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2010年11月17日 (水)

ラジオ番組ネット配信の新会社設立へ

先日の新聞に、ラジオ放送のNet配信会社が設立されると報道されていた。曰く・・・

ラジオ番組ネット配信の新会社、電通などが設立へ
電通とラジオ局13社はラジオ番組のインターネット配信を事業化する。ネット配信の事業会社を12月1日に設立し、電波での放送と同時にパソコンと高機能携帯電話(スマートフォン)に無料配信する。配信エリアは首都圏と関西に限定するが、将来的には他地域のラジオ局の参加も検討する。ネット配信に伴う広告の拡大で収益の幅を広げるのが狙い。
新会社の社長や出資比率は現在調整中。ニッポン放送や文化放送など首都圏7局と関西6局は今年3月から「radiko(ラジコ)」(ここ)と呼ぶ共同サイトを通じて同サービスの試験配信を始め、年内の実用化を目指していた。
試験期間中はサイト画面に企業の広告枠を設けていなかったが、12月からの本格配信に合わせて広告も付く。
来年以降には首都圏、関西以外のラジオ局の参加やNHK番組の配信も視野に入れる。また通常の携帯電話への番組配信やミニブログ「ツイッター」と連動したサービスなども検討する。
ネット配信によるラジオ番組は、都市部のビル陰など電波が届きにくい場所でも音質がきれいに聞こえる利点がある。
また受信機自体を持っていない若年層らにネット番組で番組を聴く機会を提供し、新たな視聴者を掘り起こす狙いがある。」(2010/11/14付「日経新聞」より)

これに関連して、「東京・大阪で民放ラジオのNet配信がスタ-ト」という記事を書いたのが2010年3月12日だった。(ここ

それが首都圏と関西に限定されるとはいえ、本格スタートは朗報。しかし自分に取ってみると、NHKが参入するかどうかだけが興味。それしか聴かないので・・・
でも自分的にはNHKが参入するとは思えない・・・。AMステレオの時もそうだった。NHKだけは最初からやる気がなかった。まあやはり廃れてしまったが・・・。
Wikiによると、AMステレオへのNHK未参入の理由として、「放送法においてNHKは「日本全国に均一な放送をする」義務が定められており、全国47都道府県全てにAMステレオ放送を導入すると莫大な経費がかかる」等の背景が書かれている。
これを念頭にNHKのNet配信を考えてみると、全国均一放送はNetが得意とするところ。しかしNetの世界では放送が“世界均一”になってしまう。
NHKにしてみると、Net配信はあくまで無料。それを受信料で成り立っているNHKが積極的に参入するのかどうか・・・。相手は世界だ・・・。でも「NHKワールド」という海外向けのサービスもやっている・・・。だからやる可能性も・・・・
それらがNet配信されるようになると、世界中の人からNHKは拍手喝采を受けると思うのだが・・・。でも何かそうならないような気がする・・・

前にCSデジタルラジオのSTAR digio (スターデジオ)が始まった時、音楽の新譜をオリジナルの音源に近い音で流されては、CDの売れ行きに影響する、とレコード会社と裁判沙汰になった事があると聞く。ラジオのNet配信もいくら圧縮音源とは言え、この点でも問題になる可能性もあるか・・・?
ともあれ、圧縮音源とは言え、デジタル音源はノイズがない。これは素晴らしい。しかし、もし転送スピードの関係で放送が途切れたりすると、全く用をなさない事になる。つまり音楽などが途中ストップではとても聴いていられない。
よって、まあ例えNHK FMがNet配信になったとしても、電波によるFM放送は、Netのようにぐちゃぐちゃ色々なテクニックで情報量を減らしていない分だけ音が良いと思われるので、当分、自分の“FM放送惚れ”は変わらないような気がする。

(関連記事)
東京・大阪で民放ラジオのNet配信がスタ-ト

(2010/12/03追)
「「ネット配信、まずラジオ NHK会長」(2010/12/2 20:03)
 NHKの福地茂雄会長は2日の定例記者会見で、放送番組のインターネット同時配信を検討している点について、「ビルの中でもラジオを聴けるようにすることが大切」と述べ、まずラジオ番組を想定していることを明らかにした。ラジオの電波は大型ビル内などで受信しにくく、首都圏と関西の民放ラジオ局も3月にネット配信に乗り出している。
 テレビ番組の同時配信については「かなり先にはあるだろう」と語った。NHKの番組の同時配信に対しては、民放側から「どういうサービスをするのか説明してほしい」(早河洋テレビ朝日社長)と警戒する声が上がっていた。」

(2011/02/17追)
NHK、ラジオ番組のネット配信「11年度中に」 (2011/2/16 19:32)
NHKの日向英実放送総局長は16日の定例記者会見で、ラジオ番組を放送と同時にインターネットで配信するサービスについて「来年度中に実現したい」と述べた。関東地方の放送内容を全国で聞けるようにする。都市部のビルの陰など通常のラジオ放送が聞きにくい地域への対策として総務省に認可を申請する。
NHKは電波での放送を終えたテレビ番組を配信するサービスを手掛けているが、放送と同時の配信は放送法に抵触する可能性があり、総務省と協議していた。日向総局長は「難聴地域対策という考えなら法改正なしでも可能だと思う」と語った。民放ラジオ局は既に首都圏と関西圏で同時配信を始めている。」(
日経新聞より)

(2011/02/25追)
NHK松本会長に聞く TV・ネットの同時配信検討 受信料下げ、慎重に判断
NHKの松本正之会長は24日、日本経済新聞の取材に対し、テレビ番組を放送と同時にインターネットに配信することについて「避けて通れない課題だ」と述べ、実現に向けた検討に入る考えを示した。「通信の技術革新で(コンテンツの)視聴機器が多様になった」と指摘したうえで「どのような状況でも公共放送の役割を果たす必要がある」と強調した。
放送法はNHKがネットで配信できるコンテンツについて「放送した番組」などと規定。松本会長は放送と同時の配信について「現在の法律ではできない」と語り、実現には法改正が必要になるとの認識を示した。
NHKは過去に放送した番組のネット配信サービスを2008年に始めたほか、ラジオ放送の同時配信の来年度開始に向けた認可を総務省に申請した。これらに続くテレビの同時配信に関し、松本会長は「視聴者の利便性を高める必要がある」と強調するが、NHKの業務肥大化を警戒する民放テレビ局が反発する可能性がある。
昨年10月から有識者の専門調査会が議論している受信料制度見直しについては「視聴方法の多様化や海外の例を踏まえて検討したい」と述べた。テレビ番組の同時配信は放送と同様に通常の受信料に含まれたサービスとするもようだ。
NHKは現在、テレビの設置を根拠に受信料を徴収しているが、ネットでの番組配信の広がりを踏まえ、ドイツはテレビの設置にかかわりなく全世帯から徴収する方向。こうした動きについて、松本会長は「参考にしたい」と語った。
NHK経営委員会は08年に12年度から「視聴者に受信料を10%還元する」と決め、古森重隆委員長(当時)は「還元」の意味を「値下げ」と説明した。松本会長は還元について「当時の経営委員会の議論は尊重する」としながらも、「受信料が免除される生活保護世帯の増加などその後の変化も踏まえて判断したい」とした。7月に地上放送を完全デジタル化したあとの受信料の収納状況も見極め、慎重に判断する考えを示した。」
(2011/02/25付「日経新聞」p9より)

(2011/03/10追)
インターネットでNHKラジオ番組のリアルタイム聴取が可能に、NHKが10月ごろをメドに開始
総務省は2011年3月9日、日本放送協会(NHK)から申請があったラジオ番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務の認可について電波監理審議会に諮問し、適当とする答申を受けたと発表した。この答申を受けて総務省は、NHKに対する認可を同日付けで行った。
NHKが提供を開始するのは、AMのラジオ第1放送(関東広域放送)とラジオ第2放送、(全国放送)およびFM放送(東京都域放送)である。ユニキャストによるストリーミング方式でNHKのWebサイトから提供する。配信期間は2011年10月ごろから2014年3月末までを予定する。送信時の伝送速度は1チャンネル当たり48kb/s程度で、提供エリアは国内に限定する。
AMの音声はモノラル、FMはステレオで提供する。NHKは、ラジオ番組のインターネット配信 のために必要とする費用を2011年度から2013年度までで合計3億円と見込んでいる。2011年度に必要な資金は、2011年度予算に計上済みという。
NHKは、ラジオ番組のインターネット配信がラジオを聴取しにくい状況を改善する措置の有効性について、アンケートなどにより検証・確認を行う。この検証を行ったうえで、必要があるときは実施内容の変更や延長などのための認可申請を行う。なおNHKは今回のラジオ番組のインターネット配信業務を、放送法第9条第2項第8号でNHKが可能な業務として規定されている「放送およびその受信の進歩発達に特に必要な業務」と位置付けて、認可申請を行った。」
ここより)詳細資料は(ここ

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コメント

NHKはテレビ番組のNet配信を計画し、総務省に放送法の変更を要請しました。
ラジオについても、Net配信するかも知れませんね。
『それらがNet配信されるようになると、世界中の人からNHKは拍手喝采を受けると思うのだが・・・』
NHKは法的手段を使ってまで受信料の取立てを図っています。Net配信すると、Netに繋がるPCを持っているだけ受信料を取られるようになります。外国の人は無料でNHKを見ることができるのに、日本国民からは有無を言わせず受信料を取り立てる。
矛盾を感じませんか?

【エムズの片割れより】
ホホホ・・・。でもテレビのNet配信は有料でしょう。ラジオはまさか・・・
PC持っていると受信料・・。なるほど、なかなか面白い展開のようで・・。
でもまあ、NHKのラジオはNetでの無料開放はしませんね。

投稿: | 2010年11月18日 (木) 10:14

ネット配信のラジオの存在を知ったのは二ヶ月前。  「radiko」ラジコをダウンロードして聴いてみた、大変聴きやすく、良いと思ったが私には無用の長物であった。   私は徹底したNHK党で、ラジオもテレビもNHKしか、聴かない観ないからである。 テレビはNHKオンデマンド。
なんとかNHKが聴けるパソコンラジオをと調べたら、ロジテック社の多機能ソフトウェアで録音、タイマー録音、再生、iTunesへの自動転送(iPod同期)などの機能を利用できる。「らくラヂ」「らくチューン」で管理も楽々!との謳い文句。(LRT-FMAM200UW)
お手ごろ価格でほぼ満足している。
3年間愛用していたウォークマンを不注意で、表面のガラスを割ってしまい使用不能になった。
2010年1月17日の片割れの記事「SONYのウォークマン「NW-A847」を買ってみて・・・」を参考に、NW-A847(64G)とネックストラップヘッドホンを入手した。
ネックストラップヘッドホンの使用感が抜群によく快適そのもの・・・。
これを考案し、製品化した方々には賞を与えるべきだ・・・。
未確認情報だが、ラジオだけしか使わない家庭の受信料は免除となっていると思いますが・・・。  エムズ氏の情報に感謝する。

【エムズの片割れより】
NHK党なのは自分と同じですね。でもフジテレビなどのドラマはたまに見ています。民放のバラエティーは苦手です。

投稿: 田中久雄(柳風) | 2010年11月18日 (木) 23:42

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