「定年後も人の役に立つ日々送る」
昨日、定年後に酒浸りになって亡くなった元の会社の人について書いた。(ここ)今朝の新聞に、同じような事が書いてありビックリ・・・。曰く・・
「定年後も人の役に立つ日々送る
無職(神戸市 67)
定年退職後に飲酒におぼれるケースがあるようだ。そういえば、元同僚にも酒で苦しんでいる人や、生きがいを見出せず、日々を無為に過ごしている人の話を聞く。
私も退職時、燃えつき症候群といわれるような状態に陥った。しかし、その頃、宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を読み、甚だしく心を動かされた。これからどうあるべきかを考えた時、まだまだ自分のできることを人のために役立てたいと思うようになった。
現在は、施設の子どもを引き受けて支援する里親の活動や、障がいを抱えてがんばる子どもたちの学習を手助けするボランティアを続けている。
これから定年を迎える皆さんに私は言いたい。無縁社会の到来で人と人との関係が希薄になってきているというが、まだまだあなたを必要としている人はたくさんいるということを。
あなたの持っている知識や力を社会のために発揮してはいかがだろうか。」(2010/11/03付「朝日新聞」P14「声」より)
本投稿は、まさに当サイトのコンセプトに正面から解を与えている・・・。
夕食時に見ていたNHKニュースの後、何気なく見ていたら「今を生きて老い思わず-俳人・金子兜太 91歳の人生訓-」(ここ)という番組を放送していた。
放送の解説にはこうある。
「俳壇最長老のひとりで、今なお、現役で活躍する金子兜太さん。たくさんの命から力を得て、土に根ざした人間の本性を俳句に詠み続ける91歳。2006年に最愛にして、最大の理解者である妻・皆子さんを病気で失い、自らの老いと向き合いつつも、生にかける思いは熱い。すべてを飲み込んで、悠々と生きる金子さんの“いま”をたっぷりと生きる、気迫と心の日常に迫る。」
自分は俳句には疎く、金子兜太さんという方も知らない。番組によると、金子さんは定年まで銀行マン(日銀)だったという。そのかたわら、高校時代からの俳句の世界。まだまだ現役で、新聞(朝日)の俳句の選者として6000通もの投稿俳句のハガキを見るという。それが誠意だと・・・。
碁や将棋もそうだが、和歌・俳句も老後の人生にはうってつけの世界。でも才能が・・・。実はそれらは、自分の身近にあったのだ。自分たちの結婚式の少し前に亡くなった祖母は、若い頃から和歌の同人誌の常連だったし、全くの会社人間だった叔父は、退職後に俳句に目覚め、すでに選者の域らしい・・。でも自分は・・・ね。
ともあれ、定年を無為に迎えると怖い・・・。それは分かっている。
ふと、数年前に高校の同窓会に行った時の事を思い出した。各地の校長を歴任され退職された恩師が、「自分は何も考えずに定年を迎えてしまったが、君たちは退職後にどうするかを、今のうちから考えて置いた方がよい」といった話をされていた。
そう、分かってはいるのだが・・・ネ。
なぜか寂しくリタイア後を考えてしまう秋の夜長である。
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