昆虫食~セミを食べていたアリストテレス
たまにカミさんが駅前で買ってくる「ビッグイシュー」(ここ)。その115号に少しショッキングな記事が・・。曰く・・
「昆虫食~セミを食べていた哲学者アリストテレス
バッタのソテーにコガネムシのフライ、幼虫の生食にイナゴの佃煮――。虫を食べない文化圏に暮らす人はギョッとしてしまうかもしれないが、昆虫食は世界各地で見られる伝統ある食文化。そもそも私たちヒトの祖先ははるか昔、身近にいた昆虫を草や木の実などと同様に日常的に食べていたのだ。
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紀元前7世紀、アッシリアの王が催した祝宴にはバッタの料理が出され、紀元前4世紀には古代ギリシャの哲学者アリストテレスがセミを食したという記録も残る。農耕・牧畜文化が進んだあとも、昆虫は重要な食料であり続けたのだ。
メキシコは、1992年の調査で約300種類の食用昆虫が確認された昆虫食大国。・・・
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ヨーロッパでは現在に残る事例は少ないが、イタリアやフランスではチーズに発生するチーズバエの幼虫を食べる地域がある。また、昆虫ではないものの、フランス人がカタツムリを好むのはおなじみだ。・・・
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アジアで昆虫食が盛んな国といえば、タイと中国。中国では、・・現在も、揚げたカミキリムジの幼虫に塩をふったものや、タガメの油揚げ、オオオサゾウリムシ成虫の油炒めなどさまざまな昆虫料理が食卓をにぎわせる。
タイでは内陸部、特に北部を中心に昆虫食が盛ん。バッタやコオロギ、タイワンタガメやカメムシなどその種類も実に多彩。20年近く前、大発生したバッタがトウモロコシなどの農作物を荒らしたが、農薬の空中散布をしようとした当局に農民は猛反発。なぜならトウモロコシよりもバッタの方が高く売れるからだという。
日本でも古くから広い範囲で昆虫が食されてきた。長寿で知られる長野県は、国内でも昆虫がよく食べられている地域。長寿との関連性は不明だが、興味深い。1918(大正7)年に昆虫学者・三宅恒方が行った調査では、当時食されていた昆虫はハチ類14種、ガ類11種、バッタ類10種など、計55種。つい100年前までこれだけの虫が食べられていたのだ。蜂の子の大和煮は、岐阜県や長野県で古くから伝わる郷土料理。クロスズメバチが土中に作った巣を採り、そこから虫の幼虫やサナギを取り出して煮付けたもので、缶詰として商品化もされている。
虫たちは、薬用としても重宝されてきた。・・・日本でも大正時代の調査では123種類の薬用昆虫が確認されている。
一般的に昆虫は、タンパク質、ビタミン、ミネラルを豊富に含むなど栄養価が高く、カイコのサナギ3匹分の栄養価は、鶏卵1個分と同じともいわれる。そのため、これからの食糧を考える際の重要なキーワードだという声もあるほどだ。(松岡理絵)」(「ビッグイシュー」155号より~原文PDFはここ)
自分ははっきり言って虫類は大嫌い。特に蛾とゲジゲジとムカデは“人生の天敵”・・・。だからこんな話題も大嫌い・・・。
とは言っても、別にゲジゲジといつも争っている訳ではない。日常生活で出くわすことが無いのは、幸せな事である。もっとも出くわしたら、自分は全てを放り出してさっさと逃げる・・・(そう言えば前に浴室でゲジゲジに出くわし、ハダカで逃げたっけ・・・(ここ))
子どもは一般的に虫が好き。自分だって子どもの頃は一人前にセミ取りやバッタ取りはしたもの。それに、息子どもが小さかった時は、家でカブトムシを飼っていたこともある。でも原則としてキライだな・・・。なぜ??
だいたい、近寄って昆虫の細部を見てみると良い。まさに虫眼鏡で見る昆虫は“怪獣”の姿。言い換えるとバケ物だ。実に怖ろしい姿をしている・・・。それを食べるというのだから、考えただけでも虫酸が走る。
昔、「世界残酷物語」という映画があった。アリをむしゃむしゃ食べているシーンが映り、何とも残酷な場面だった。しかし・・・、である。これは文化なのだ。虫を食する文化。
同じように良く言われるのが日本の刺身文化。世界の目から見ると、魚をナマで食べる野蛮な日本人・・・。
夏になると、終戦記念番組でよく南方の戦地の玉砕の話が出る。運良く帰還した人が言うのは「動いている物は何でも食べた。蛇でも虫でも・・・。それを食べることが出来なかった人は皆死んだ・・」
かくいう自分だって小学校低学年の頃、バッタを捕まえて、母親が佃煮にしたものを食べたことがある。バッタを湯がいて、煮て・・・。今考えると怖ろしい・・
でも意外と我々の身近にも虫の食文化はあったのだ。
このような面白い?話題を提供する「ビッグイシュー」(ここ)。今度駅前で見かけたら、ホームレスさんから1冊買ってあげたらいかが??
オトナの雑誌なので、300円の価値はあると思うのだが・・・
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