはり元気で長生きすることではないか。どんな健康法、医療にも必ずマイナス面がある。それを忘れると、この目標もかなわない。(新潟大学教授 岡田正彦)」(2010/12/05付「日経新聞」p10より)
この話は良く聞く。あくまで、「薬は毒薬である」が前提なので・・・。
話は変わるが、先日の新聞に、中国で「催乳師(乳もみ師)」という仕事が脚光を浴びている、という記事があった。赤ちゃんに母乳を飲ませるために、母乳を出させる商売とか・・・。それはそれで、自然で結構な話なのだが、背景が何とも寂しい。
「・・・中国では08年、河北省の大手乳製品メーカーが製造した粉ミルクに、有害物質メラミンが含まれていたことが発覚。これが発端となり、20社以上の粉ミルクからメラミンが検出され、全国で29万6千人が腎臓結石などの副作用にあい、6人が死亡していたことがわかった。
メラミンにはたんぱく質の量を測る基準になる窒素が多く含まれる。このため、酪農家が、利益をあげようと、水で薄めた牛乳にメラミンを混ぜて検査をごまかしていた。催乳師の需要が急速に高まったのも、この時期からだ。・・・」(2010/12/08付「朝日新聞」p8より)
こんな記事を読むにつけても、何でも“自然”が良いと思う。つまり、あまり人工的な成分を体に与えない。言いかえると、なるべく薬は控えたい・・・。
先日書いた記事で、「少々のことでは、病院に行かない。中年以降の不調は、大方は老化現象で、つける薬はない。そうだとすれば、医者に診てもらう必要もない。」(ここ)という言葉があったが、不調をトシと考えると薬に頼ることも少なくなるかも知れないな・・・。
薬の副作用といえば、前に近くの行き付けの医院で、自分に唯一、副作用のない抗アレルギーの薬(アレグラ)を頼んだら、医師が「副作用のない薬は効かない・・」という。それは違う、と思った。それ以来、この医師への信頼は揺らいだ。
話があっちこっち飛んだが、「薬は毒」を前提に、昔、医師の友人が言っていた“医食同源”に心がけたいもの。
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